ジャンル : SF・ホラー
超霊感体質の大学生・哉汰は、突如現れた謎の美女・東雲に「君には死者を救う素質があります!」と彼女が経営する遺品整理会社『日歿堂』にスカウトされる。初仕事は夫を亡くした老婦人の依頼。亡き伴侶の裏切りを知った依頼人は、遺品を全て処分し、死後離婚する決意を明かす。しかし哉汰の前には亡くなった夫の霊が現れ、とある頼みごとをされてしまう。厄介な依頼に哉汰が頭を抱える一方、現場には不穏な気配が立ち込めておりー?
あの日は絶好のピクニック日和だった。アップルヤード学院の生徒たちは、馬車でハンギングロックの麓に向けて出発した。だが、楽しいはずのピクニックは暗転。巨礫を近くで見ようと足をのばした4人の少女と、教師ひとりが消えてしまったのだ。何があったのかもわからぬまま、事件を契機に、学院ではすべての歯車が狂いはじめる。カルト的人気を博した同名の映画原作、本邦初訳。
火星の都市で行われた瞬間移動技術の人体実験は成功と思われたが、被験者となった科学者の身辺で奇妙な事件が多発する。一方、火星の荒野で発見された12000年前の巨石遺跡を、太陽系各地に足跡を残す古代文明の実在証拠と考える地球からの考古学遠征隊には、大きな危機が迫る。ふたつの謎を巡り、紛争調停人キーランは調査に乗り出す。『星を継ぐもの』の巨匠、円熟期の傑作!
ジャクリーンとジリアンは双子の姉妹。ジャクリーンは母親の希望通りかわいく、ジリアンは父親の期待を背負い活発に育った。だが実のところ、ふたりとも押しつけられた役割にうんざりしていた。そんなある日、双子は空き部屋のトランクの中に階段を発見する。冒険心に突き動かされて階段を下ったふたりが見たのは、赤い月に照らされた奇怪な世界だった。3賞受賞シリーズ第2弾。
ヘスターが沙漠に呑まれて消えて以来、抜け殻のようになってしまったトムだったが、彼の魂をゆさぶり起こしたのは、飛行商人として訪れた街で見かけた、故郷ロンドンの知り合いの姿だった。慌てて声をかけたが相手は人違いだという。間違いないはずなのになぜ?かの地に何かが隠されていると確信したトムは、娘レンを伴いロンドンを目指す。見捨てられた地で彼らを待つものは。
ヘスターは今更トムのもとに戻ることもできず、賞金稼ぎとして暮らしていた。だがレンと親しかった青年セオを偶然助けたことから、忘れたはずの過去がつきまといはじめる。セオは“グリーンストーム”の内紛と陰謀に巻きこまれ、将軍夫人と共に囚われの身となっていたのだ。ヘスターとセオは再びトムとレンに会うことができるのか。ガーディアン賞受賞、“移動都市”四部作完結。
人間は忘れる生き物だ。だからこそ、残っている記憶には意味がある。記憶翻訳者とは、依頼人の心から抽出した記憶データに潜行し、他者に理解可能な映像として再構築する技能者である。珊瑚はトップ・インタープリタとして期待され、さまざまな背景を持つ依頼人の記憶翻訳を手がけていた。しかし彼女にとって人の記憶と深く関わることは、自分自身のなかにある埋められない欠落と向き合うことでもあったー第五回創元SF短編賞を受賞した表題作にはじまる連作短編集。
新しい体で蘇ったクローンたちが最初に目にしたのは、自らの他殺死体ー2500人分の凍眠者と人格データを載せた恒星間移民船で、唯一目覚めていた乗組員6人が全員死亡。蘇った彼らは出発後25年間の記憶を消されていた。さらに船のAIもハックされ、クローン再生は不可能に。彼らは真相を調べ始めるが、実は全員が秘密を抱えており…。ヒューゴー賞、ネビュラ賞候補作。
新天地をめざす恒星間移民船内で起こった惨劇。かろうじてクローンとなり蘇った乗組員たちは、死ねば二度と復活できず、他人はもちろん自分自身さえ信用できない状況下、真相を探るべく協力を余儀なくされる。やがて彼らの過去から、クローン医学や記憶移植を用いた生命延長技術を巡る、数百年に及ぶ人間とクローンの対立が明らかに…キャンベル新人賞受賞の新鋭が放つ傑作!
