2007年3月10日発売
リリアは、春休み明けに控えている学院恒例のダンスパーティの相手が決まらず頭を抱えていた。まわりの友人はどんどんと相手が決まる中、リリアの相手は決まらないまま、遂に春休みとなり、母親のアリソンと列車での旅行に出かける。一方、トレイズは、ある国への婿入り話がでており、二十歳までに自分で結婚相手を決めなければ、その婿入り話を受けなくてはならない、という状況になっていた。さらに、その婿入り話の相手が、トレイズがいるイクス王国を訪問することとなりー!?人気シリーズ注目のクライマックス・エピソード上巻。
行ってくるね。真っ白な少女は、精一杯に笑った。仕え魔のダニエルは哀しそうに、行ってらっしゃい。と応えた。白い少女の向かう先は、光が塗り替えた世界。そこは、何も無い世界。少女は、透明な空に、透けるように少しずつ消えていく。そうして、ここから、離れていった。-少女を待っていたのは、赫い血の色の空。鈍色に光るのは、その空に浮かぶ存在が手にした巨大な鎌。その少女は、死神だった。真っ黒の。そして、はじまる。はじまりの終わり。終わりのはじまり。これは、白い死神と黒猫の哀しくてやさしい物語。
ある日、桜くんが朝目覚めると、そこには端正な顔立ちでスマートな少年の姿が。彼の名は、草壁桜くん…つまり、もうひとりの自分!?南さん命名『光の桜くん』は、(みんなが知ってる桜くんと違って)紳士で聡明で秀才で、クラスのみんなは彼の魅力にうっとり状態。一方、本物の僕こと『影の桜くん』は、だんだんとその存在が消え始めちゃって!?ねえドクロちゃん、僕はもういらない子なの!?クライマックス突入編登場。
いよいよエメレンツィアが東ビ大附属を去る七月を迎え、ちょっぴり寂しい吉村護です。生徒会のみんなで楽しく送別会を開き、せめて最後は笑顔でお別れをと思っていたのですが…。どうもドイツのヨハンと連絡が取れなくなったようで、エメレンツィアもどうしていいのか分からずだったり、嫌な予感が過ぎったりと、気もそぞろなご様子です。そんな矢先、いきなり現れた銀のマリアに絢子さんのビアトリス感応能力が消されてしまい、ふ、普通の女の子にー!?ドイツと連絡取れないのも関係しているらしく、一体何が起きてるのでしょうか?いよいよ最終エピソードに突入した激ピュア・ラブコメ第11弾。
じりりりりりん!寺の敷地内にある住職一家の住居に、不意に電話のベルが鳴り響いた。くぐもった遠い電話の音は、音が夜に食い尽くされたかのような静寂の中を虚ろに繰り返して、響き続けた。誰も決して出ることなどなく、血と、腐った磯と、そして石鹸の匂いが混じったような、異様極まる臭いがただよう住居の中にー。神狩屋の婚約者の七回忌前夜、人魚姫の物語をなぞる惨劇は、蒼衣たちが訪れた海辺の町全体に広がっていく。そして、大量の泡に押し潰されるかのように、徐々に泡禍に巻き込まれていく蒼衣と雪乃。彼らが死の連鎖を誘う人魚姫の真相を知る時ー。鬼才が贈る悪夢の幻想新奇譚、第四幕。
クランテリオンの拠点『城』への手がかりを探す拓也達の前に、グロスマンによる精神支配を受けた礼菜が帰ってきた。記憶を封印され、テリオンの刺客として荒れ狂う礼菜、そしてその手には“金色の戦器”ミセリア・フォルテスが…。礼菜とは戦えない拓也に打つ手はない。礼菜の矛先が自分にのみ向けられている事に気が付ついた日向子は、拓也を守るため、一人で礼菜を誘い出す作戦に出る。礼菜の追撃をかわしながら、日向子が向かったのは…。いよいよクライマックス直前、風雲急を告げるシリーズ第4弾。
委員長の井上さんからバレンタインデーに渡されたチョコの意味に悩む普通の少年・道弘は、学校からの帰り道、スーツ姿の美女と和服の少女という奇妙な二人組に出会う。スーツの女は祓い師・門倉淑乃、少女は使い魔の小夜と名乗るが、あまりに日常から逸脱した自己紹介に、道弘はとまどいを隠せない。淑乃が言うには、道弘は幽霊や残留思念など、普通の人には見えない存在が見える『同調者』らしい。淑乃は怨霊退治の手伝いを、道弘に強要するが…。第6回電撃hp短編小説賞銀賞受賞作を始め、同調能力者・道弘くんの活躍(?)を描く短編全5編を収録。
あの内戦から一年。リューカ姫を日本に連れて行くという約束を守るため、再びセリカスタンの地を踏んだ龍也。待っていたのはリューカ姫の笑顔ーだけでなく一触即発の国内情勢だった!政府と有力部族であるナガス族の間に生まれた不和。その緊張状態の中、龍也はのほほんとこの国にやってきてしまったのだ。天才軍師再入国の報せに、疑心暗鬼になったナガス族は政府に対して叛旗を翻してしまう!しかも彼らの背後にはある大国の影がちらついていて…。この難局をクリアする、またまたミラクルな奇策を龍也は閃くのか!?待望の新章スタート。
城島晶の父親、城島樹。虚軸発生の原因となった『仮想観測論』を作り出したその男が“無限回廊”の画策によりこの世界へと戻ってきた。晶と硝子はすべてに決着を付けるため、二人だけで樹のもとへ赴く。-悲壮な決意をその身に秘めながら。連れ去られた芹菜の行方は?津久見奏と逆絵が負った過去とは?樹の目的とは?そして、樹を虚軸へと送った本人である“無限回廊”は何故樹と行動を共にしているのか?すべての真実が白日の下に晒された時、晶と硝子が見るものは…!?破壊と再生が飽和する緊張の第6弾。
晴明不在の京に現れた、夜盗の影ーそこには天狗の業と思しき痕跡が混ざっていた。調べにあたる陰陽寮の暦生、賀茂光榮に協力し、慶滋保胤は愛宕の天狗、小五郎の元へと出かける。一方の晴明邸ではその頃、帰りを待つ時継や貴年達の元に、不穏な気配がー。優れた道士の体を求める妖、鶴楽斎。その鶴楽斎に操られる天狗の猛丸。彼らの暗躍によって、保胤達の平穏な日々は一転、緊迫の事態を迎える!第七回電撃小説大賞“金賞”受賞シリーズ第五巻。四年に及ぶ沈黙を破り、今、ここに復活。
無数の階層が連なる“塔”のかたちをした世界。各階層は“幸せ”を定義し、その定義に則って世界を運営する神の代行機械・アントロポシュカによって管理されていた。しかし永い時間を経たアントロポシュカたちは、その多くにどこか狂いを生じていて…。“幸せ”に狂った階層世界を少年・サドリは相棒である人工生命・カエルとともに、塔の外に広がるという海を目指して降りてゆく。もう崩れてしまった“塔”にいた「彼女」と交わした、ただひとつの約束を果たすためにー。優しくて残酷な神様と世界のお話、第2集。