出版社 : 幻冬舎
1972年、中国・北京。元海軍将校である徳間は、偶然にも中国の要人の命を助けたことから、ある任務に巻き込まれる。その任務は、失敗すれば中国・日本の歴史を大きく歪めてしまうものだった。娘・幸子の運命までも狂わせていく中で迎える衝撃のラストとは。欲望、親子愛、宿命ー。そのすべてが描かれたノンストップ・サスペンス。
十年前と現在の大学紛争を結び付ける因縁をたどった「魔性の女闘士」、大分の国東半島の自然豊かな海辺を舞台に、多感な少女が巻き込まれる首無し死体事件を追った「秘密の草城」、立山登山から戻らぬ愛人の知らない顔を見ることとなる「くろこまのペンダント」。あの時間はなんだったのか。自分はどのような存在だったのかー登場人物たちの自問はあなたも思わず呟くことになる。男と女を主軸に運命の不測の展開に驚愕するサスペンス三篇。
「世界を股にかける商人になる」青年は三万両の身代を捨て、東京へ乗り出した。ほぼ無資産で旗揚げした三井物産を大商社にのし上げ、ヱビスビールを日本一に育てた“負けずの恭やん”。大日本麦酒の創立者・馬越恭平のあまりに破天荒な生涯を描く、壮大なる大河小説。
大山正紀はプロサッカー選手を目指す高校生。いつかスタジアムに自分の名が轟くのを夢見て練習に励んでいた。そんな中、日本中が悲しみと怒りに駆られた女児惨殺事件の犯人が捕まった。週刊誌が暴露した名は「大山正紀」。報道後、サッカー推薦の枠から外れた高校生の大山正紀を始め、不幸にも殺人犯と同姓同名となってしまった“名もなき”大山正紀たちの人生に影が落ちる。そして7年後、刑期を終え大山正紀が世に放たれた。過熱する犯人批判、暴走する正義、炎上するSNS。犯人に名前を奪われ人生を穢された大山正紀たちは、『“大山正紀”同姓同名被害者の会』に集い、犯人を探し出そうとするがー。大山正紀たちには、それぞれの秘密があった。どんでん返しどころじゃない!前代未聞のノンストップミステリ。
実力を認められてもデビューもできていない純文学小説家志望の芹生研二。かつて文芸サークルの仲間だった川島が、あっという間に売れっ子作家になった様をみて芹生は焦燥にかられる。そんなある日、芹生は川島から小説の推敲を依頼された。「この俺が川島の手伝いだと?」悩みながらも芹生は守るべき家族のためにプライドを捨て、表現手法の異なる川島に手を貸すことにする。そうして生まれた純文学とエンターテインメントが融合した稀代の作品『オーパス』は、世間で大きな論議を巻き起こすが…。
生活習慣病に悩む者に立ち直るきっかけを与えてくれる場として、密かに口コミで噂が広がる「健康道場」。今日もそんな“迷える子羊”たちを導くために、喝を入れる和尚の声が響き渡る。暴飲暴食をやめられず急性心筋梗塞で死にかけた水口、脳梗塞で高次機能障害になった山部、スイーツが大好きな糖尿病患者の姫、ニコチン依存症で肺ガンを患う古田…。不思議な力を持つ和尚のもとに集う彼らは、内なる欲望を絶って健康を取り戻すことができるのか?
