1994年12月31日発売
エイランがガイウスと引き離されて三年が過ぎた。一度は再会しながらも結ばれなかったガイウスへの思いを断ち切るために、巫女の修行にいそしんでいたエイランだが、修行中、ケルト人とローマ人の血を継ぐ者が一族の導き手となるという予言を得た。そして、その年の豊穣の祭で偶然ガイウスと巡りあったとき、予言を信じたエイランは、巫女のいましめに触れることを承知でガイウスと…壮大な歴史ロマン第二弾。
心理療法士アランとダイアンの診療所が拳銃を持った男に押し入られ、患者クレアが射殺された。つづいて彼女と同じ大陪審の証人ローレンスが不審な爆発で死亡してしまった。アランは事件の調査をはじめるが、真相の究明もままならないうちに、こんどは診療所に泥棒が入り、カルテや本棚などが荒らされた。やがて、アランとダイアンの身辺に危険な出来事が起こりはじめる…『凍りついた告白』につづく精神医学サスペンス。
老朽駆逐艦パラタインを指揮するキャメロンに与えられた任務は、無謀とも思えるものだった。同型艦二隻とともにドイツ占領下のブレスト港に突入し、建設中のUボート基地を破壊せよというのだ。基地が完成の暁には、連合軍の海上補給路は常時その脅威にさらされる。海兵隊の奇襲部隊を分乗させた三隻は、夜陰に乗じて港内に突入を敢行。だが敵の反撃は熾烈をきわめ、先任指揮官は戦死、作戦の成否はキャメロンの双肩に。
覚醒剤と催淫剤の効果を持ち、深刻な副作用をもたらす新型麻薬。その流通ルートを追って、麻薬取締課の女刑事レノアは捜査を開始した。そんな折、郵便局に勤めるレノアの双子の弟は、現在使われていない私書箱9号宛に不気味な小包が届けられているのを発見するが…独創性と刺激に満ちた衝撃の話題作。第1回ミステリアス・プレス・コンテスト最優秀作。
心身ともに虐待され、心にトラウマを負ったチェロキー・インディアンの幼女、タートル。若い独身女性のテイラーはその子の傷を癒し、ともに生きようと決意して、やがてタートルを養女にした。しかし、人生とはつねに思わぬ方向へ転がるものなのかもしれない。たまたまタートルとテイラーがテレビに紹介されるや、チェロキーの女弁護士がいきなり乗り込んできて、こう言ったのだ。「白人は部族の許可なしにインディアンの子を養子にはできないのよ」切れ者と評判の女弁護士にわが子を奪われるとおびえたテイラーは、衝動的に、あてのない逃避行へと走る。一人の傷だらけの子をめぐり、サスペンスフルに、かつ情味豊かに繰り広げられる、大人たちの人生を賭けた駆け引き。旧来の幸福な家族像がことごとく崩壊しつつあるアメリカ社会で、新しい家族のありかた、新しい母子と隣人の関係を鮮明な夢のように描き上げ、全米ベストセラーに輝いた感動の大作。
アメリカ空軍のハイテク爆撃機オールド・ドッグは、シベリアの凍土に一人の搭乗員を失った。航法士デイヴィッド・ルーガー。仲間を救うために自分の命を投げ出したルーガーは、その後何年も死んだものと思われていた。ところが、彼は生きていた。重傷を負ってKGBに捕えられ、洗脳されて別の人格に変えられていたのだ。ソ連崩壊後、アメリカ側はリトアニアにある旧ソ連の科学研究所で、ルーガーが自分をロシア人と思いこんでステルス爆撃機の開発に取り組んでいることを知る。オールド・ドッグの元搭乗員をはじめとするチームがルーガー-暗号名レッドテイル・ホーク-救出作戦のために結集した。折りしも、リトアニアでは研究所を支配する元KGBの将軍と、野心家のベラルーシ軍の将軍が結託して、リトアニア強奪にかかっていた。銃火のさなかに決行された救出作戦の行方は。ハイテク航空冒険小説の傑作『オールド・ドッグ出撃せよ』の待望の続篇。
セジウィン卿のひとり娘ノリーナはたぐいまれな美貌ゆえ、継母から憎まれている。そのヴァイオレットは、実母の遺産までも狙っているらしい。ある夜、ノリーナが自分の夕食を猫に与えると目の前で苦しみながら死んでしまった。ヴァイオレットが毒殺を企てたのだ。継母のたくらみをさとったノリーナは屋敷を出る決意をし、計画を練る。