2025年10月7日発売
興味のない婚活パーティーに半ば強引に参加させられた、保育士の理緒。そこで会社員の由弦と出会うが、些細な誤解から暴言を吐かれてしまう。翌日、何故かふたりは「経歴も仕事も家族構成も同じだが自分たちの性別だけが逆転」してしまっていた。これまでと同じ仕事をしていても、“男である”というだけでクレームが入り、 “女である”というだけでセクハラをされる。今まで味わったことのない不自由さを感じる中で、ふたりは自分の無意識に潜んでいた性別への偏見にも気づき始め……
隕石の衝突により、雨のやまなくなった北半球。高校生の娘・茜と母の小夜子は、ある事件をきっかけに、スラムで暮らす樹希と行動を共にするようになる。そんな折、政府は国を挙げて、ブリスベンに移住する計画を発表するのだが……。
主人公はハリウッドの辣腕映画プロデューサー、モンロー・スター。 才覚と野心でのし上がり、映画製作の現場に君臨するこの男を待ち受けるのは、運命を揺るがす出会いと悲劇の影ーー。 創作メモに当たる「ノート」を含む未完の遺作が村上訳で甦る。 その早すぎる死の直前まで、フィッツジェラルドが書き続けた最後の長篇小説。
法律事務所で事務職をしている高幡莉々子は仕事の一環で見始めた、ある動画チャンネルが気になって仕方ない。 顔を隠した「頼子」という70代の女が、困窮した生活状況や波乱に満ちた人生を語る動画がどうにも鼻につくのだ。 おそらく投げ銭だけでも相当儲けているはず。 気になる、気になる、気になる! そんな、ちょっとした好奇心から莉々子は次第に取り返しの付かない事態に巻き込まれていく……。
青き星海に溶けゆく、30編の命の記憶 星海に誰ぞの口上が響く。死せる者たちが瞼を開ける。そこへ映し出されるは、30編の物語ーー 『ファイナルファンタジーXIV』の公式短編集第二弾は、Lodestone(公式サイト)で公開された「漆黒秘話」、「黎明秘話」、「暁月秘話」、「朔月秘話」に、書き下ろしを加えた全30編を収録。今回も開発チームによって書き下ろされた物語は、フェオ=ウルと水晶公の過去を垣間見る「彼方の追憶、此方より」、ゴッドベルトとその妻ジュリアンの馴れ初めを描いた「最強の恋」、ヤ・シュトラの家族について明かされる「私的記録:閲覧厳禁」、幼き日のクルルとガラフの思い出「祖父からの贈り物」の4編。表紙イラスト、挿絵(1話につき1点)は板鼻利幸氏による描き下ろし。
「ここに資本主義の真の敵がいる。 かつて社会主義を信奉した私の両親のことではない。 資本主義の動力である欲望を否定する者たちだ。」 純文学と諧謔的コメディが交錯するなかで実存的な問いを鋭く掘り下げた傑作短篇集。 発禁作『パルチザンの娘』でデビューし、『父の革命日誌』が30万部を超す大ベストセラーを記録した、孤高の女性作家の真骨頂。 大ヒット作『父の革命日誌』と双璧をなすベストセラー。 〈両親の足跡をたどる『パルチザンの娘』によって一躍その名を世に知らしめた数年後、小説家としてデビューを果たしたチョン・ジアは、短編小説という形式の中で両親の記憶を掘り起こし、積み重ねながら、その存在論的な問いを求礼(クレ)という土地と結びつけて描いてきた。彼女の過去の作品には自伝的な要素が色濃く反映されており、分断国家がもたらしたイデオロギーに苦しむ登場人物たちは、その連鎖から逃れることができず、むしろそれによってのみ自己の存在を証明しうるかのように描かれていた。求礼に暮らす隣人たちもまた、それぞれ異なる物語を抱えて生きている。他者の声に耳を傾けること、多様な存在のありようを見つめる眼差しこそが、この短編集に見られる変化なのではないか。--訳者〉 資本主義の敵 文学博士チョン・ジアの家 黒い部屋 私たちはどこまで知っているのか 階級の完成 アトランタ・ヒップスター 母猫を捜すもの悲しい子猫の鳴き声 存在の証明 アハ、月 編 註 初出一覧 作家のことば 訳者あとがき