転校先でサッカースクールに入ることになった小学5年生のぼく。コーチに大変なミッションを与えられたり、仲間とケンカもしたけど、サッカーが、ぼくにいろんなことを教えてくれたー。
三上啓介は、センサー技術に特化したセンテック社に勤めている。南アフリカ地域への輸出問題をきっかけに、三上は営業課へ異動となり先輩である山田、結城に教わりつつ貿易実務について学びはじめる。センサー業界での主導権を握りたいと考える商社・白角商事からの数々の圧力や嫌がらせを乗り越え、三上は一人前に成長できるのかー。
恋に落ちること、それは事故に遭うようなものだ。いつ、どこで、誰の身にそれは降り掛かってくるか分からない。誰にも止めることができない。出会ってしまえば、それは運命である。ある人妻が切なくも激しく追い求めた、真実の愛とはー。
人工知能が台頭する世界で「命の意味」を問う、衝撃の近未来SFミステリー。ある事件をきっかけにPTSDに苛まれていた「僕」は、友人の住む東アジアの小さな島国、ウズマキ共和国へ向かう。“自殺が存在しない国”と呼ばれる一見平穏なその国は、人工知能によって管理された新共同体主義社会だった。
写真家の宗像は、偶然訪れたロンドンの画廊で、一枚の肖像画に心を奪われる。絵画の名は、夭折した謎多き天才画家ピエトロ・フェラーラの「緋色を背景にする女の肖像」。フェラーラの足跡を追い求めてたどり着いたポルトガルの地で、宗像は美術界を揺るがす秘密に迫っていた。一方、時を同じくして、ロンドンの高級住宅街の一角で大物美術評論家の遺体が発見されていたー。美術界と建築界に燻るスキャンダル。その深部と絵の謎が交錯していく。アートに翻弄された人々の光と影を描き出す、壮大なミステリードラマ。
「どんな時も前を向いて生きていこう」ADHDと向き合って、自力で手にした幸せな日々。すべてのはじまりはネット上での出会いだった。千夏と一緒にバイナリー投資にのめり込み、時間を共にしていくが…自身の弱さと闘い続ける青年が、周囲の支えを得ながら人生に光を見出していく過程を赤裸々に告白。「なりたい自分」を目指す人に勇気を与える一冊。
第二次世界大戦で負けた日本には平穏が訪れた。ぼくは妹を守れなかった後悔と敵国アメリカへの復讐心に苦しんでいた。そんなある日、アメリカ人一家に住居を提供するためにぼくの家族は突然立ち退きを命じられる。ぼくの家に住むアメリカ人の少女へと、復讐の矛先を向けるぼく。しかし、復讐を遂げたぼくを待ち受けていたのは、少女からの手紙と一つの画鋲だった。画鋲に込められた少女の想いとは?
息子を大切に想うおっかあ、少し意地悪だけど純粋な幼馴染など、様々な人に囲まれながらあたたかな毎日を過ごす浦島太郎。ある日一匹の亀を助けたことから竜宮城での華やかな日々が始まった。毎晩酒と乙姫たちに囲まれながら行われる宴。夢のような生活を繰り返すうちに霞んでしまった大切な心は取り戻すことができるのだろうか。貧しくも心満たされた生活と、物理的に満たされた生活。本当に大切なこととは何なのだろうー。長年日本で愛される昔話に新たなエッセンスを加え、現代に蘇らせる。
バブル景気末期の1989年、S県。飯野電気喜里工場は、日本の代表的自動車会社アスカの最新フラッグシップモデルの照明部品の製造を受注する。品質管理課の塚田は連日、深夜残業と休日出勤を繰り返し身も心も疲弊していた。が、塚田だけではない、社員897名全員が厳しい納期と品質管理に汲々としていた。そんな中、突如1人の社員による工場内での暴行事件が発生。彼は犯行後、失踪し行方不明に。同じ頃、聞こえ始めた奇妙な音。機械の轟音あるいは耳鳴り、それとも得体の知れない動物の鳴き声か。その後さらに社内で連鎖する製造事故、暴行事件、自殺、突然死そして殺人。多くの社員が工場内で何かの姿を見る。あれは何だ?しかし取引先の製造ラインを止めないため最優先される納期。みな無言で続ける勤務。すべてがおかしい、狂っている。ある日、気が付けば工場内外、至るところ隈笹が繁茂していた…。
オリオナの街で暮らす少女・ナオミには、重い病で入院する祖母がいた。ナオミは、祖母を助けたい一心で伝説の魔女に会いに行く。魔女の本当の狙いも知らずに…そんなナオミを救い出したのは、「死神」だったー。なぜ、ナオミは魔女に狙われるのか。死神が彼女を助ける理由とは。それぞれの宿命が交錯する本格ファンタジー小説。
パリでお針子見習いとして働くカミーユ・ドンシューは、ある日、新進画家から「モデルになってほしい」と請われる。彼の名はオスカル=クロード・モネ。やがて二人は愛し合い、運命の荒波に呑まれてゆくーフランス激動の時代に、「印象派」を主導した画家・モネを愛し、支えた、一人の女性の物語。