著者 : 手代木正太郎
“妖精の淑女”と渾名されるイカサマ霊媒師・グリフィスが招かれたのは、帝国屈指の幽霊屋敷・涜神館。かつて悪魔崇拝者の巣窟であったその館には、帝国が誇る本物の霊能力者が集っていた。交霊会で得た霊の証言から館の謎の解明を試みる彼らを、何者かの魔手が続々と屠り去ってしまう…。この館で一体何が起こっていたのか?この事件は論理で解けるものなのか?殺人と超常現象と伝承とが絡み合う先に、館に眠る忌まわしき真実が浮上するー!!
今川を滅ぼし、はや一年。三河の雄となった竹千代は、松平家の勢力をさらに広げ、大名として、その名声を高めつつあった。一方、袂を分けた佐吉は秀吉の元で、竹千代に負けじと軍師の道を邁進する。だが、この時代の主役は誰か!「天下」の二文字を最も間近で捉えていたものは誰か!すでに上洛を目の先に据え、破竹の勢いで進軍する織田信長。彼を除いて、この猛将たちの時代を語るることなかれ。いま、時代は信長という強き光の元で揺らめき、将星たちの輝きを見守りながら目覚めつつある伏龍たちの咆哮を待つ!!!
鐵城とはなんぞや。そは生命そのものに宿る龍気というエネルギーを糧に、命無き建築物である城郭に疑似的な命を与え、城全体まで城主の五感を拡張させ、肉体そのものと化さしめる超兵器。城主の意のまま感ずるままに動く機動性、龍氣を根源とする圧倒的な火力は、選ばれし武将のみが繰ることができるに相応しい威力をもって、戦の脅威となった。ときは戦国。各地で諸侯が覇権を競い鎬を削る時代。この物語は、松平竹千代ーのちに天下を統一し、徳川家康となる男。その若かりし頃の記録である。
天文部という居場所を見つけ、変わっていく凪。それを見てもどかしく思う羽汰は美術部の門を叩く。かつてなりたかった自分。いつしか失われてしまった自信。今の自分。その距離はもう、どうしようもなく離れてしまって。体の色が変わってしまう美術部部長。とある劇に固執する二人の演劇部員。そして、どこかへ消えゆく姫宮凪ー。羽汰に憑いたメガネウラは、羽汰の何の想いに引き寄せられたのか。逃げて、逃げて、逃げたその先に答えなんてあるのだろうか。理想と現実の狭間に揺れる、ヒトと虫の魂がおりなす、とある青春の物語。
姫宮凪には、友達がいない。それは、自分を恥ずかしい人間と思っているから。有吉羽汰には、友達がいない。それは、人に与える何かを持っていないと思っているから。でも、本当は、ふたりにしか出せない光を持っている。ある日クラスから孤立したギャル。やる気が持続しない女子サッカー部員。そして、夜にひとり、星と会話する少女。虫を引き寄せる少年少女たちの悩みが、彼らをちょっぴり大人にしていく。少しの背伸びが、いずれ背伸びじゃなくなるようにー。星降る夜におくる、ヒトと虫の魂が織りなす、とある青春の物語。
宮城県宮城郡浦上町。そこは虫の魂が漂う不思議な町。時に虫の魂は未熟な思春期の若者の魂にひきよせられ、憑いてしまう。そんなとき老人たちは告げるのだ。「山の上の姫宮さんの所に行きなさい」と。身も心も小さい有吉羽汰は、ある日突然、身の丈にあわない「おせっかい」をしてしまうようになってしまう。それを祖母に相談すると、姫宮さんのところへ行くように勧められるのだった。-だが、そこにいたのは昆虫のことが大好きなだけの、引っ込み思案の女の子で?虫と人間、五分と五分の魂が巻き起こす、ちょっと不思議な青春物語。
屍人、屍食鬼、吸血鬼ー死後もこの世を徘徊する不死人が存在する世界。“アンデッド検屍人”を自称する少女・ロザリアと“不死狩り人”のクライヴは、屍人の発生が相次ぐ吸血鬼の血族の居城“骸骨城”へと赴く。地下室で二百年の歳月を吠え続ける吸血鬼、悪しき思惑を抱く者を祟り殺す温室の幽霊、悪魔的な絡繰り処刑器具…。呪われた怪談渦巻く“骸骨城”には、城主の妻となるべく四人の花嫁候補が集っていた。花嫁選定の儀式が凶兆を告げ、変死を遂げる花嫁候補たちは続々と屍人として復活するー。「私が信じるのは死者だけだ。やつらは饒舌に真実のみを語ってくれる」連際する死屍累々を検屍解剖し、ロザリアはこの幻妖な連続殺人を医学論理から究明する。惨劇の背後には、鮮血と狂気に塗れた真実が隠されていたー!
