2024年10月15日発売
「ほかならぬ人へ」「翼」「火口のふたり」--愛の本質を問い続ける名手が贈る、これが最新型、衝撃の物語(メッセージ) 09年『この胸に深々と突き刺さる矢を抜け』で山本周五郎賞、10年『ほかならぬ人へ』で直木賞を受賞し、 数々の話題作を放ってきた白石一文による書き下ろし長編小説! === 人口が爆発的に増え、「代替伴侶法」が施行された近未来。 伴侶を失い精神的に打撃を被った人間に対し、最大10年間という期限つきで、 かつての伴侶と同じ記憶や内面を持った「代替伴侶」が貸与されることとなった。 それは「あり得た夫婦のかたち」を提示すると同時に、愛の持つ本質的な痛みを炙り出すことともなったのだったーー。 「自分が十年後に死んでしまうことなんて、ゆとりを失うことに比べたら何でもなかった。僕にとって何より恐ろしいのは、ゆとりの死であり、そのあと二年間も彼女の存在しない世界で生きなくてはならないということだったんだ。」 === 不妊で悩んでいた隼人とゆとりの夫婦。ある日、ゆとりは隼人に別の男性との間で妊娠したことを告げ、隼人の元を去ってしまう。 失意の隼人は「代替伴侶」の貸与を人権救済委員会に申請し、それ以後隼人はゆとりの記憶を複写された「代替伴侶」と生活を共にする。 ところが、今度は隼人が「代替」のゆとりの許を去ることになる。すると「代替」のゆとりはなんと隼人の「代替伴侶」を申請し、それが委員会に認められてしまう。こうして元の夫婦二人の関係は破綻したが、代わりに「代替」同士が共に仲睦まじく暮らすという皮肉な状況が出来する。そもそも「代替」の二人には、自分たちが「代替」であるという自覚が持てないようにプログラミングされているのだ。 その様子を見ながら生身の隼人とゆとりは、あらためて自らの夫婦のかたちが当初から大きく変質してしまったことを思い知り衝撃を受ける。 「代替」の二人の関係は、あり得た未来の、もうひとつの自分たちの姿なのだ。 そして「代替伴侶」には、始動から10年という期限が設定されていた。まず「代替」のゆとりが死を迎えた瞬間に、生身の隼人はある決意をするーー。
雑誌記者の笹山真由美は、若年性アルツハイマーを発症した父に付き添い病院を訪れた。 彼女はその病院のICUで、頭に包帯が巻かれ、複数の管につながれた意識のない少女・美咲が流す涙を目撃する。 美咲の家族は殺害され、自宅火災の焼け跡から遺体で発見されていた。 事件を調べ始めた真由美は、美咲が典型的なヤングケアラーだったことを知る。 重度の障害者の兄と認知症の祖母の面倒を、看護師の母にかわって一人で看ていた美咲が、衝動的に家族を殺して放火したと考える警察の見解に違和感を覚えた真由美が突き詰めた衝撃の真実とは……?
京都市にある美大の油画科を休学中の稲葉真は、従兄の稲葉凛太郎の声がけで狩野探幽の血縁であり、父が狩野派を破門された清原雪信の娘・平野雪香が描いた襖絵の復元模写制作を手伝うことになった。 チームメンバーは修士二年・土師俊介と修士一年・蔡麗華。 襖絵は、十二面の花鳥図だが、現存するのは九面と切り貼りされた一部のみ。 果たして三人は、復元模写を完成させることができるのか? 創作することの苦悩と幸福を濃やかに描き切った感動長篇! 第一章 ボロボロの家宝 第二章 消えた鳥 第三章 風の出所 第四章 修復と模写 第五章 二本目の筆 終 章 花鳥図
異世界に転生しても何もないどころか迫害の憂き目にあい、生きづらい故郷から逃げるように防衛都市ニールゲンにやってきた少年キコリは、そこで出会った仲間たちに鍛えられ、また愛と信頼を教えられてどんどん強くなっていく。 自分の命と斧ひとつにのせて冒険者として依頼をこなすうちに、いつしかキコリは神々にも認知されて特別な力を得、唯一無二の存在になっていくのだった。 《努力+根性=最強チート》 痛快ファンタジー第3弾!
手違いの妻としてひっそりと過ごしてきた『マーガレット』だが、『ユリオス』と思いが通じ合い、王都の屋敷へ戻るため夜会を後にする。 しかし、王都で暮らすユリオスの母からは「嫁とは認めない!」と断言され、会うのを拒絶されてしまう…。 一方、マーガレットの薬草師の噂を聞きつけ、あの手この手で勧誘してくる者たちに手を焼くユリオス。 二人の幸せな未来は無事に訪れるのかーー? 手違いから始まった溺愛ラブストーリー第2巻!
