2024年1月30日発売
帝国歴144年、帝国内で起こった毒殺事件にかかわっていたことで稀代の悪女として生涯を終えたアリアドネ・ベルネットであったが、目を覚ますとそこは二十年後の帝国。気弱で内気なアリアドネ・フィルベルン公爵令嬢に成り代わっていたー。12歳で自ら命を投げ出した彼女の日記にはフィルベルン公爵家の“闇”が綴られていた。貴女の気持ちが痛いほど分かるわ、アリアドネー。彼女の無念を晴らすため、アリアドネ・フィルベルンとして生きていくことを決意する。同じ名を持つ、正反対のふたりが共につかむ幸せとは!書き下ろし短編2本収録!
神殿から断罪され、悪女の汚名を着せられた聖女メアリ。 逃走を図った矢先、冷酷で魔法が一切効かない体質の“呪われた王太子”エドガルドに捕まって身請けされることに!? エドガルドの要求は“仮初めの妃となり、悪女として振る舞う”こと。 メアリは裏があると察しつつも受け入れるが、逃走のために発動していた魅了魔法がなぜかエドガルドに効いてしまい!? 「正真正銘の、この悪女め」 (た、大変なことになってしまったわ……) 不本意そうなエドガルドからとんでもない溺愛を注がれてーー!
耳兜。それが神託の儀を受けたルオンが授かった神器だった。一方、幼馴染の少年は神剣エクスカリバーを。少女は回復スキルを授けられていた。どちらもレアな授かり物で、王都へとスカウトされている。ルオンの耳兜は“音がよく聴こえるようになる”だけでーー。「ギャハハハ! なんだそりゃ!(お前はそこでへこむような奴じゃないだろ?)」「落ち込まないでね。私は笑ったりしないわ(あーあ、キープしておいたけど無駄だったかな)」。話かけてきた幼馴染たちの心の声が聞こえる!? あ、これ人間不信になるやつだ。でも逆に面白いかも? と前向きにとらえたルオンは、耳兜の能力を応用して、冒険者として困難なクエストをクリアしていく。やがてルオンは「怖い」冒険者として恐れられるようになりーーこれは“耳兜の冒険者”という珍妙な異名がついた少年の物語。
「この子たちに選択肢を与えてあげられるのは世界で一人、私だけだ」 大手化粧品メーカーで働く新田茜は、ある日従姉妹のさやかの影響で、中学受験回避のための小学校受験に興味を持つように。 テレビ局記者の夫を持ち、世間的にはパワーカップルと呼ばれる茜たちだが、お受験の世界はさらに上の富裕層との戦いだった。 仕事と家庭の両立、協力してくれない夫、かさんでいく教育費、思い通りにならない子供たち。 悩み葛藤しながらも、5歳の娘・結衣を名門小学校に合格させるため、茜はどんどん小学校受験にのめり込んでいく。 その先に見えるものとはーー。 東京で過酷なお受験に翻弄される家族の物語! ※紙書籍版カバー裏には、特別短篇「新田茜の子離れ」を収録(電子版には収録されません)。 ※電子書籍版巻末には、特別短篇「新田総介の人生」を収録。
著者七年ぶりの新作長編!直木賞受賞第一作 その年の七月、丸田君はスマホに奇妙なメッセージを受け取った。 現実に起こりうるはずのない言い掛かりのような予言で、彼にはまったく身におぼえがなかった。送信者名は不明、090から始まる電話番号だけが表示されている。 彼が目にしたのはこんな一文だった。 今年の冬、彼女はおまえの子供を産む これは未来の予言。 起こりうるはずのない未来の予言。 だがこれは、まったく身におぼえのない予言とは言い切れないかもしれない。 これまで三十八年の人生の、どの時代かの場面に、「彼女」と呼ぶにふさわしい人物がいるのかもしれない。 そもそも、だれが何の目的でこの予言めいたメッセージを送ってきたのか。 丸田君は、過去の記憶の断片がむこうから迫ってくるのを感じていた──。 三十年前にかわした密かな約束、 二十年前に山道で起きた事故、 不可解な最期を遂げた旧友…… 平凡な人生なんていったいどこにあるんだろう。 『月の満ち欠け』から七年、かつてない感情に心が打ち震える新たな代表作が誕生。読む者の人生までもさらけ出される、究極の直木賞受賞第一作!
