著者 : 藤井邦夫
大川に簀巻にされた土左衛門があがった。どうやら本所と浅草の、博奕打ちの一家同士の揉め事らしい。南町奉行所吟味方与力・秋山久蔵は、わざと静観して双方を争わせ、年末の“煤払い”とばかりに一網打尽にしようと企てる。一方、秋山家では長男の大助が成長ぶりを見せ、妻の香織にも変化が…。絶好調のシリーズ第28弾!
江戸で一、二を争う老舗で大名家御用達の呉服商越前屋に狙いを定めた盗賊“眠り猫”。頭の勘兵衛は入念な下調べを重ねて越前屋の母屋に忍び込んだのだがー。この押し込みがきっかけで外様の大藩を敵に回すこととなった眠り猫一味、徳川家が忌み嫌う妖刀をめぐり、命を懸けた戦いの幕が切って落とされる!人気書き下ろし時代小説シリーズ、遂に最終巻!
口入屋の女将おせいが営む恵比寿屋に出入りする浪人榎本平四郎。その平四郎が旗本本田家の周辺を嗅ぎ回っていた。無外流の遣い手でもある平四郎の動きに不信を抱いた眠り猫の勘兵衛は、骨董品好きの当主本田織部に故買屋の吉五郎を近付け、その用心棒に平四郎と己をつけるよう画策する。平四郎が本田家を狙う目的とその真意とは!?大好評書き下ろし時代小説、シリーズ第九弾。
駿河国汐崎藩の御刀番を務める左京之介。汐崎藩元藩主の御落胤で久能山東照宮の別当代となった祥慶から、秘蔵されていた相州五郎正宗が盗まれたと知らされる。五郎正宗探しに乗り出した京之介の前に現れたのは謎の修験者集団「黒法師」。はたして五郎正宗の行方は。そして、五郎正宗を奪わせた真の黒幕とはー。ますます好調の人気シリーズ、会心の第五弾。
十年前、貧乏浪人の娘と所帯を持とうとして勘当され、出奔した袋物問屋の若旦那が、江戸に戻ってきているらしい。隠居した父親は勘当したことを侮い、弥平次に息子を捜すよう依頼した。同じ頃、袋物問屋を窺っている男たちの姿があった。若旦那と何か拘わりがあるのか…。“剃刀”久蔵の裁きが冴える、好評シリーズ第27弾!
破落戸に殴られていた老人弥平を助けた素浪人矢吹平八郎。その弥平が後から平八郎を尾けてきた。不審に思った平八郎が理由を尋ねると、盗人の自分を手伝ってほしいと言う!よくよく聞くと押し込み先を皆殺しにする同業の悪党“不動の政五郎”一味をお縄にかけたいらしいのだが、ただの義侠心からでもなく…。老盗人と素浪人の心意気が胸に沁みる、人情時代小説。
お人好しの“御隠居”こと立花右近。酒と女好きの“大将”こと夏目平九郎。金好きの“万屋”こと霞源内。江戸で暮らす三人の浪人は、七化けのおりんに騙され、お尋ね者となる。濡れ衣を晴らす為おりんを追うが、彼らを待ち受けていたのは甲府への流浪の旅だった。時に助け合い時に騙し合う、因縁深き三匹が、道中蔓延る悪を斬る!!痛快時代小説。
駿河国汐崎藩の御刀番、左京之介は「長曾禰虎徹」を汐崎藩堀田家の菩提寺天慶寺の住職が求めていると聞いて訝る。やがて京之介の耳に汐崎藩が「虎徹」を購うという話が。背後に潜む奸計、それを阻止せんとする京之介。そして、京之介に暇が出される。左霞流の遣い手、京之介が、小者の佐助、元裏柳生の女忍び楓と藩を揺るがす輩に立ち向かう。大好評シリーズ第四弾!
和馬は町なかで、かつて久蔵が斬り棄てた浪人の妻と娘を見かけた。ふたりは穏やかそうに暮らしていたが、大店の内儀が探りを入れている様子で、不審を抱いた和馬は久蔵に許しを得て母娘を見守る。やがて娘が博奕打ちにさらわれかけた。大店の内儀と母娘には何の関係があるのか。久蔵は過去を探る。書き下ろしシリーズ第26弾!
