1999年12月15日発売
夫はなぜ消えたか?突然の失踪を契機に、前妻、娘、老母、再婚した妻、孤立していた四人の女の心は微妙に波立つ。男を失うことで呼び醒まされる女としての官能。体の内奥に潜むエロスが、しだいに女たちの心を結びつけ、不思議な絆と連帯感を生んでゆく。女の生と性、愛のかたちを精緻に描く高樹文学の真髄。
隋を建国した楊堅、晩年には酒色に溺れ、なんと息子の楊広に謀殺されるという憂目。ところが楊広もまた即位し煬帝となるや、全国から千人を超す美女を集め、遊びにふける始末だ。当然、その隙をついて在野の英雄たちが動きだす。皇帝と盗賊、英雄と悪女たちが入り乱れ隋末唐初への歴史ドラマが幕を開ける。
煬帝は各地に起こった叛乱をおさえることができず、ついに自殺した。そこを狙いすますように李淵が都の長安に侵入し唐を建国する。だが群雄は服するどころか、覇を争って戦乱はますます拡大していく。権謀術数が渦巻くなか、天下統一に向けて秘策が練られる。武将たちが繰りひろげる波乱万丈の大活劇。
唐の高祖李淵は、やっとの思いで天下を統一。それも束の間、今度は息子たちが帝位をめぐり争いだす。次男の李世民が太宗に即位、以後、華やかな大唐帝国へと歩みだす。女帝武則天の活躍、玄宗と楊貴妃の熱愛、安禄山の反乱など、心を熱くする大ドラマが展開。だが、隆盛もついに閉じる日がきた。全三巻完結。
エジンバラの町は不気味な緊張に包まれていた。新興ギャングが町の覇権を手にしようと、何事かを画策している。特捜班は連日監視を続け、リーバス警部も関心を抱いていた。そんなさなか、上司が彼に押しつけてきたのは奇妙な仕事だった。第二次大戦末期、フランスの村で起きたナチス親衛隊による大虐殺事件の指揮官が、ここエジンバラに名前を変えて潜伏しているというのだ。リーバスは、リンツと名乗る問題の老人の正体を探るが…その矢先、リーバスを思いもよらぬ悲劇が襲った。
IRA、CIAなど相手を問わず無差別に暗殺を繰り返す謎のテロ組織“一月三十日”。彼らの政治的信条ばかりか、テロの目的もいっさい不明であった。やがて、北アイルランド和平の鍵を握る要人警護の命が英国特別情報機関に下り、元国際テロリストのショーン・ディロンがその任務に就いた。一方、情報をつかんだ“一月三十日”は、ディロンの裏をかき凶弾を放つべく、密かに暗殺者を差し向けるが…痛快冒険サスペンス。
七年前の事故がデイヴィッド・ヴァンデマークを変えた。瀕死の重傷から回復したとき、物に触れただけで過去のできごとを知る特殊能力=サイコメトリーを身につけていたのだ。彼はその能力を駆使し、妻子を惨殺した連続殺人犯への復讐を手始めに、社会に潜み人々を捕食する、異常殺人者という怪物を見つけだし次々に抹殺してゆくのだが…恐るべきハイテンション、ハイスピードで描かれる超絶サイキック・サスペンス。
自殺した学生とのゲイ関係などまったくない-ロビンソン教授は断言した。教授はゲイ関係の噂を立てられ、終身在職権を否決されたので調査を依頼してきたのだ。恩人の息子だからよろしく、というホークの紹介とあれば断わるわけにはいかない。スペンサーは黙って自殺事件の調査をはじめる。自殺した学生は、他人のゲイ関係を暴露するミニコミ紙を発行していたいかがわしい男だった。さらに、彼の銀行口座には法外な金が残されていた。犯罪の臭いを嗅ぎつけたスペンサーは、自殺現場を見て不審の念をいっそう強めるが…。ホークのみか、前後してスーザンも事件を持ち込んできた。女友達のKC・ロスが正体不明のストーカーに悩まされているという。こちらも気軽に引き受けたスペンサーは、ロスの元夫や元恋人を中心に聞き込みを開始する。ところが、孤独な境遇のロスはスペンサーに急接近し、ついには彼女自身がスペンサーに対しストーカー行為を働いてきた!息もつかせぬ展開で魅了する、人気シリーズ最新作。
観光地として賑わう、古代遺跡のローマ浴場の地下室で、白骨化した人間の手が発見された。一報を聞きつけた警視ピーター・ダイヤモンドは、骨の身元を特定すべく捜査を開始する。だが、くだんの地下室の番地に、『フランケンシュタイン』の作者メアリ・シェリーの自宅がかつてあったという事実が浮上し、捜査は混乱に陥った。この偶然の一致にマスコミが飛びつき、「人骨は怪物の犠牲者なのか?」などとバースの町に流言飛語が飛びかう実態となってしまったのだ。時同じくして、女性の骨董商が他殺とおぼしき水死体となって発見された。事件担当の主任警部ウィグフルは、容疑者の尾行を単独で開始するが、何者かに殴打され、生死の境をさまよう意識不明の重体に!同僚に代わってこの事件の捜査も担うことになったダイヤモンドは骨董商の身辺を探り、幻想的な画風の絵画が殺人事件当夜に取り引きされていたことを突きとめる。しかも、その不気味な絵のモチーフは『フランケンシュタイン』の一場面を意味していた…。不可解な繋がりをみせる二つの事件から、ダイヤモンドが辿りついた犯人像とは?ゴシック的な香り漂う怪奇な事件に、ピーター・ダイヤモンド警視が熱き刑事魂で立ち向かうシリーズ第六弾。
バーバラはにっこり笑い、ぼくの唇に情熱的なキスをした。ぼくはバーバラを見つめ、そこに「冒険」を見たーサーフィン映画から抜け出たようなアメリカ娘バーバラに会ったとたん恋をしてしまったリチャード。ロンドンの恋人も仕事も投げうって勝手にL.A.にやってきた彼だが、彼女にはボーイフレンドがいる。クレイジーな街で二人の恋は何処へ行く?R・レイナーのおかしくもアイロニックな自伝的処女小説。
難攻不落のガダルカナル島奪回を目指す連合艦隊・山本長官は、戦艦「金剛」「榛名」率いる艇身攻撃隊にヘンダーソン飛行場を艦砲撃させ、さらに「長門」「陸奥」率いる制圧攻撃隊を浅深度のシーラーク海峡へ出撃させ、米国巡洋艦隊を撃破することに成功した。しかし、国力で勝る米国は、いまだにガ島を死守しており、上陸して占領することはかなわなかった。そこで山本長官は、連合艦隊旗である戦艦「大和」に座乗、自らガ島制圧に乗り出すことを決意した!「大和」「武蔵」を先頭に、いよいよ最終決戦のときが迫る。