「わたしがヴィクターを治してあげますからね…」エルフの奸計によって妖病が末期症状となったヴィクターは、肉体が悪魔化したままもとに戻ることができなくなっていた。クリミアとヴィクターは一縷の望みをかけて最後のガマエ研究者ジゼラ・モルガーニを訪ねるべく聖庁へと旅に出る。だが、ヴィクターとクリミアの聖庁への道のりは、血で血を洗う異能力戦の嵐が吹き荒れることとなるのだった。そして、ヴィクターの病状は時々刻々と増悪し、黙示録の悪魔としての覚醒は間近に迫っていたー。魔法医学の終焉をみせる第七集。
ガマエ研究者たちを巡るクリミアとヴィクターの旅は、魔境“魔魅の大苗床”と呼ばれる密林へと向かっていた。此度結成された探検隊と共に、最奥地に眠ると言われる大量のガマエを求める二人。だがその道中は激しい試練の連続である。次々と仲間たちを失いながらも辿り着いたエルフの里にて、彼らは世界の成り立ち、“黙示録の悪魔”、そしてガマエについての真実を知る。だがそれはクリミア、ヴィクターに降りかかる、最大の試練への予兆でしかなかった…。魔法医学の根底を揺らがす第6集。
「俺は、悪魔で…この世を滅ぼすのか…」ガマエの新たなる真相を求めるべく、ガマエ研究者であるゲルハルト・コッホの元を訪れたクリミアとヴィクター。そんな二人の前に、ヴィクターを「黙示録の悪魔」と称して付け狙う殺戮者たちが現れる。魔法医師を名乗る彼らだが、彼らの駆使する魔法医術はクリミアですら知らぬものであった。彼らは、ヴィクターの何を知っているのか?時の流れが乱れる孤島で、ヴィクターの命を巡って凄惨な死闘が幕開く。この戦いの「鍵」となるのは誰なのか。魔法医学の未来を覗く、第5集。
「ガマエの力を本当に信用して良いのでしょうか」クリミアは旅の目的であった神石の存在に疑念を抱く。それと共に彼女を襲うスランプ。魔術を使えなくなった彼女はヴィクターを置いて、ひとり旅に出る。旅先で現れる人魚の死体。街を取り巻く謎の病。だが魔術を失った彼女にできることは無い。かたや結社の病院に残されたヴィクターは、クリミアを求めて旅に出る。そんな彼らの陰で、ついに最強の鉄鎚ラ・ピュセルが彼らを狙い動き出す。ヴィクターが罹患した妖病が世界にもたらす影響とは。魔法医学史の根底を覆す第4集。
「ドゥンは必ずしも悪いものではない…?」魔法医師・クリミアは揺れる。彼女は幼なじみ・ヴィクターの病を治す旅を続けるなか、とある館に呼ばれた。魔法医学の権威・ガレノスの館。そこに集うは5人の魔法医師。ガレノスの治療を巡り、技を競い合う魔法医師たち。その一方で、ガレノスの身辺に奇妙な事柄が浮かび上がる。サキュバスの存在と、石化の邪眼を持つ少年。呼ばれた医師たちとガレノスとの内縁関係。そして、ひとつの疑念が語られる。ガレノスは何者かにドゥンを植えつけられた…?魔法医学の特異な一面が記された第3集。
「どんな“妖病”も必ず治せるんです!」魔法医師・クリミアは、どんな治療の場でもその信念を崩さない。彼女は幼なじみ・ヴィクターの“妖病”を治療すべく共に旅をしていた。ある時、二人はドッペルゲンガーと会話する少女に出会い、彼女が首無しの魔物デュラハンから逃げてきたと聞く。理性を持つ首無しの生物。魔法医学においても類を見ない現象。時を同じくして、二人の元に悪名轟く魔法解剖医が現れる。デュラハンの正体、そして二人の魔法医師が持つ異なる信念とは…。魔法医学史上、最も稀な事例を記した第二集。
「吸血鬼、狼男、食人鬼などの化け物は存在しないんです!!」それらは皆、魔術で癒せる“妖病”の罹患者だと魔法医師・クリミアは言う。彼女は己のせいで“妖病”を患った幼なじみ・ヴィクターの治療法を求め、共に旅を続けていた。その道中に訪れた街で二人は微かな手がかりを得る。しかし、そこは吸血鬼たちが跋扈する、奇妙な街で…?“妖病”を認めぬ教会と魔術医師の対立、異端尋問官との戦い。そして、吸血鬼の治療。ここに“妖病”へと立ち向かう二人の診療記録が記され始めた。魔法医学の最先端がいまここに!!
ナノハザードにより廃墟と化した地球。人類の多くは地上を捨て、データとなって電脳世界・ディーヴァで暮らすようになっていた。夢が叶い捜査官となったアンジェラは先輩であるメットと組まされることとなった。それから間もなく、ディーヴァにあらゆる人間たち、構造物、メモリを食い荒らす悪性プログラムが襲い掛かる。その捜査を進めるうちに、アンジェラはディーヴァに仕込まれた人口統制プログラム“トイフェル”の存在を知りー。虚淵玄(ニトロプラス)監修にて贈る映画『楽園追放』の正統なる前日譚。
戦国の城廓にて「王子」堕つ!!ときは戦国。かつてその世には王子がいた。地獄の如き末世を、美の輝きで導いた、高貴にして麗しき青年が。彼は再び舞い降りる。民らに仇なす城主のもとに!だが見よ!王子の美貌に惑うべからず。王子の美貌は悪鬼のささやき。麗しき王子の輝きは、時に心を惑わす。今宵、王子の美貌は光となって、民らの希望を焼き尽くす!しかし、希望は決して絶えぬ。胸に光を湛える限り。民らのもとに舞い降りた、武士の誓いと聖女の愛が、王子の本性を暴き出す。美しすぎる時代劇、ここに再臨!!
戦国の荒野に「王子」降臨!!ときは戦国。空は哭き、地は痩せ、人心は乱れていた。この世は、まさに地獄であった。だから、民らは、まだ知らぬ。流星と共に舞いおりし、美しき「王子」の存在を。母星の姫を捜すため、この星にきた王子のことを!光の国からやってきた、麗しき王子の輝きを!!そして、王子と少年・鳶丸の出会いが戦乱の世を変えて行く…。究極の美は、人々の心の光となって、この世を愛で埋め尽くす。美しすぎる時代劇、ここに降臨!第7回小学館ライトノベル大賞・優秀賞受賞作!!