1998年6月15日発売
江戸後期の文政年間、社会不安の高まりをうけて、八百八町では武芸熱が高まり、多くの道場が剣名を競っていた。千葉周作門下の柘植恭之介も、友人勝小吉の薦めで、自らの道場を持ちたいと思うようになる。道場破りで名を上げた恭之介は、尾島藩のお家騒動に助太刀し資金を得ようとするが、敵が雇った無敵の剣客と死闘を繰り広げる。
昨晩、友人の豪華客船パーティに呼ばれたことは覚えている。気がつくと、私はマンハッタンの埠頭で酔いつぶれていた。記憶が、すっぽり抜けている。その後の展開は言うも恐ろしい。なんと品行方正なリスク理論家の私に、幼女暴行の疑いがかけられて…。相手は友人の愛娘ときた。ドクター・リスク、絶体絶命。
西暦2109年、太陽に接近しつつある未知の小惑星が発見された。その後の観測の結果、怖るべき事実が判明、この天体は八カ月後に地球と衝突するというのだ!そうなれば爆発の被害はもとより、粉塵による太陽光の遮断と硝酸雨のため、地球は今後数十年間居住不能な死の星と化してしまう。この危機に際し、最新鋭の宇宙船「ゴライアス」は特殊任務を命じられ小惑星へと向かったが…巨匠が満を持して放つ迫真の宇宙SF。
オレゴン州の片田舎ウィタカーで公選弁護人を務めるピーター・ヘイルは、数週間前まで父が経営するポートランドの大手法律事務所で働き、経済的にも父の援助で何不自由ない生活を送っていた。ところが、自らの無知と過信が招いたミスで大切な訴訟に惨敗。怒った父から、勘当同然でウィタカー行きを命ぜられたのだった。そんなある日、地元の女子大生が惨殺され、殺人容疑で知的傷害を持つ青年ゲイリーが起訴された。世間の注目を集めるこの裁判を勝利に導けば、莫大な報酬を手にすると同時に、父に自分の実力を認めさせることができる。不純な動機からゲイリーの弁護を引き受けたピーターだったが、天衣無縫な被告の人となりに接するうちに、次第に弁護士としての自覚と誇りに目覚めていく。だが、検察側の態勢は磐石。ピーターは不利な証拠の数々を突き崩すことができるのか!?人間ドラマの魅力とけれんたっぷりのミステリ趣向。“読者を眠らせない作家”マーゴリンがその真骨頂を発揮した疾風怒濤のサスペンス。
ニューヨークのダウンタウンに暮らす日本人青年ケンジは、ある日不思議な夢を見る。舞台はバグダッド。美しい死神“デス”が率いる兵士に追われ、必死に逃げるアラブ人の男…。やがて死神は現実の世界にも現れ、ケンジの生命があと12時間であることを告げる。刻一刻と迫る運命の時を前にケンジは…?ニューヨークを舞台に繰り広げられる全く新しい青春ストーリー。金城武の魅力満載!写真16ページ。
一機のユンカース旅客機が悪天候のベルリン郊外で連絡を絶つ。数日後、山地に激突した事故機が発見された。この旅客機には匿名で二人の重要人物が乗っていた。一人は、ナチス党の重要人物で外務省顧問のリッペントロップ。もう一人は、駐独日本大使館の駐在武官大島陸軍大佐。二人は日独協定の両国の直接担当者だった。その推進役が消えた…結果、ドイツ外交は独中協調路線を取る。それを見たソ連も中ソ友好協定を結び、ここに中国大陸における独ソ中三国の対日包囲網が完成した。そして日本帝国政府は、再び日英同盟の道を模索し始める…。シミュレーション戦記に新たなる地平を拓く、新シリーズ開幕。