舞台は1960年代のモスクワ郊外。殺人を重ねながら魂や死、彼岸の世界を追求する主人公フョードル・ソンノフ。彼がねぐらとするレベジノエ村の共同住宅には、世界を不条理で満たさなければ気がすまない異常性癖をもつ妹クラーワと、フォミチェフ家の人々--父のコーリャ、日がなごみ溜めを漁る長女リーダ、快楽の産物として子どもが生じることが許せない婿パーシャ、自らの疥癬を食す長男ペーチャ、現実を「見てはいない」次女ミーラーーが住まっている。 彼らに「蒙昧主義」を見いだし、自らの思想とのジンテーゼをはかる「形而上派」の面々がここに合流する。グノーシス的神秘思想の持ち主である「形而上的娼婦」アンナを中心に、彼らは「現実」を超越することを志向しながらそれぞれが独自の(超)独我論を展開していく。さらには敬虔なキリスト者であったものの死の間際に鶏になってしまう老人アンドレイ、セクトには属さず独自の道を歩む去勢者ミヘイらも加わり……。 消費社会に覆われた西側でニューエイジが生じたのと時を同じくして、表向き窒息するような社会主義体制下のソ連ロシアのアンダーグラウンドで息づいたもうひとつの精神世界。
弟・セッチンと元婚約者・シリカルとも和解し、ようやくのんびりモノ作りに専念できると思っていた鍛冶師ヴィル・クラフト。しかし、呪いのアイテム作りに長けた謎の存在「七福塵(しちふくじん)」が、「八宝斎(はっぽうさい)」の力を持つヴィルを狙い始める…!! だが王女アンネローゼ、聖剣の使い手キャロラインとライカ、聖剣・夜空、その使い手の獣人少女ポロ、ドラゴンのロウリィちゃんがそれを許さない!! 新キャラも登場のチート生産系スキル持ち主人公の世界「修繕」物語、大好評の第二弾!
女神ウィクトリアからの試練で、ある事情により投獄されている妖狐の里の巫女が再び巫女に仕事を続けられるようにするため、ゲンジたちは妖狐の里へ向かうことに。そこへ向かう途中ケンタウロスのギネヴィアと出会い、今妖狐の里は封印されていた妖狐族の始祖が復活して、暴虐の限りをつくしていると知らさせる。急ぎ向かったゲンジたちは、まずは牢に入れられている巫女を救出へ行き、始祖と相対することにーー。弱きを助け、強きを挫き、好みの女性はものする心優しきおじさんのエロコメファンタジー第2弾!
生の女神ミローラ様の眷属であるアンの帝国への輿入れを阻止するべく、帝国への道中でアンの死亡を偽装することにしたリュカたち。その作戦をミローラ様の神域で話しているときに、平和の女神セレミース様から帝国の正常化をお願いされる。そして、アンの輿入れの日になり作戦は成功し、帝国へ向かうことに。そこでひどく荒れている帝国を目にし、どう動き始めればいいか悩んでいた。しかし、セレミース様やミローラ様からの情報で帝国による王国への侵攻があると判断したリュカたちは王国へ知らせることにーー。
新しい美術小説の誕生だ。 1925年のパリ国際博覧会で登場したアール・デコは、第一次世界大戦後の世界を拓いた。 博覧会を巡る、スリリングで知的な対話は、100年後の大阪万博の役割を考えるに絶好の力作となっている(北川フラム) アール・デコ……装飾が思想としての力を失っていなかった時代の象徴。しかしその流行は 10年あまりで終わってしまう。パリでアール・デコの家具店を営んでいた三門次朗は、アメリカに商機を見出すべく、1937年に豪華客船ノルマンディー号で旅に出る。 次朗は同行してくれた森谷ひろ子や船中で出会った人たちとの対話から、市民社会を謳歌したパリの「狂騒の二〇年代」が、地殻変動を起こして崩れだしていることに気づかされる。
[About the product] ー""Absence, the too-vacant journey of time"" - In a deserted town where only the crows of Shakotan Peninsula stand out, the images of my grandfather and my younger self emerge like a heat haze. In the city of Sapporo, visited to see my sister's ashes instead of my wife's, I stumble into a mirage of life and death. The story of 'me', accumulating and layering memories like waves pushing back in the days after losing my wife. What lies there is a hometown in name only, memories that are like illusions, and the lingering image of a life filled with death-""Yukiahi"", ""Zankei"", ""Toshio Shimao"" and so on. This is a short story collection featuring seven pieces that drift along the abyss of life and time, brought to you by the author who has carved out the literary landscape with sharp sensibilities. [contents] SHAKOTAN MOUNTAIN R FANTASY SATOHORO FANTASY ROAD OF PILGRIMAGE WHEN REREADING “HAPPINESS ON ISOLATED ISLANDS/MISFORTUNE ON ISOLATED ISLANDS” THE DIVIDED DAYS THE CHUU TRIP WITH MY WIFE [Comments from the person in charge] What does literature invite us to? It is my life, my death, and the shape of my soul, all veiled in the story. This book is filled with exquisite short stories that evoke the joy of such literature. We hope you will enjoy the literary world, like sparks scattered by sensibility and words.