2024年11月8日発売
「隣に座るって、運命よ」 文豪ひしめく坂だらけの町の、不思議な恋の話。 大学進学を機に富山県から上京した、坂中真智は、おばあちゃんの親友・志桜里さんの家に居候することになった。 坂の中にある町ーー小日向に住み、あらゆる「坂」に精通する志桜里さん。書棚には「小日向コーナー」まであり、延々と坂について聞かされる日々が始まった。 ある日、同級生の誘いで文学サークルに顔を出すことになったが、集合先のアパートは無人で、ちょっと好みのルックスをした男の子が一人やってくる。 一緒に帰ることになった真智に、彼は横光利一の『機械・春は馬車に乗って』を「先生の本」といって渡して来、米川正夫、岸田國士、小林秀雄がいまも教鞭をとっているかのような口ぶりで…… ひょっとして、この人、昭和初期から来た幽霊なのでは? 江戸川乱歩『D坂の殺人事件』の別解(⁉)、 遠藤周作『沈黙』の切支丹屋敷に埋まる骨が語ること、 安部公房『鞄』を再現する男との邂逅、 夏目漱石『こころ』みたいな三角関係…… 風変わりな人たちと、書物がいろどる ガール・ミーツ・幽霊譚 フェノロサの妻 隣に座るという運命について 月下氷人 切支丹屋敷から出た骨 シスターフッドと鼠坂 坂の中のまち
蔦屋が隠した謎の絵師、写楽の真実とは? 多くの傑作を残し、約10ヵ月で姿を消した「東洲斎写楽」。 この謎多き絵師にふたたび筆をとらせたい老舗版元の主・鶴屋喜右衛門は、「写楽の正体」だと噂される猿楽師、斎藤十郎兵衛のもとを訪れる。 だが、斎藤の口から語られたのは、「東洲斎写楽の名で出た絵のうち、幾枚かは某の絵ではない」「(自分は)本物の写楽には及ばない」という驚愕の事実。さらに斎藤が「描いていない」絵のなかには、写楽の代表作とされる「三代目大谷鬼次の江戸兵衛」も含まれていた。 写楽はふたりいたーー。そう知った喜右衛門は、喜多川歌麿とともにもう一人の写楽探しに乗り出す。しかし、写楽を売り出した張本人である蔦屋重三郎が妨害しはじめ……。果たして、本物の写楽の正体とは。そして、蔦屋重三郎と写楽との関係とは。 大田南畝、山東京伝、歌川豊国など、この時代の文化人たちも次々と登場! 蔦屋重三郎を主人公とする2025年大河ドラマ「べらぼう」と共通する世界で繰り広げられる時代ミステリです。
40万部突破の大人気シリーズ! 「心神喪失者の行為は罰しない」 刑法第39条vs連続殺人鬼 救うべきは誰か。 凄惨な殺害方法と、稚拙な犯行声明文で世間を震撼させた「カエル男連続猟奇連続殺人事件」。事件のキーマンである有働さゆりは医療刑務所から脱走し、行方知れずのままだった──。 その頃、精神疾患を抱える殺人犯を無罪にした人権派弁護士が何者かに殺害される事件が発生。遺体のそばには、あの稚拙な犯行声明文が残されていた。捜査一課の渡瀬と古手川はカエル男の犯行を視野に入れて捜査を進めるも人権派弁護士の殺害は続く。これまでと異なる動きを見せるカエル男に翻弄される渡瀬は、ある人物からひとつの提案を受け……。
強くなれ、自分! かけがえのない仲間のため。 学校が統廃合の危機に!? 水産高校のプライドと命運をかけた、グルメ列車大作戦! 大人気「ナカスイ!」シリーズ、卒業のフィナーレへ。 栃木県立那珂川水産高校(ナカスイ)3年の鈴木さくらは、進路に悩んでいた。志望する食品加工学科のある大学に、学力が全然足りないのだ。さくらは可能性があるという推薦入試に挑もうと、学校での実績作りに精を出すことに。そんなとき舌鋒鋭い政治系ユーチューバーが定員割れのナカスイを「無駄」と切り捨て、廃校論が再燃。さくらは、人のまばらなローカル線に揺られながら怒り狂うのだが、妙案を思いつく。生徒会発案で、「ナカスイ水産列車」を走らせよう!目玉料理はあの高級食材だ!ところが生徒会選挙にチョウザメの採卵、鉄道会社へのプレゼンに受験勉強と、課題は山積みで……。 走り出したら止まらない!進路に迷走? 料理に奮闘!人気シリーズついに完結!!