小説むすび | 亜州黄龍伝奇(2)

亜州黄龍伝奇(2)

亜州黄龍伝奇(2)

出版社

徳間書店

発売日

1992年4月1日 発売

端整な鼻梁に銀縁眼鏡の青年は、ロールスロイス・シルバースピリット2を亜熱帯の自然が繁る〓@4FAF旗山の上り坂をなめらかに滑らせていた。斜面に突きささるように聳える高級マンションと香港島北岸の市街を見下す山頂にかかったとき、彼の意識に不快な感覚が走った。殺気。目前に60階を越えるビルの最上階がロールスと同じ高さにあった。バックファイアに似た音が響いた瞬間、ターコイズブルーの車体が横転した。運転者は、ビンセント・青-青龍だった。連続する富王狙撃、特務機関が入り乱れる霹靂の書下し第2弾。

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