著者 : 北川歩実
類人猿は人間の言葉を理解できるー井手元助教授は、天才チンパンジーを使った実験のテレビ収録を試みるが失敗に終わる。大学を追われ、失踪した井手元。残されたチンパンジーは井手元が殺されたと“証言”した!やがて浮かび上がった、人類のアイデンティティーを揺るがす禁断の実験とは?“早すぎた傑作”待望の復刊。
交通事故で意識障害となった従兄弟と入れ代わる「分身」、乳児取り違え事件が発端となる「渡された殺意」、結婚詐欺師に騙された女に出会う「婚約者」など、“もう一人の私”をキーワードに自分のアイデンティティを揺るがす恐怖を巧みなトリックで描く9篇ー。最先端科学を取り入れ、現代社会の歪みが生み出した人間の深層心理をえぐり出す新感覚ミステリワールド。
フリーライター・倉橋渡の許に、父親からの電話が入った。妹の良美が車に撥ねられ、意識不明だという。二カ月後、兄妹で合作し、コンクールに応募したシナリオ「愛を運ぶオウム」を人気スター・榊修輔主演でドラマ化したいという話が持ち上がる。そのオウムにはモデルがいた。人間の言葉を理解し、会話する天才オウム・パル-。
タクシー運転手の野上雄貴は、GCS幼児教育センターから入社要請を受け、不審を抱く。GCSが発明した「金のゆりかご」と呼ばれる機械で育てられ、一時は天才少年ともてはやされたが、能力の限界を露呈し見捨てられた自分。真意を探るうち、子供が次々と精神に錯乱をきたした事件が浮かび上がる。やがて、ある母親が失踪、殺人が…。先端科学に切り込む新感覚ミステリー。
分身、バーチャルな虚構人格、天然のクローン人間…。最先端科学の成果を取り入れた興味深いテーマ、謎につぐ謎、多重的な論理構成のトリック。1995年、衝撃のデビュー作『僕を殺した女』によってミステリ界の熱い注目を集めた著者が、「もう一人の私」をキーワードとして、冴えわたるトリックを繰り広げる傑作連作集。
類人猿の言語能力を研究し、チンパンジーと人間を同列に扱うことを主張する学者・井手元。大学を辞め、チンパンジーと隠遁生活を送っていた彼が失踪。残されたチンパンジーが示唆したのは、残酷な結末だったーヒトとサルの境界はどこか、聖域を越えた研究の果てに真理はあるのか。哀切かつ危険なラストまで二転三転、人類のアイデンティティをゆるがし、新世紀へ跳躍する問題作。
29歳のタクシードライバー野上雄貴は、GCS幼児教育センターから幹部候補生としての入社要請を受け、不審を覚える。センターの母体となった教育システムの創始者・近松吾郎が、愛人に生ませた子が野上だった。野上自身、0歳のときから「金のゆりかご」と呼ばれる装置で育てられ、一時は天才少年としてマスコミでももてはやされたが、やがて限界の露呈とともに切り捨てられたのだ。彼が、9年前に起こったセンターの4人の子供が次々と精神に錯乱をきたした事件を追ううち、事件の鍵を握ると思われる一人の少年の母親・漆山梨佳が行方をくらます。
チンパンジーの言語能力を研究する科学者・井手元のもとで飼育されている天才チンパンジー、カエデ。人間の言葉を理解しているというカエデは、ある事件の唯一の目撃者だった?!井手元が失踪した今、残されたチンパンジーだけが事件解決の鍵を握っている…。ヒトとチンパンジーの混血種は言葉を持つことができるのか-科学者の野望が渦まくなか、物語は、二転、三転。「知性」という名の密室に挑む、超絶ミステリー。
「一ヵ月8kg減で、誰もが理想体重に」ダイエット美女を決める最終選考まで、あと二ヵ月。夏のヒロインを選ぶコンテストの幕が開いた。今度こそ、絶対に生まれ変わってみせる。痩せてみせるわ。たとえ「私」を殺してでも…。「あなたは私のことを何も知らない。愛してたなんて嘘よ」そう言い捨てて、恋人は姿を消した。手掛かりを捜すうちに浮かび上がる、恋人の偽りに満ちた過去と、ダイエットコンテストの謎。もし、痩せられなければ、私には、帰るところがないの…。「もう、駄目かもしれない…。今度リバウンドしたら、その時、私は…」デビュー作『僕を殺した女』に続く驚異の第二作。華やかなダイエットコンテストに渦巻く謎と、深まる狂気を描く本格的心理サスペンス。
信じられない。まさか、こんなSFめいたことが実際に起こるなんて…。昨日まで、確かに僕は「篠井有一」だった。が、目覚めると、僕は若い女に変貌していた。しかも五年後にタイムスリップして…。そして、この世界にはもう一人、「篠井有一」がいる…。ミステリー界に超新星デビュー。めくるめく論理と驚天動地のストーリーでSFを超える、本格推理小説。