2023年6月21日発売
高校に入ってまもなく、ちょっとした一言で友達関係に“失敗”してしまった彩葉。もう、すべてが終わりだ…そう思ったとき、同級生の天宮くんに出会う。彼は、かっこよくて女子から注目されているけれど、ちょっと変わっている。写真部に誘われ、一緒に花火を見たり、公園の噴水にはしゃいだり、ふたりきりでお昼休みをすごしたり…マイペースな彼に影響されて、だんだん自由になっていく彩葉。しかし彼は、秘密と悲しみを抱えていた。大切な存在になっていた彼が消えてしまったとき、彩葉は…。苦しくて切なくて、喜びに満ちている。そんな希望の物語。
戦争の時代をたくましく生きる!昭和19年、国民学校4年生の稔は父を亡くし、母・妹と福岡市から立石村へと疎開する。なれない田舎の生活と学校でのいじめに苦しむなか、やがて起こる大刀洗空襲。悲しみといじめをのりこえ、強く生きる稔の姿を描く。
[商品について] ー哲学×ミステリー×私小説ー 或る夏の日、春に医学部精神科を卒業して、病院で実際の診療に携わり始めたばかりの砧は、叔母の嫁ぎ先である蓮沼家の別荘に滞在するためにある高原の駅に降り立った。小高い丘の上にある英国チューダー王朝風の様式を模倣した白い瀟洒な館で幼馴染の従妹・美果との久しぶりの再会を楽しんだ砧は、美果の押しかけ婚約者で小説家志望の氷室に頼まれて、幼いころに美果が患った神経症の治療の詳細を知るために、彼女をを治療した砧の恩師・藤波教授に氷室を紹介することになる。それが悲劇の始まりになることも知らずにーー信仰、哲学、秘学、そして人間の業が交錯する人間の実存を問う物語。 [目次] 第一部 蓮沼家の降霊祭 第二部 蛭間神父の犯罪 [担当からのコメント] 本書は、おそらく読んだ人の数だけ読後感のある特異な性質をもった物語であるといえます。そして人とは異なる自分だけが持つその読後感は、きっとこの物語を読んだことの正しい答えとなるのだろうと思います。この読後感を味わいたい方は、ぜひご一読ください。 [著者略歴] 成澤 昭徳 昭和17年 生まれ 昭和38年 詩集≪処女≫思潮社刊 昭和45年 詩集≪神秘≫青土社刊 平成30年 小説『飛鳥(あすか)伝説』文芸社刊 令和2年 戯曲『背教者』文芸社刊 令和3年 小説『暗い館』22世紀アート社刊