放置ゲーム。 それは忙しい現代社会において、手軽に素早く強くなる為のゲームシステム。 ひょんなことから異世界に転生したおっさんはふと思った。 「異世界で放置ゲーすれば最強になれるんじゃね?」 はたして異世界でも放置ゲー理論は通用するのか?! 最強へと至るため、異世界で放置ゲーシステムを確立せよ!
王国と帝国。二つの大国の間に広がる魔の森ーー大樹海には昔から黒き魔女が住む。 黒き魔女は、あるとき一人の赤ん坊を拾い、弟子として育てることとなる。 黒き魔女より"クレア"と名付けられたその赤ん坊には、かつて日本の劇団に所属し人形繰りをしていたという前世の記憶があった。 見習い魔女クレアは前世の知識や技術を活かし、やがて人形使いの魔女として成長していく。 だが、魔女として成長していくクレアの陰で、大国の怪しげな思惑が蠢き始めていてーー?
騎士団長の父親と魔術師団長の母親との間に生まれてきたハルカ・アスラーン、十三歳。見目麗しい容姿と類稀なる戦いの才能を受け継いだ彼が憧れたのは、正体を隠しながら人助けをする物語のヒーロー「影の英雄」だった。 バレバレな演技でクズ息子を演じる傍ら、唯一の理解者である「剣姫」クロエとともに人助けに勤しむハルカ。ある日襲われている第一王女アリス・ジーレインを救ったことで、彼は王位継承争いに巻き込まれていくことに。 幼きヒーローが綴る「影の英雄譚」--ここに開幕!!
ーー喫茶エニシへようこそ 自信を失い仕事を辞めた恵真は、ある日祖母の家の管理と愛猫クロの世話を任された。 祖母の留守の間、きちんと家を守ろうと意気込む恵真の元に、裏庭のドアから可愛い兄弟が現われる。 物珍しそうに恵真と家を見る二人。 それもそのはず、なんと裏庭のドアの先には見たこともない世界に繋がっていたのだ……! ある出来事をきっかけに異世界で喫茶店をはじめた恵真。 彼女は美味しいごはんと不思議な縁によって少しずつ自信を取り戻していき……。 裏庭のドアから始まる一人と一匹の心温まる異世界交流譚ーー。
トマト様を布教する足がかりとして、ペーパーパウチを作れるクロスローズ工房との提携を果たし、何だかんだあって会社を作ることになった転生猫のルーク。 もうこれペットの仕事じゃなくない?と思いつつも、会社の後ろ盾になってもらおうと王弟(次期国王)ロレンスに挨拶に伺うのだが……!? 様々な出会いを得た王都編、ついに完結! チートな猫さんは懐かしきリーデルハイン領への家路につく!
「ラン王国元王妃セリスを、極刑に処する」 全く身に覚えのない複数の罪で裁かれた元公爵にして元王妃のセリスは、死の直前にかたく心に誓う。もう一度やり直すことができるなら、二度と都合のいいお飾り王妃にはならない、と。 次にセリスが気づいたとき、時間はアルベルト王との婚礼当日まで巻き戻っていた。自分を見捨てた冷たい夫など絶対に愛さないと決めたのに、肝心のアルベルトはなぜかセリスを溺愛してきて……。 ついにすべての謎がとける、感動のシリーズ第2弾!
魔種族統一国家オルクセンの王グスタフは、オークらしからぬ穏やかで理知的な名君と名高い。それは彼が特殊な事情を抱えてこの世界に生まれてきたためであった。 グスタフ王は故郷を追われ臣民となったダークエルフの美女ディネルースと心を通わせ、ついにエルフたちの国エルフィンドに宣戦布告する。奇襲ともいえる神速の開戦により、戦いはオルクセン軍の圧倒的有利で進むかに思われたが……。 重厚にして胸アツ! 空前絶後の異世界軍事ファンタジー、待望の第3弾!
宮崎県出身の前田俊久は、一九八九年(平成元年)四月、東京大学教養学部文科1類(法学部進学予定)に入学した。東大生としての東京での生活は、楽しいことばかりではなく、苦しいことも多かった。地方の県立高校生だった俊久は、駒場キャンパスでの日々を通じ、少しずつ成長していく。東大・東大生のリアル、そして平成初期の時代の息吹を描き出す青春時代小説。東大法学部卒、法学博士、官僚・学者・作家の顔を持つ著者の想いが詰まった珠玉の一作。
シリーズ累計140万部突破!(電子書籍を含む)最強の三人いざ、新たな依頼の遂行へ!癒し系異世界冒険ファンタジー第19弾!書き下ろし短編収録!