著者 : 唯川恵
同僚にプロポーズされたのを機に、不倫中の上司と別れる決意をした朋絵だったが、最後のデートを後輩に目撃され…。男と女の間に流れる、もはや愛とは呼べないくろぐろとした感情、女と女の間の、友情とは呼べない嫉妬や裏切り、優越感。女たちの心に沈む思いを濃密に描きだした、八つの傑作恋愛短篇。
「いいことの数は決まっていて、誰かが余計に手にすれば、誰かがあぶれる」。駆落ちした相手に逃げられたり、死んだ夫の連れ子と姑に手を焼かされたり…。とことん男運に恵まれないヒロインたちが、恋に翻弄され、揺れ動きながらも、何かをつかみとっていく姿を描く。情感あふれる八つの恋愛短篇。
愛したことが間違いなんじゃない。ただ少し、愛し方を間違えただけー。完璧に家事をこなす妻を裏切り、若い女と浮気する木島。妻が化粧をするのを許さなかった原田。婚約寸前の彼女がいるのに社内で二股かれた洪一。仕事のために取引先の年上女性に近づく孝次…。裏切られても、傷つけられても、性懲りもなく惹かれあってしまう、恋をせずにいられない男と女のための恋愛小説9篇。
海の見える部屋に暮らす遙子は、システムエンジニアの仕事をもち、医大生の恋人もいて、それなりに満ち足りた生活を送っている。だが、有力者の父から見合いの話が持ち込まれたことで平穏な日々にさざ波がたってゆく。恋愛、仕事、結婚、親子関係、様々なしがらみの中で揺れ動く20代の女性の心模様を描く。コバルト・ノベル大賞を受賞した著者のデビュー作。
「恋」という魔物にとりつかれた女は、ときに、自分自身でも思いがけないことをしてしまう。七々子の場合がそうだった。好きになった彼にはすでに恋人がいた。あきらめきることができない七々子のとった行動は、彼の恋人、美咲に近づき、友達になることだった。嘘をつき、おとしいれ、そうまでして手に入れた恋。一途に思う心には偽りはなかったはず、だけど…。女心の深淵をえぐる恋愛長編。
まるで「さよなら」をするために恋をするような…ちょっとせつなくて、心に痛い五つのラブ・ストーリー。-約束の時間から一時間。彼はきっと来ない、来るわけがない。恋はいつしか壊れていくものー終わった恋にエンド・マークを打つために勇気をふるって、一歩を踏みだした女の子たち。そして、それは新しい恋の始まり…五つの恋が壊れていくありさまを描く恋愛小説集。
千苑はフツーの高校2年生。でもB・Fの航がタレントだから、フツーのカップルにはない悩みごとが、イロイロあるのよね。たとえば、おっかけの女の子たち。航めあてに校門で待ってるのだけど、その前を彼と一緒に下校するなんて、ちょっとできないでしょ。「気にすんなよ」と航は言ってくれるけど、17歳のオトメ心を何と思ってるのよ。大好評『ツイン・ハート』シリーズ第4作。
他のスポーツはダメだけど、水泳だけには自信のあった千苑。準備体操もしないで泳いでたらプールのまん中で「助けて〜ェッ!」記憶はないけど、千苑を助けてくれたのが水城昌也というハンサム・ボーイ。そ、それも、MOUTH TO MOUTHでね。BFの航にはそのことを言いそびれているうちにTV局で昌也とバッタリ。なんとタレントとしてデビューするんだって…。
山咲秋未は高校二年生。仲良しはしっかり者の都と、美人で発展家の亜利沙。秋未自身はふたり姉妹のせいか、ちょっと内気であまったれ。だって5年間も俊彦に片想い中。浩介なんてカルイやつはメじゃないけどね。でも、そんな平凡な日々にヒビが入った。街の画廊で三田村という画家に会った母の綾乃の態度が一変したのだ。恋と友情と家庭の問題に傷つきながら少女が選んだ道は…。
高校2年の有加。趣味は写真。そのウデを親友の鈴子に買われて新聞部の臨時カメラマンに。口ではイヤがっても内心はウキウキ。だって陸上部のエース、慎治に堂々と接近できるんだもの!それに姉の志穂が、陸上部で彼の2年先輩だったから、共通の話題もあるし…、と心ときめかせていたら、優という一年坊主から、いきなり愛の告白。少女たちが織りなす、甘やかな恋の輪舞曲。
ワ〜イ、今日から高校生!新しい制服に身を包み、美少年との恋の予感に心ときめかせていた15歳の高倉泉。ところがチカンから助けてくれたのはいいけれど、失礼なことをズケズケいうヤツ、北見悠紀が同級生とわかって気分はダウン。しかもコイツ、あこがれの美形、北見政弘と双子の兄弟なんだって!?衿子という友だちはできたけど、初日から泉の学園生活は、恋と友情に波乱ぶくみ…。
「白馬に乗った王子さまに出会いたい!」女の子だったら、誰だって夢みるよね。そしてなんと!16歳の左右美はすごい美形のホンモノの王子さまと、仲よしになっちゃったんだ。彼の名は累。亡くなったママが日本人だから、日本語もペラペラなの。ママの故郷を捜したいという彼のために、BFの幾矢と左右美は活動を開始するが…。サスペンス味たっぷりの青春ロマンス。