出版社 : 幻冬舎
埼玉県熊谷市の農家に生まれ、定時制高校を卒業後さまざまな職業を経て、警察官採用試験に合格。本部の機動隊に勤務していたが、ある日突然、周囲の反対を尻目に辞表を出して退職。そして波乱の人生の幕が上がるー。大腸癌、膝関節症、不眠症、白内障、心気症…。次々と襲い来る病魔との訣別まで、ひとりの男の人生を追う。
「一度あることは、二度起こりうる。だから、きっと帰れる」毎年「ワケアリ」な青少年たちが開催するサマーキャンプは、今年も変わらず静かな夜を迎えていた。しかし、そこに一線の閃光と激震が起こり、事態は一変する。うっそうとした茂みの中の野生のイノシシ、原始人との闘い…もしかして、タイムスリップ!?閃光の先は何と縄文時代!!笑いあり、涙あり、友情あり!現代に戻れる日を信じ、力強く生き抜く青年たちを待ち受けていた、驚愕の真実とは!?既存のタイムスリップ作品とは一線を画した衝撃作!
幼き頃に憧れた武士の夢に敗れ、死を望んで三方ヶ原の戦いに出陣した織田家家臣・佐脇良之。戦に生き延びた己を恥じる良之は、徳川家康の助言で「一人の自由な武士として生きること」を選び、武田勝頼の首を狙い、甲斐へ向かう。良之が人との関わりによって気付いた自らの使命とは?乱世に、闇に光を求めて愚直に生きる武士の姿を描く感涙時代小説「良之三部作」第一部。
山川悠は、研修期間を終えて東国病院に勤めはじめた1年目の外科医。不慣れな手術室で一人動けず立ち尽くしたり、患者さんに舐められないようコミュニケーションをとったり、先輩医師に怒られることもしばしば。そして、ある出来事を機に、山川の頭の中に一つの考えが芽生えはじめる。
刑事・毒島は警視庁随一の検挙率を誇るが、出世には興味がない。一を話せば二十を返す饒舌で、仲間内でも煙たがられている。そんな異色の名刑事が、今日も巧みな心理戦で犯人を追い詰める。大手町の連続殺人、出版社の連続爆破、女性を狙った硫酸攻撃…。捜査の中で見え隠れする“教授”とは一体何者なのか?動機は怨恨か、享楽か?かつてない強敵との勝負の行方はー。どんでん返しの帝王が送る、ノンストップミステリ!
高校3年生の春。東北から転入してきた佐々木美桜は、友人を作らず一人でいることを強く望む佐藤輝澄に、なぜか執拗に話しかける。だんだんと美桜に惹かれていく輝澄だったが、彼には自分の気持ちに素直になれない理由があった。一方、美桜にも周りに隠している大きな秘密があり…。新進気鋭の大学生作家が手掛ける、切ない恋の物語。
日本が高度経済成長の頂点に向かっていた1970年、CM業界の末端に位置する弱小制作プロダクションに潜り込んだ吉野洋行・21歳。初めて監督したCMは、思いもしないトラブルに見舞われ苦いスタートとなる。次々と襲い来る困難にも負けず、クリエイターとして一歩ずつ成長していくー。度胸とアイデアで魔物ひしめく業界を駆け上がる、血湧肉躍の冒険譚!
