1994年10月31日発売
20世紀末、地球は未知の異星種族の手になる惑星破壊機械の襲来を受けて炎上、壊滅した。べつの異星種族に救出された数千人の人々は、太陽の軌道上の宇宙船に収容されて“銀河法典”の教育を受ける。この法典によれば、破壊機械を送り出してほかの惑星を壊滅させた文明は、みずからもまた滅ぼされなければならないという。地球壊滅から八年後、生存者のなかから選ばれたマーティンら八十五人の子供たちが復讐の旅に出た。
“銀河法典”の定めに従って復讐の旅に出た子供たち。母なる地球の仇敵をもとめる旅を続けること五年、ついに探索チームが破壊機械の発進元と見られる星団を発見した。いよいよ復讐のときだー子供たちは勇躍戦闘機を駆って問題の星団をめざすが、はたしてそこで、本当に地球を壊滅させた文明を発見し滅ぼすことができるのか。俊英ベアが奔放な想像力を駆使して壮大に描くSFスペクタクル。『天空の劫火』続篇登場。
おのれの出自を求める旅の途上でナズュレットがヴェロンニャ国王の命を救ってから五年。彼は、アーリンと名乗り男装して行動を共にしていた幼なじみの男爵令嬢と結ばれ、人里離れた庵でひっそりと暮らしていた。そんなある日、五人の刺客が庵を襲った。ナズュレットを貴族の落胤と知って、その存在を邪魔に思った者が送りこんだらしい。ナズュレットとアーリンは刺客の送り手と対決すべく旅立ったが…。三部作第二弾。
湾岸戦争の戦塵もまだおさまらぬころ、特殊部隊員を乗せた輸送機がサウジを飛び立った。彼らの任務はイラクの研究所を急襲し、恐るべき生物兵器を破壊することだった。ウェスターマン大佐率いる輸送機はイラクに進入、闇をついて砂漠の道路に着陸する。だが、特殊部隊が研究所に突入してみると、生物兵器の容器二つが持ち去られていた。しかも撤収のため飛び立った輸送機を思わぬ事態が襲う。見せ場連続の傑作冒険小説。
ひさしぶりに帰郷した伯爵ジョン・ロセンデールは、ヴァンゴッホ初期の《ひまわり》を探そうとしていた。四年前、この名画は母が売却する直前に盗まれてしまった。その犯人であると疑われたジョンは、海を放浪する旅へと逃げだしたのだ。だが母亡きあと、障害をもつ下の妹の面倒をみるために、行方不明の絵を見つけださねばならない。そう決心したジョンは何者かに命を狙われる羽目に。日本冒険小説協会大賞受賞の傑作。
世界の代表的文学作品を内容とその主人公の性格・生き方・名セリフで紹介する名作ガイド。古代ギリシア悲劇から現代の問題作まで230編を国別に抄録する。巻頭に年表、巻末に書名索引、作家名索引、ノーベル文学賞受賞者一覧がある。-主人公と心に残る名セリフから始まる知的イマジネーションの旅。
母を癌で亡くし、夫との生活が破綻したわたしは、この南の島へ逃げてきた。いまは島で教職を得、新しい恋人もでき、平穏な時を過ごしている。そんなある日、彼と海でダイビングしているさなか、突然、衝撃波が襲ってきた。男は死に、助かったわたしが海から上がると、世界は滅んでいた…過去も未来も消滅し、地獄と化した現在をさすらう一人の女。その濃密な生理と心理を通して、〈世界の終わりの日常〉を描く黙示録的現代文学。
傑作「黒い玉」で知られるベルギー幻想派の作家による、ひと味ちがう不気味な物語16編。なんともいえない後味を残す「黒い雌鶏」、そして「雌豚」等々…。気味の悪い話、奇妙な話、怖い話がお好きな方々にそっとお届けする傑作短編集。