日本橋の両替商「菱屋」の金蔵に忍び込んだ勘兵衛は、帯封のついた小判二百両を盗み出した。だが、その小判が混ぜ物の多い贋物だと気付いた勘兵衛は、贋金鋳造の背景を探るべく菱屋の周辺を洗いはじめる。一方、菱屋の主・清左衛門は、蔵に残された千社札から贋金を奪ったのが盗賊“眠り猫”だと知り、その正体を暴こうと動き出す。大好評書き下ろし時代小説、シリーズ第七弾。
水戸徳川家にあった伝説の名刀「数珠丸恒次」が屋敷から盗まれた。御三家のひとつ、水戸徳川家はその事実に大揺れとなる。「数珠丸恒次」の目利きをさせられていた汐崎藩御刀番の左京之介は、その行方と背後に蠢く闇を探り始める。その先に浮かんできたのは京之介自身も驚く衝撃の「陰謀」だった。「天下五剣」を巡る迫力の争奪戦。ますます好調のシリーズ第三弾。
戊辰戦争において各地を転戦し、江戸で身を潜めていた元新撰組隊士永倉新八は、新政府の官憲から逃れるため松前の地を踏んでいた。その新八のもとに、凶弾に斃れた土方歳三の埋葬場所を探す箱館弾正台の動きがもたらされる。歳三の首を獄門台にさらすー。箱館に赴任した弾正台古高弥十郎の執念を知り、それを阻止せんと五稜郭に身を投じる新八。消えた土方の亡骸をめぐり、戦いの火ぶたが切られる!長編歴史エンターテインメント。
駿河国汐崎藩の御刀番・左京之介は、藩主から、突然現われた「御落胤」の真偽を確かめる命を受ける。藩主の「御子」和千代は、誕生の砌に名刀「来国俊」の小太刀を下げ渡されていたという。その真贋を見極めようと動き出した京之介だったが、藩主の跡継ぎをめぐる権力闘争が勃発する。お家騒動に巻き込まれた京之介が最後に選んだ「道」とはー。著者会心のシリーズ第二弾。
“開帳”とは、寺院が特定の日に秘仏を一般の人々に参拝させる事を云う。そして、開帳を催す興行師を“開帳師”と呼んだ。その開帳師・宝船の長兵衛から真光院御開帳の万揉め事始末役を任された素浪人・矢吹平八郎。金の匂いを嗅ぎ付け押し寄せる地廻りや貧乏御家人を次々と退ける一方で、莫大な“お布施”を狙う者の影が…。悪を許さぬ男気の剣。傑作人情時代小説。
眠り猫の勘兵衛が起居する根岸の黒猫庵に、千住の女郎屋金子屋から足抜けした若い娘おさきが迷い込んだ。取手の百姓の娘だというおさきを匿った勘兵衛は、借金の形に江戸に連れてこられた経緯を探ろうと、船頭の丈吉を取手に走らせる。一方、千住に向かった勘兵衛は、金子屋の主の伝次郎と女衒の富造の悪い評判を耳にし…、人気書き下ろし時代小説、シリーズ第五弾。
駿河国汐崎藩の御刀蔵から妖刀村正が盗まれた。徳川家に仇なす刀ゆえ、所持が公儀に知れれば汐崎藩の取潰しは必至。藩主から命を受けた御刀番・左京之介は村正の行方を追うが、その前に不審な忍びが立ちはだかる。そして、忍びの背後にはとてつもない敵が潜んでいた。京之介の孤独な闘いが始まる。そして、衝撃の結末とは…。著者渾身の壮大な新シリーズ開始。
素浪人・矢吹平八郎は、撫然としていた。口入屋の万吉に呼び出されたのだが、何の説明もなく、武家娘に品定めされているのだ。どんなに割の良い仕事でも断ってやる…。そう決意した矢先、娘は平伏し、「矢吹さま、暫くの間、私の兄になっては戴けませぬでしょうか」と懇願した。こうして始まった平八郎の俄兄妹芝居。家督をめぐる策謀に、平八郎が立ち向かう!
廻り髪結のおゆりは、かつての許嫁で御家人の島崎清之助に付き纏われ、怯える日々を送っていた。岡っ引の弥平次は、おゆりの窮状を知り船宿「笹舟」に匿うが、その最中、久方ぶりに元臨時廻りの同心が柳橋に姿を見せる。ろくでなしの島崎をおゆりから遠ざける策を思案していた弥平次は、一芝居打つことを思いつき…。人気の人情捕物シリーズ第六弾、待望の書き下ろし!
盗賊“眠り猫”の名を騙る謎の一団が日本橋室町の呉服屋に現れ、有り金全部を奪って店の主を惨殺した。盗賊“眠り猫”を率いる錏勘兵衛は、己に恨みを持つ者の犯行だと睨み、その正体を暴こうと動き出すが…。闇夜に繰り広げられる偽盗賊との息詰まる攻防。周到な罠を掻い潜り、勘兵衛らは“偽眠り猫”を追い詰めることが出来るのか!?大好評書き下ろし時代小説、シリーズ第四弾。