会社を辞め前向きに生きる目的を失った諒と、その隣の部屋に住む百合おばさん。お節介な百合おばさんの言動によって、諒の人生に明るい兆しが見え始める。数えきれないほどの屈託の中で見つけた、本当に大切にすべきこととはー。悩める全ての読者に捧げる、モラトリアム小説。日常の中に溢れる温かな人情を繊細に描いた文芸作品。
江戸幕府二五〇年。侍の世の終わりに見えたのは、円く優しい人の世の始まりー。押しかけ女房になった成瀬家の姫・澪。その夫で、徳川慶勝に忠実に仕える陸ノ介。現代の礎となる激動の時代、翻弄されながらも愛と信義を貫く夫婦の姿を繊細に活写した傑作時代小説。
明大前で開かれた退屈な飲み会。そこで出会った彼女に、一瞬で恋をした。本多劇場で観た舞台。「写ルンです」で撮った江の島。IKEAで買ったセミダブルベッド。フジロックに対抗するために旅をした7月の終わり。世界が彼女で満たされる一方で、社会人になった僕は、“こんなハズじゃなかった人生”に打ちのめされていく。息の詰まる満員電車。夢見た未来とは異なる現在。高円寺の深夜の公園と親友だけが、救いだったあの頃。それでも、振り返れば全てが美しい。人生のマジックアワーを描いた、20代の青春譚。
身体が老いても、できることはまだあるー。セカンドライフで自分探しの一人旅をはじめた健一は、様々な出会いと別れを繰り返すなかで、新しい自分の一面を発見していく。強くあり続けようとする男の生き様とその最期を描き切った珠玉の小説。表題作ほか、心の傷を乗り越えて凛々しく生きる女性のドラマを描いた「花ある君」を収録。
フリーの校正者・興梠に届いた自費出版小説『縄紋黙示録』の校正紙。それは“縄「紋」時代”に関する記述から始まる不可思議なものだった。読み進めていくうち、貝塚で発見された人骨など、現在にも繋がる共通点が幾つも現れて…。この著者の正体は誰?『縄紋黙示録』に隠されているメッセージとは。やがて興梠たちの身辺でも異変が起こり始めー。多くの文豪たちが暮らし、今も有名学校が犇めく東京・文京区を舞台に、過去と現代、そして未来が絡み合う驚天動地の大長編。
母の病気を機に画家になることを諦めた池本光一は、保険会社のサラリーマンとして働いているものの、絵への情熱を捨てきれないでいた。不思議なことに何もかもが順調だった高校生以降、絵だけではなく恋愛もうまくいかない。「あの頃に戻りたい」そう思った時に目にはいったのは、かつての恋人・亜沙美から預かったままになっていた「幸福行きの切符」。この切符が自分を幸福へと導いてくれるかもしれないー。夢と現実の狭間で葛藤しながらも、「幸せ」の意味を問う純愛小説。
東京の救命救急センターで働いていた、62歳の医師・咲和子は、故郷の金沢に戻り「まほろば診療所」で訪問診療医になる。「命を助ける」現場で戦ってきた咲和子にとって、「命を送る」現場は戸惑う事ばかり。老老介護、四肢麻痺のIT社長、6歳の小児癌の少女…現場での様々な涙や喜びを通して咲和子は在宅医療を学んでいく。一方、家庭では、骨折から瞬く間に体調を悪化させ、自宅で死を待つだけとなった父親から「積極的安楽死」を強く望まれる…。
人語を話す猫、蛾に話しかける妹、殺人ウイルス、繰り返される映像規制。人間が「食文化」で分断された世界。日本は肉食主義者と菜食主義者が対立する国になっていた。惑星srijpから日本に帰国して初めて状況を知ったなおゆきは戸惑い、次第に周囲とのズレを覚え始める。そんなある日、なおゆきはふとしたきっかけで「ベジタリアンの集い」に参加することになる。享受する側と、虐げられる側。この狂騒の果てに待ち受けているものとは。この物語はフィクションか、それとも未来への啓示か。平穏と狂気が交差する、次世代のエンタメ小説。
30余年前。美樹と京一はクラスの誰もが認める恋人同士だった。しかし美樹は、心療内科医として働く別の男と結婚。そして2年ほど前に自殺してしまったという。作家の“私”は、同級生の死の真相を追いかけるが…。人間の「愛」と「生」の意味に触れる文学作品。
「君が最もなりたくない人間に、なってもらう」第二次大戦下、“熱狂”“悪魔の楽器”と呼ばれ、ある作戦を不穏な成功に導いたとされる美しきトランペット。あらゆる理不尽が交錯する中、それを隠し持ち逃亡する男にはしかし、ある女性と交わした一つの「約束」があったー。キリシタン迫害から第二次世界大戦、そして現代を貫く大いなる「意志」。中村文学の到達点。
東京都世田谷区の住宅街で投資ファンド会社を経営する中年男性が刺殺され、捜査一課の樋口顕も現場に急行した。警視庁が特捜本部を設置すると、東京地検特捜部の検事・灰谷卓也が現れる。灰谷は野党の衆議院議員・秋葉康一を政治資金規正法違反容疑で内偵中だった。秋葉は殺された男性と大学時代から親しかったらしく、殺害現場付近の防犯カメラには秋葉の秘書が映ってもいた。それらの事実だけを理由に灰谷は秘書の身柄を拘束。樋口は証拠不充分を主張するも、灰谷は独断で逮捕に踏み切ってしまう。自己評価が低く、上司の顔色を窺い、部下を気遣い、家族も大切にするー。等身大の刑事の生き様を照らし出す人気シリーズ、最新作。
「旅人って、すごく強い絆でつながっているんだ」東南アジアを旅していた哲也は、心臓の病に倒れ、愛するギターを失くしてしまう。悲しむ友の姿を見た祐介は、日本を飛び出すことを決意するー。実話をもとに綴られた、感動のストーリー。