2025年1月14日発売
尾崎紅葉を中心に集い、雑誌『我楽多文庫』を主な拠点として文壇に一大勢力をなした硯友社。山田美妙『蝴蝶』、巖谷小波『妹背貝』、広津柳浪『黒蜥蜴』、川上眉山『うらおもて』、江見水陰『女房殺し』などを収録。
観念的な理想郷を詩情豊かに描き出すことを追求した二人の代表作を収める。独歩の死後刊行された手記『欺かざるの記』(抄)ほか『源叔父』『武蔵野』、都会と故郷の間に揺れ動く近代的感性を描いた湖処子の『帰省』を収録。
※ 本書は「ワイド本」で、A5サイズ(単行本サイズ)で、「BIZ UDフォント」の明朝体で12ポイント程度と通常より大きめの文字で、読みやすくなっています。 他方、「大活字本」シリーズでも発刊していますが、それはB5サイズ(週刊誌サイズ)で、MS明朝体で20-22ポイント程度のより大きな文字になっています。 【解説】 菊池寛は、歴史物を多数執筆しています。「日本歴史物語全集」や「大衆明治史」「大衆維新史読本」など素晴らしい作品群です。その菊池が、日本の歴史の通史的な作品となっているのが、『新日本外史』であり、それを簡単にとりまとめた『二千六百年史抄』となります。いずれも昭和15年(1940年)の紀元二千六百年を記念して執筆されたものです。 『二千六百年史抄』はその執筆背景から神武天皇の御代からの説き起こしたものになっていますが、各時代時代の動きが簡潔にまとめられており、菊池の作品の特色の通り、人物に焦点を当てたものになっています。菊池は本作品の前書きで、「僕は、史学者でもない、歴史研究者でもない。しかし、歴史を愛し、歴史上の諸人物に親しみを持つ点に於ては、多く人後に落ちないつもりである。」と述べています。 紀元2600年を記念しての作品という性格から、記述ぶりがそれを感じさせる部分はありますが、それは措くとして日本の歴史全体を俯瞰した優れた通史的作品になっています。 【目次】 序/神武天皇の御創業/皇威の海外発展と支那文化の伝来/ 氏族制度と祭政一致/聖徳太子と中大兄皇子/奈良時代の文化と仏教 平安時代/院政と武士の擡頭/鎌倉幕府と元寇 建武中興/吉野時代/足利時代と海外発展 戦国時代/信長、秀吉、家康/鎖国 江戸幕府の構成/尊皇思想の勃興/国学の興隆 江戸幕府の衰亡/勤皇思想の勃興/勤皇志士と薩長同盟 明治維新と国体観念/廃藩置県と征韓論/立憲政治 日露戦争以後
時は戦国時代、加賀門徒鎮圧のために織田信長は、越中国と越後国の国境に越横(えつおう)国をつくった。 だが、信長の時代は短く残された越横藩は、生き残りのために「針聞書」なる医学書をもとに新薬作りに取り組むこととなったのだ。この書には、病の元凶となる六十三種の腹の虫に関す事柄が明細に記されていた。 藩医広陵の努力の甲斐あり、新薬ができ上がろうとする間近に広陵の兄である売薬頭の伸介は、薩摩藩支藩の西南藩のお家騒動に巻き込まれてしまった。首尾よくいけば西南藩に販路を与えてもらえるという条件で引き受けた伸介は、腹の虫たちを使い無血でお家騒動を成功させたのだが、口封じのため無惨にも打首となってしまう。 「このままではハラノムシが治まらぬ」と言い残して。 手代の三郎は、伸介の仇を討つため、交配を繰り返し威力を増した「最強のハラノムシ」を携えて、西南藩に単独で乗り込むのだった。
〜茫洋たる亡羊〜 この子は、昔自分が警備員をしていた時分の、実体験とか先輩警備員から当時聞いたお話とかをネタに産み出された作品です。前書きにも御座いますが、作品を通して出来るだけ沢山の老若男女達と心を分かち合いたいと思っております。Darlin'共に、お酒のアテになる作品に仕上がっているんじゃないかな。 (未成年の方はジュースのアテにでもどうぞ) ※作中に「柳野操」というアーティストが名前だけ登場しますが、彼は私と同姓同名の全くの別人です。 〜Darlin'〜 昔、京都の長岡京市って所を散歩していた時に、規模はそんなに大きいって程じゃない川の上の橋に差し掛かったんですよ。ほんでその橋を渡った時に、「橋の上の箸!」っていうバリしょうもない駄洒落が頭の中でパッと思い浮かんだんです。そこから、Darlin'が産まれました。……言ってる事、意味分かんないですよね。僕も、分かってないです。その駄洒落から何でこんな子供が産まれたのか、自分が一番知りたいです。なので当初は""Darlin'""ではなく""Chopsticks on the bridge""というハイパーギガダサいタイトルでした。まぁ、「百聞は一読みに如かず」という諺が御座いますので、それではどうぞ私の子供達の世界をお楽しみ下さいませ。