制作・出演 : 本名徹次
日本を代表する世界的アーティストの名盤がごっそり集結! まさに究極! 邦人演奏家・オーケストラを主体とした“ベスト100”シリーズ。本作は、竹本泰蔵指揮、奥村愛(ヴァイオリン)、 加古隆(ピアノ)、オーケストラ・アンサンブル金沢の演奏による、加古隆の「ポエジー」他を収録したアルバム(2006年、2007年録音)。 <収録内容> 01. ポエジー 02. リバーダンス キャスリーン伯爵夫人/妖精の女たち 03. リバーダンス 太陽を巡るリール 04. シェトランド・エア 05. バンジョーとフィドル 06. ヴァイオリン協奏曲第1番 第2楽章 07. ガブリエルのオーボエ 08. タンティ・アンニ・プリマ 09. 明日への遺言 10. 黄昏のワルツ 11. 愛のあいさつ <ボーナス・トラック>
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EXTON“幻の作品”と言われてきた「寒帯林」の日本初演のライヴ盤。特に第3楽章は伊福部らしい民族主義的なダイナミズムに貫かれ、かの「ゴジラ」のテーマも登場! 「平和への祈り」は戦争に対する憤りや平和への願いを込めた深井史郎の畢生の大作で、中でも第5部終盤の2重フーガは圧巻だ。両曲とも初CD化。★
芥川也寸志(1925〜1989)の30代前半に書かれた同作品は、宮澤賢治の原作をもとにナレーション入りの15楽章で構成されている。交響曲というには少々無理がある。むしろ描写性にすぐれた劇音楽に近い。それと映画音楽組曲「八つ墓村」と「八甲田山」も併録。芥川音楽の解明には不可欠な一点となろう。
加古隆と奥村愛による「黄昏のワルツ」は美しい。ケルトの雰囲気たっぷりのフィドルの旋律では、奥村はじつに洗練された音楽を奏でる。SA-CDマルチで再生すれば、響きに包み込まれるような癒しの空間が現れる。いつまで聴いていても飽きない優秀録音だ。
団塊の世代の作曲家で、入野義朗やユン・イサンの弟子だ。微細な音の動きが独特の響きを作り出す冒頭の曲がいいなあ。傑作「オーロラ4」のピアノ独奏版も面白いが、ドイツで大反響を呼んだ「輪廻」、最新の「いにしえの飛鳥へ」など、オーケストラ曲のサウンドが美しい。
2004年に91歳で亡くなった伊福部には根強いファンがいて、キングレコードでも10枚に及ぶアルバムがリリースされている。今回は彼の名を冠した音楽祭のライヴ。映画のための作品と管弦楽曲からアピール性の高いものが選ばれているので、伊福部ワールド入門にはぴったり。
“左手のピアニスト”として、驚嘆すべき活動を続けている舘野泉の新録音。コルンゴルトの後期ロマン派的な室内楽と、ノルドグレンのオカルト風な室内協奏曲(舘野の委嘱)。演奏の至難さは想像に難くないが、困難を克服しようとする意志の強さにも感銘。
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キングレコード株式会社卒寿を祝いながら、1930、40、50、80年代の代表的作品で、この作曲家の軌跡を追ってみようという企画の記録。親しみ易い作風の中に、この作曲家が込めた多彩さと入念さを確認できる。日フィルものっており、会場の熱気も相当なものだ。「釋迦」は初録音。
民族楽派などと呼ばれもするが、伊福部の場合、それは多層的で、ここでも、日本的なもの、東南アジア的なものが強く反映していて、さらにそれが重層している。(2)は82年の作だが、そうした作風は基本的に変わっていない。真に個性的な作曲家だ。演奏も不足はない。
ひさびさのゴジラもの(91年)と東映アニメの名作(63年)が並んでも実に調和がとれていて奥深い展開が連関しているのはさすがというほかない。どちらも2003年晩夏の録音。情景全体、空の動きと人や動物の脈動さえも描き出されている。偉大なる音楽家ゆえの作。