2025年7月4日発売
親友・忌堂光の姿をした「ナニカ」がいる日常を受け入れつつある佳紀だったが、次々起こる怪異に、ヒカルをどうすべきかと悩みはじめる。ヒカルの存在を嗅ぎつけた謎の男『田中』が放った猟犬が二人を襲い……?
特装版は小説2巻と48P小冊子がセットになった豪華仕様! 小冊子には、原作者・モクモクれん描き下ろし9Pコミックと、著者・額賀澪書き下ろし短編2本『弔いはいつか』『西へ』が収録されています。
アツーカ村の危機をなんとか救ったニャンゴ。 元冒険者だったレイラもパーティーに加わることになり、新生チャリオットは新たな目標を決める。 それは旧王都に広がるダンジョンへの挑戦だった。 それに向け、ニャンゴは新魔法の研究。 兄フォークスは土魔法での故郷の復興とそれぞれの準備を進めていくのだったが、そこにミリアムの故郷の危機が知らされーー。 ニャンゴを取り巻く様々な人々の再出発を描く、猫人の異世界冒険譚第六弾!
脱サラしてダンジョン探索配信を始めたダイシ。 適性ジョブ「僧侶」は回復職かと思いきや、覚えたスキルは敵を焼き尽くす【火葬】で!? 「そんな僧侶いるワケないじゃないですか!」と規格外の力に興味を持った少女サツキと一緒に探索することに。 初心者ダンジョンのはずが冥竜王に鬼神も現れて大波乱!? 覚えるスキルも【成仏】や【葬拳】とあらぬ方向にパワーアップ!? ダイシはあらゆる敵を葬送してダンジョンを突き進んでいく!
あなたと私は違う。だから、一緒にいようーー。 『ふがいない僕は空を見た』『夜に星を放つ』の著者が、今を生きる人々に贈る感動作。 【各界からの反響続々!】 なんて誠実な小説なのだろう。今、この時代に、この本と出会えてよかった。--武田綾乃 (作家) 白か黒かでしか断じない、この時代に絶対に有効な“あわい”の物語。--早見和真 (作家) 何度も胸が潰されそうに痛かった。彼らの日々に、どうか幾重にも虹がかかりますように。--町田そのこ (作家) その人の涙のわけを知らない。分からない。けど私たちは何かを思うことが出来るから見つめながら目を逸らさずに、あなたの話を聞きたい。--山本奈衣瑠 (俳優) 【あらすじ】 中学2年生の桐乃は、団地での暮らしに憂いていた。 郊外にある古い団地群には、様々な国にルーツを持つ人が生活している。そのせいか桐乃のクラスは衝突が絶えず、ベトナム人のクラスメイト・ヒュウがいじめの標的になっていたのだ。 家に帰っても、母の里穂は団地に住む人々を国籍問わず日夜助けており、「娘の私より、他人を優先するんだ」という思いがどうしても消えない。この場所で生活することに対する桐乃の嫌悪感は、日々強まっていく。 そんな中、中学校で起きたとある出来事をきっかけに、桐乃はヒュウと話すようになる。ヒュウは、理由は違えども、桐乃と全く同じことを望んでいた。 「この団地から出て、遠くに行きたい」と。 はじめてできた友達、母とのすれ違いーー。 桐乃・ヒュウ・里穂のそれぞれの視点から、社会に蔓延る様々な分断に翻弄される2人の“こども”が少しずつ“おとな”になるひと夏を描いた、ほろ苦くも大きな感動を呼ぶ、ある青春の逃避行。 【著者略歴】 窪 美澄 (くぼ・みすみ) 1965年東京都生まれ。2009年「ミクマリ」で女による女のためのR-18文学賞大賞を受賞。受賞作を収録した『ふがいない僕は空を見た』が、本の雑誌が選ぶ2010年度ベスト10第1位、2011年本屋大賞第2位に選ばれる。また同年、同書で山本周五郎賞を受賞。12年『晴天の迷いクジラ』で山田風太郎賞、19年『トリニティ』で織田作之助賞、22年『夜に星を放つ』で直木三十五賞を受賞。他の著書に『夏日狂想』『タイム・オブ・デス、デート・オブ・バース』『夜空に浮かぶ欠けた月たち』『ルミネッセンス』『ぼくは青くて透明で』などがある。
情熱と分別のあわいに揺れるあなたへ。 40年ぶりに再会を果たした同級生のカメラマンとスタイリストーー「兎に角」 「ボケたら関係解消」が条件の70代ホストと美容師ーー「ひも」 遅咲き小説家と過去をあかさぬ大学教授ーー「情熱」 ほか、全6編。 直木賞受賞作『ホテルローヤル』、中央公論文芸賞受賞作『家族じまい』に連なる、生き惑う大人たちの物語。 【著者略歴】 桜木紫乃 (さくらぎ・しの) 1965年北海道生まれ。2002年「雪虫」で第82回オール讀物新人賞受賞。07年同作を収めた『氷平線』で単行本デビュー。13年『ラブレス』で第19回島清恋愛文学賞、同年『ホテルローヤル』で第149回直木賞、20年『家族じまい』で第15回中央公論文芸賞を受賞。ほかに『ブルース』『裸の華』『緋の河』『ヒロイン』『谷から来た女』『青い絵本』『人生劇場』など著書多数。
