著者 : 南原幹雄
百万石太平記百万石太平記
前田家に奥入れした二代将軍秀忠の娘珠姫に従うお付人一統-。利長の命と前田家の支配を狙うお付人一統に利長もついに起った。前田家が残した「前田日記」をめぐって展開される決死の攻防。
天下の旗に叛いて天下の旗に叛いて
室町幕府に抗して滅ぼされた4代目鎌倉公方足利持氏の遺児たちは幕府軍に追われる流浪の身となっていた。下総国の豪族結城氏朝、持朝父子は義によってこのかつての主君の子を擁し、天下に叛旗を翻す。押し寄せる十万余の大軍を相手に、わずか一万の軍勢は果敢に戦い続けた。室町時代中期、関東を揺るがせた大いなる叛乱。戦場に展開するさまざまな人間模様を描く歴史長編。
徳川水滸伝徳川水滸伝
動乱の時代を迎えようとしている安政年間、第13代将軍・徳川家定の後継ぎを巡って水戸・一橋党と紀州・南紀党は熾烈な勢力争いを繰り広げていた。南紀党を率いる紀州藩付家老水野忠央は老中首座の阿部正弘を暗殺、一方、一橋党も忠央や井伊直弼の懐刀長野主膳の暗殺を企てるなど、攻防は一進一退を繰り返していた。そんな折、一橋党の首魁水戸斉昭が失脚、直弼の大老就任が突如実現したことで形勢は傾くが…。
抜け荷百万石抜け荷百万石
薩摩の密貿易で幕府の財政が揺らぐ。幕府の独占すべき北国の上質海産物を、薩摩を経て中国へ流しているものは誰か-密命を帯びた幕府隠密の捜査は、長崎から北陸、松前へと伸びる。幕末の日本海を舞台に、壮大な規模で展開する、時代冒険小説。
付き馬屋おえん暗闇始末付き馬屋おえん暗闇始末
江戸で日に千両の大金がおちるところといえば吉原。快楽の夢に酔いしれたつけは、翌朝になれば待ったなしにまわってくる。その貸金取り立てを請け負う、馬屋の2代目を、見事な器量のおえんが継いで…。虚栄の渦巻く色街で、若い女が生きてく様は、けなげな中にも強さが目立つ。著者会心の時代連作長編。