2025年5月21日発売
三流冒険者として過ごしていたバーツは、十数年ぶりに会った弟子の推薦で、新しい国防組織の幹部である「王聖六将」候補に名を連ねることになり、王都で活動を始めた。ある日、市民が急に暴れ出すという奇妙な事件が王国中で起きていると聞かされたバーツ。その市民たちが全員、事件前にとある町に立ち寄っていたと教えられた彼は、弟子と共に調査のためにその町ーーレドルに向かうことに。彼らは町に到着して早々、正体不明の魔法使いにレドルの町が支配されていることを知る。しかもその魔法使いは、テイマーのようでーー!? 弟子と力を合わせて難事件も颯爽解決!? 三流冒険者の活躍が止まらない!
椎名沙良は、異空間にあるアパートを自由に使える「ホーム」という能力を授かり、異世界に転移した。悠々自適な冒険者生活を送っているサラたちは迷宮都市に滞在中。街の子どもたちに毛糸で洋服を作ることにしたサラ。編み物の先生は、日本から転生してきたおばあちゃんが担当することに。ダンジョン攻略の合間に、おばあちゃんと一緒に編み物をしたり、異空間のアパートで日本食を作ったり、サラは懐かしくて癒される時間を満喫していた。そんな、穏やかな日々を過ごしていたサラだったがひょんなことから、転生おばあちゃんの意外な前世が明かされてーー
孤立無援の少女たちに迫る悪の影 一八四〇年代のイギリス、身寄りのない少女ルーカンは勤め先の主人に言い寄られて屋敷を逃げ出し、学校時代の親友で大富豪の娘ゾジーヌのもとへ向かった。しかし、ゾジーヌの側にも大きな境遇の変化があり、財産もなく孤立無援の二人はロンドンへ出て職を探すことに。そこでフランスの田舎に住む慈善家の牧師夫妻から一年間の期限付きで養女にしたいという申し出を受ける。異国の地に落ち着いた少女たちは、老牧師から授業を受け、菜園の世話をしながら平和な生活を送り始めるが、やがて仮面の裏側に隠された恐ろしい事実を知ってしまう。圧倒的な悪の力に立ち向かうことを決意した二人の運命は? 『アフリカの日々』の作家ディネセンが、ナチス・ドイツ占領下のデンマークで変名を用いて発表した本書は、悪の支配に抗う少女たちのロマンティックな冒険を描いて、暗い時代に生きる人々の心を虜にした。
31歳の松谷遼平は会社の懇親会で8歳下のアルバイト・隠善つくみと初めてまともに話すと、奇妙な感覚に襲われる。……この人は俺に会いに来たんじゃないか? 遼平は幼少期、生死の境を彷徨ったことがある。その記憶とつくみとが不思議と繫がってくる。遼平がつくみと結婚すると、別れた恋人の友莉が失踪してしまう。その捜索によって知った関係者の出自や記憶が大分のある地域に奇妙に収斂し、人間関係が因縁めいた連環の形となっていく。やるせなさ、ずるさ、だらしなさが随所に描かれながら、どこまでも澄んだ読み心地がする物語。
風汰が中二の時に授業の一環で行われた職場体験。「子どもとあそんでいればいいってこと?」と安易な気持ちで保育園を選んだが、のちにまさかの保育士に。しかも勤務先は、夜間保育園。仕事と育児に追われるシングル保護者、自身も一人の母親である保育士、そして自宅を改築して夜間保育園を開いた園長。様々な想いに触れながら、風汰も保育士として成長してゆく。子どもを幸せにするには、親も幸せにならないとーー。都会の片隅で、夜の保育園が灯す温かな光を描いた物語。
その少女は、いったい誰の子ーー。 季節外れの雪が降った四月の早朝に、新聞配達員の少年は、側溝に倒れている幼い女の子を見つけた。その少女は、人形と見間違うほどに雪よりも肌は白く、生気がなかった。雪の上に残されている足跡はその少女のもの思われる一人分のみ。足跡は、少し先にある「プチシャトー市毛」という小さなマンションから続いてるようだ。少女はいったい誰の子で、なぜそこで生死を彷徨っていたのか。奇妙な住人たちの愛と憎しみがもたらす、不協和音サスペンス。
正義系、暴露系、心霊系・・・・・配信の終了後に明かされる配信者たちの素顔とは!? 心霊系配信をはじめた先輩後輩コンビが赴いたのは、ある事件が起こった廃墟だった。そして、そこで新たな悲劇が起きる(「心霊系」)。気鋭の経営者に集められた考察系配信者たち。彼らに課されたのは、ある配信者の自殺の真実を考察することだった(「考察系」)--。ネット配信者たちの姿を描いた連作ミステリー。