その「青さ」は、本物かーー? 最年少で管理職となり、仕事一筋で駆け抜けてきた美術系編集者・有沢真由子。 五十歳の誕生日を迎え、つかの間の息抜きに訪れた古びたリゾートホテルで、彼女は一枚の絵画と出会う。 ジャンピエール・ヴァレーズーーバブルの時代に華やかな海中画で大衆の心を掴み、一方で美術界からは一切相手にされなかった、“終わった画家”。 かつて鼻で笑い飛ばしていた彼の絵に、不覚にも安らぎを覚えた真由子だったが、ほどなくして都内のホテルでヴァレーズの原画展が行われるという情報を得る。 なぜ今再び、ヴァレーズなのか? かつての熱狂的ブームの正体とは? 違和感を手繰り、真由子は単身ハワイの地を訪れるがーー。 煌びやかな「バブル絵画」の裏側に潜んだ底知れぬ闇に迫る、 渾身のアート×ミステリー大長編! 【著者略歴】 篠田節子 (しのだ・せつこ) 1955年東京都生まれ。90年『絹の変容』で小説すばる新人賞を受賞し、デビュー。97年『ゴサインタン 神の座』で山本周五郎賞、『女たちのジハード』で直木賞、2009年『仮想儀礼』で柴田錬三郎賞、11年『スターバト・マーテル』で芸術選奨文部科学大臣賞、15年『インドクリスタル』で中央公論文芸賞、19年『鏡の背面』で吉川英治文学賞を受賞。20年紫綬褒章を受章した。他の著書に、『夏の災厄』『弥勒』『ブラックボックス』『長女たち』『失われた岬』『セカンドチャンス』『四つの白昼夢』『ロブスター』など多数。
映画『ボイジャー』原作 世界40カ国で翻訳刊行されている傑作 巨匠フォルカー・シュレンドルフ監督の映画 『ボイジャー』(VOYAGER)の4Kレストア版が、今年6月から東京・シネマート新宿、Stranger、恵比寿ガーデンシネマ他、全国で順次公開される。主演はサム・シェパード、ジュリー・デルピー。これにあわせて原作をUブックスで刊行する。 本書は、スイスの作家マックス・フリッシュの名を一挙に世界的に高めた小説で、世界40カ国で翻訳刊行されている。 50歳を超えた有能な技師ウォルター・フェイバーは、ユネスコの仕事で世界を飛び回っていた。パリに向かうため豪華客船で大西洋を渡る途中、芸術を愛する女学生エリザベスと出会う。技術だけを信じ、芸術に無関心なフェイバーは好奇心旺盛な彼女に戸惑いながらも、次第に強く惹かれていく。パリ、ローマと旅をともにするうちに2人は心を通わせ、深く結ばれる。しかしエリザベスには、フェイバーの運命を大きく揺るがす秘密があった…… 映画を観た訳者の中野孝次が、映画が原作に忠実につくられていることを高く評価し、「映画を観てあらためてフリッシュが人間の根源に関わるテーマをいかに深く摑んでいたかを考えさせられた。原著は1957年に出版されたのに、いまだに少しも古びないテーマをこの小説で描ききっている。シュレンドルフ監督はその本質をよく理解して映画にしているのである」と訳者あとがきに記している。巻末にマックス・フリッシュの年譜、管啓次郎の解説を付す。
魔法が全ての国において魔力を持たずに生まれたレイ・サイガは「無能令嬢」と言われ、家族からも周囲からも虐げられる毎日を送っていた。 ある日、サイガ家に縁談が舞い込むが、その相手は【極東の悪魔】と呼ばれる悪名高い男、一乗寺護だった。レイを良く思っていない父は、義妹・アリアルの身代わりとして一乗寺家へ嫁ぐことをレイに命じる。レイは地獄のような家から抜け出したい一心で縁談を受け入れることを決意する。しかし、恐ろしいと噂されていた護は意外にも優しく温かい旦那様だった!? そして護との出会いにより、魔力のないはずのレイにある力が秘められていることが判明しーー!?
遠知姫と歌姫 (おちひめとうたひめ) 片山みさと著 民間伝説のヒロイン秘話2篇 川原大池の姫君 長崎半島の東岸に川原大池がある。 ここには村人から文殊菩薩といわれた 「遠知姫」の伝説が秘められている。 大楠から作られた船に乗った姫が予期 せぬ異変に遭遇する……。 すがおの滝歌心中 北九州菅生(すがお)の滝には「歌姫」 と歌人の悲恋の伝説がある。 平安のむかし、郡役人の屋敷に短歌を 愛する姫君がいた。 姫はある日、白蛇にまかれる夢を見る……。