西蔵大脱走(下)
中国人民解放軍に捕らえられた秋生たちは、“雌虎”と呼ばれるリーダー率いるチベット・ゲリラの急襲によって基地から連れ去られてしまい、同じ朱雀の気を放つ者に行く手を阻まれたセシリアと離ればなれに。一方、セリシアからの連絡で、秋生の身にただならぬものを感じたビンセント・ヘンリー・玄冥はラサに到着。行方を追うが、折からの弥勒騒動で市内には戒厳令が敷かれ、緊張状態が高まっていたー。
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ラサ第一の仏教寺院大昭寺から、臙脂の僧衣の一団が凰輦に載せた仏像を担いで「弥勒は、転生した!」「チベットは、独立する。漢族は去れ!」の絶叫とともに人民政府の建物へ雪崩れ込んだ。その時、広場の一角を占める警察署の扉が開き、中国製56式沖鋒槍-AK47自動小銃を持った警察隊が出動した。いっぽう亜熱帯都市香港では、平穏な日を送っていた黄龍こと工藤秋生は、超美の旅行案内人ツェリンと知り合い、日本のTV局のレポーターの代役を頼まれる。取材先きはチベット…。狩野あざみの書下し第3弾の傑作。 1992/12/01 発売
西蔵大脱走(下)西蔵大脱走(下)
日本のTV局のレポーターの代役を頼まれて、ヒマラヤ山中のラダックへ飛んだ工藤秋生は、チベット独立運動で騒然とする聖都でセシリアとともに取材を開始した。雪嶺に立つ旧王宮、寺院の曼荼羅、合体仏に目を奪われている間に戒厳令が布かれた。香港のビンセント・青とヘンリー・西は中国特務機関の尹虎嶺から、チベット亡命政府の香港事務局代表ナムギャルが、国を統治する転生霊童を捜す不隠な動きをしていることを知らされる。その時すでに秋生一行は、山岳のゲリラと中国人民解放軍に狭まれ、大銃撃戦の渦中にあった。 1993/04/30 発売