AIの独立に揺れるラドチ圏から、遠く離れた星系国家。有力政治家の娘イングレイは後継争いで大逆転を狙い、政敵の秘密を握る人物を脱獄させる。だが引き渡されたのは別人だった。進退窮まった彼女はなりすましをさせるという賭けに出るが、想定外の事態が次々重なり、ついには異星種族をも巻きこむ危機に…。ヒューゴー賞、星雲賞など計13冠“叛逆航路”ユニバース新作登場!
人類史上最大の戦闘の末、“アーヴによる人類帝国”は帝都ラクファカールを失陥した。皇帝ラマージュは戦いに倒れ、アーヴたちは宇宙の各所に散り散りとなった。それから十年の時が流れ、新皇帝ドゥサーニュの下、怒りに燃えるアーヴが還ってきた!各所で反撃の狼煙が上がり、ラフィールも艦隊を率いジントと共に出撃してゆく。アーヴの、そしてラフィールの未来を左右する戦旗シリーズ第二部、満を持してここに開幕!
地球随一の天才宇宙物理学者である気の強い姉に、なにかにつけて振りまわされるぼく。大学四年生になる夏に日本でおこなわれた「あの実験」から三年、ぼくはまたしても姉に呼び出された。向かった先は宇宙空間ーラグランジュポイントL2に浮かぶ国際研究施設だ。姉はそこで誰にも知られることなく、宇宙論に関するある途轍もない実験を準備していた。第五回創元SF短編賞を受賞した表題作にはじまる全三話。瀬名秀明が「日本SFの歴史を次の五十年に受け渡す傑作」と激賞した、新時代の理論派ハードSF。
地球へと向かう快速艇の中に恵一とロボの姿があった。恵一は今、すべての任務を解かれ、強制休暇中だった。粛清者の本拠地への第一次偵察作戦は成功したが、そのさい恵一に抗命行為があったとの申し立てがあったためだ。ひさしぶりに帰った地球で地表に降りる恵一。そこには奇妙な地衣類の繁茂する泥の大地が広がっていた。一方、シュリシュクでは、アンドロメダ星雲に対する第二次偵察作戦が実施されようとしていた…。
猫ほど不思議が似合う動物はいない。謎めいたところが創作意欲をかきたてるのか、古今東西、猫をめぐる物語は数知れず。本書は古くは日本の「鍋島猫騒動」に始まり、レ・ファニュやブラックウッド、泉鏡花や岡本綺堂ら東西の巨匠による妖猫小説の競演、萩原朔太郎、江戸川乱歩、つげ義春の「猫町」物語群など21篇を収録。猫好きにも不思議好きにも堪えられないアンソロジー。
マークスの原理主義者グレク336は、オーストラリアの海岸町メルヴィルから逃走したのち、ふたたびチベットの町シシャ・ロルヴィクにやってきていた。プシ・トラストのメンバーたちがいる司令本部“思考タンク”を攻撃し、時間ダムを破壊するつもりらしい。テラ政府および宇宙ハンザの上層部は、宇宙駅ルックアウト・ステーションから新世代マークス12名を連れてきて、グレク336を説得してもらおうと作戦を練るが!?
古びた学校、曰くつきの遊園地、山奥の病院、誰も居なくなった集合住宅。…人々に打ち捨てられ、時代の流れと共に世間から忘れ去られた“廃墟”。そこに足を踏み入れた人間が遭遇するものとはー?Web小説投稿サイト「小説家になろう」のホラージャンル約11,000作品から厳選した『首をはねられた君とすり潰された僕』『鬼ごっこ』ほか、書き下ろしを加えた計7作品を収録。様々な廃墟にまつわるホラー短篇集の決定版!
マークスの原理主義者であるグレク336は、テラナーが精神世界にのめりこむことを阻止するのが自分の使命と思いこんでいる。マークス種族を分裂させる原因となった“非物質化・精神化”のすべてを憎んでいるためだ。そこでテラ政府はグレク336に対処するには影マークスへの進化のきっかけを探る必要があると考え、マークスが556年前に住んでいた使節惑星マーコラにガルブレイス・デイトンひきいる調査隊を送った!
第四次世界大戦から逃れて人類が生き延びる術は、宇宙開発にしかないー。遙かなる未来に向けて決断を下した日本政府は、巨費を投じて衛星軌道開発に取り組んでいた。最前線はトラック諸島に建造中の宇宙港JSP-03。同地では、硬式宇宙服ARMSのテストも進む。だが、日本の急速な擡頭に怒れる亡国のナショナリストが、牙を剥こうとしていた…。架空戦史の雄・佐藤大輔が、明日の地球に向けて遺した伝説のシリーズ第3巻。