著者 : 深谷忠記
待望の春の甲子園出場決定。倉田高校2年・桂木葉子の父親は、24年前エースとして甲子園に出場。そして今、母校の監督として再びその土を踏もうとしていた。しかし、野球部員が暴行事件に巻き込まれ、出場停止の瀬戸際に。葉子は真相究明に乗り出したが、その矢先、事件の鍵を握る男が殺された…。本格推理の名手が描く、傑作学園ミステリー。
君原由紀恵の絞殺死体が発見された。捜査に当たった七尾中央署の島中は、由紀恵の部屋のカレンダーの事件当日の欄に、謎のSの文字が記されているのを発見。犯人はイニシャルがSの男とにらみ、捜査をすすめるが、島中たちが真犯人に行きつけないうちに、金沢市内の公園で第二の殺人事件が発生。浮かび上がった人物には鉄壁のアリバイが…。Sとは誰か。金沢発特急「きらめき4号」30秒のトリックとは。数学者・黒江壮の左脳が冴える。意表つく展開。斬新なトリック。著者会心の“逆転シリーズ”長編本格推理・書下ろし第6弾。
名コンビ笹谷美緒&黒江壮が、寝台特急「あけぼの1号」で北津軽の「斜陽館」に着いたころ、前夜に上野を発った「北斗星5号」が男の刺殺死体を乗せて札幌に着いた。奥羽本線と東北本線の2本のブルートレインを結ぶトリックの裏にさらに巧妙・緻密なトリックが隠されていた。美緒&壮ははたして見破れるか。
倉庫から焼跡から撲殺された男の焼死体が発見された。色めき立つ捜査陣。だが、残されていた手がかりは“寺村久作”という男の名前だけだった。男の身元は?戸籍すらない男“寺村”の影を求めて必死の捜査は続く。そこへ女の声で電話があった。身元不明の男が近所に住んでいた“寺山”ではないかというのだ。二人が同一人であるという可能性は高いのだが…(「死者の証明」)。他五篇。
横浜の港の見える丘公園で、エリート社員・久保木が絞殺された。県警の薬師寺は、久保木のライバルに着目するが、彼には第三者によるアリバイが。数日後、長崎での久保木の葬儀前夜、第二の殺人が起きた。苦悩する薬師寺は、妹の友人・美緒とその恋人・壮に相談、新たな視点から事件に取り組むが、そこにも時間の壁が立ちはだかっていた。アリバイ崩しの本格推理。
新潟県・出雲崎で「ヤヒコニ イッテ ウラ」という言葉を遺し、一人の女が殺された。取材旅行で現地を訪れていた編集者の笹谷美緒と堅物の恋人黒江壮は、その女を三度目撃していた。捜査本部の調べで、被害者の銀行員水原千秋は横領の疑いがあり失踪中だったことが判る。更に事件の数日後、弥彦神社裏の杉林から被害者のイニシャル入りの指輪が発見された。美緒と壮は最期の言葉の謎を追った。長篇推理。
青函連絡船の上りに犯人が乗り、同時刻に被害者は下りに乗って津軽海峡上をすれちがった。真相に迫った男たちが次々に殺され、事件は連続殺人に。おなじみ文芸編集者・笹谷美緒と恋人の数学者・黒江壮の名コンビが不可能犯罪の解明に乗り出す。壮が示した犯行の全容から全く意外な真犯人が浮かんだ。
南紀・白浜で女性が毒殺され、その所持品から呼び出しの手紙が発見された。差出人はT・H。そして、手紙と同じイニシャルの男性が、「私がやりました」という遺書を残して潮岬で死んでいた。同じ頃、伊豆・下田を訪ねていた壮と美緒も、殺人事件に巻き込まれた。南紀と伊豆を結ぶ見えないラインとは。逆転トリックの本格推理傑作。
教育ブームにのって急成長した進学塾の女子生従が帰宅途中に惨殺された。その直後、塾経営者・木暮彰の自宅にはそのあくどい経営と管理態勢を難詰する電話がかかった。数日後、木暮の娘・由香が誘拐され犯人は身代金3千万円を要求してきた。万全な警備態勢の中、身代金受け渡しに臨む警察。一方,身代金の他にもう一つの要求をつきつけられた木暮は、独自に犯人を追った…。長篇本格推理。
函館山中で白骨死体が発見された。死体は1年前に失踪した、もと帝都大学勤務の女性と判明。一方、青森から上野へ向かう寝台特急「ゆうづる」の車内で退職刑事が殺された。そして死体からは帝都大学の電話番号が書かれたメモが。事件の謎を追う壮と美緒。二転三転する犯人像と鉄壁の時刻表トリック。アリバイ崩し力作。
寝台特急「富士」に乗っている男が、同時刻に他の場所で殺人を犯すことができるだろうか?日向・札幌・東京で起った殺人事件の真犯人を追って、黒江壮、笹谷美緒の探偵コンビが、犯人のめぐらした鉄壁のアリバイ崩しに挑む。宮崎、北海道、東京を結ぶ、傑作トラベル・ミステリー長編。
早苗の兄・喬が局部をえぐり取られた惨殺死体で発見された。同じ頃、喬の馴染みのバーのママの家へ、切断された男性器が送られてきた。勝刑事は早苗の協力をえて捜査を開始。ところが、喬の住んでいた部屋で、別の男がガス中毒死した。2つの事件を結ぶ糸は?密室トリックとアリバイ崩しで読者に挑戦。本格推理の傑作。
致命率70パーセント、エイズよりも恐ろしいという国際伝染病“エボラ出血熱”の男性の真性患者が東京で発見された。さらに疑似患者も次々に出た。第一次感染者と思われる女は行方不明。国立微生物医学研究所内部の人間によるウイルス漏出説を探る新聞記者は殺されてしまう。綿密な取材と完壁なデータに裏打ちされた俊英の都会派ミステリー。
700年を経て、笛の音が響くとき次々と子供たちの姿が消えた…。「ハーメルンの笛吹き男」から、謎の予告状が。符合して1人の少年の死の周辺で起こる不可解な死亡・失踪事件。-笛吹き男伝説と現代を重ねた気鋭の新・社会派推理。
出雲の日御碕で女が殺された。しかし、そのとき、容疑者には、寝台特急「出雲」に乗っていたという絶対のアリバイが!巧妙に殺されていく4人の男女、犯行の動機まで解明されたが、逮捕には遠かった…。東京・出雲を結ぶ壮大なアリバイトリックに、恋人探偵の壮と美緒のコンビが挑戦する著者自信の傑作。