2000年発売
ときは大恐慌時代、アメリカ南部。コールド・マウンテン刑務所では死刑囚が最後に歩くリノリウム張りの通路を“グリーン・マイル”と呼んでいた。不思議な鼠と巨漢の黒人死刑囚をめぐる、奇跡と恐怖、癒しと救済の物語。
あなたは民主主義を疑ったことがありませんか。民主制という古い革袋には、不断に新しい酒を盛りつづけなければならない。本書の中で展開される民主政治論は、多くの示唆に富み、現代政治に対する鋭い洞察に満ちている。
湾岸戦争での苛酷な体験により、帰還後悪夢に悩まされているSAS軍曹ジョーディ・シャープ。精神的な苦闘を続ける彼に突然、悲劇が襲った。IRAの爆弾テロに巻き込まれて彼の妻が死亡したのだ。怒りに燃える彼は、テロの首謀者を自らの手で処刑することを決意した!北アイルランドの荒野から南米の密林を舞台に展開する白熱の復讐戦。元SAS隊員の著者が豊富な経験と知識を駆使してリアルに描き出す冒険小説の話題作。
バークに接触してきた女はクリスタル・ベスと名乗った。ストーカーから女たちを守るための隠れ家を経営しているという。彼女に依頼され、バークはストーカーから一人の女を救いだした。腕前に満足したクリスタル・ベスは、彼女自身もある男から脅迫を受けていると告白する。男の正体を探るバークの前に狂信的なネオ・ナチ集団の影が!アウトロー探偵バークが身を挺して巨大な悪を討つ、シリーズ第10弾。
弟が麻薬取引のもつれで殺されたとの知らせに、おれは青い影が漂う夢から覚めた。葬儀で待っていたのは弟の元妻マリーだった。昔の恋人で、別れ際おれとの愛を取り戻すと誓った女だ。マリーに溺れていく一方、おれは弟が死の直前に大物実業家の過去を探っていたと知る。背後には、非情な事実が!運命の女と危険な深みに堕ちていく男。注目のノワール小説。
二十代のブロンドの女性が悲鳴を上げ、必死に何かから逃れようとしている。どこにも逃げ場がないと悟ったその女性は、体を丸め両手で目をおおった-会計事務所に勤めるリザが突然見た鮮明な幻影。だが彼女は、その幻影が、ロサンゼルスの街を揺るがす猟奇連続殺人と関係があるとは思いもよらなかった。執拗な幻影に苦しむリザは、著書を通して知った精神科医レニックのもとを訪れ、そこで警察の捜査に協力しているレニックから、初めて幻影の意味を教えられた。驚いた彼女は彼とともに警察を訪れ、担当捜査官のタロン刑事を紹介される。二人の見ている前で被害者の遺品に手を触れたリザは、とたんに犯行シーンの生々しい映像に襲われた。これを機に、彼女は幻影を事件との関連で捉えるようになった。犯行に使われたナイフやラテックス製の手袋の隠し場所を次々と突きとめていき、ついには殺人犯の新たな動きと次の犠牲者を予知できるまでになった。彼女の幻視の中であらわになった次なる犠牲者の顔は…!?ブロンドの若い女性ばかりを狙う狡猾な猟奇殺人鬼。透視力を自覚し、捜査に関わっていくリザ。驚愕の結末まで一気に突き進む、サイコ・スリラー大作。
十四歳の少女エラ・ウォリスは惨めなティーンエイジャーの典型。学校でいじめられ、両親に誤解され、受け入れてもらうことだけが望みだった。だが、エラには他のティーンエイジャーにはない特殊な能力があった-。この驚異的な小説の中で、ユリ・ゲラーは小説家としての優れた才能と特異なサイキック体験を組み合わせ、隠れたマインドパワーと、それらを爆発(解放)させることの恐るべき結果を探ろうとする。衝撃と感動、そして、示唆に富む荘厳なラスト、実力派スリラー作家の誕生。
「僕たちは探険隊みたいだね。離婚ていう、日本ではまだ未知の領域を探険するために、それぞれの役をしているの」-離婚を契機に新しい家族像を模索し始めた夫、妻、小学生の2人の息子たち。そのさまを優しく、切なく綴った物語。他3篇を収録。
先が思いやられるような人間になれー。これが父の教育方針だった。悪ガキとして名を馳せた中学時代を経て、青成瓢吉は早稲田大学に進学、学園紛争の口火を切る。やがてお袖との同棲生活にはまり大学を中退するが、彼の脳裏には芸妓になった幼なじみのおりんの姿が…。大志ある親友たち、味のある教師、任侠道を貫く渡世人など、脇役陣も多士済済。今、不朽の人生ドラマが幕を開ける。
西田枝美子は「北陽放送」の看板アナウンサー。「ミス北陽」と謳われた美人である。その枝美子も、今年で三十四歳。冷たく澱んだ北陸の冬は、身辺にも迫ってきた。ラジオへの転属をほのめかされ、孤独を味わう日々。が、そこへ一人の男が現れた。六歳年下のプロ野球選手の志村は、若く荒々しく甘美な情熱で枝美子を虜にする。その冬の終わり、男は枝美子の希望そのものであった。
31歳の相馬克己は、交通事故で一度は脳死判定をされかかりながら命をとりとめ、他の入院患者から「奇跡の人」と呼ばれている。しかし彼は事故以前の記憶を全く失っていた。8年間のリハビリ生活を終えて退院し、亡き母の残した家にひとり帰った克己は、消えた過去を探す旅へと出る。そこで待ち受けていたのは残酷な事実だったのだが…。静かな感動を生む「自分探し」ミステリー。
未曾有のハリケーンが接近するなかスコットエア社の727は離陸した。だが、誤って積みこまれたパレットには、ある原子物理学者の怨念がこめられていた。熱核爆弾の爆発とともに強大な電磁パルスが発生し、合衆国のあらゆる電子回路を破壊するメデューサ兵器ー残された時間は三時間半弱。運命を背負った五名の絶望的な飛行が幕を開けた。『着陸拒否』を凌ぐ迫真の航空パニック巨編
爆発の刻限まで一時間半を切った。国家と国民の運命を憂慮する大統領を尻目に、FBIはヴィヴィアンの拘束に血道を上げ、ペンタゴンと軍部は研究を目的としてメデューサ兵器回収の道を探る。地上の思惑が入り乱れるなか、機上の五名は離れ業にも近い解決策に思いいたった。時間の制約と想像を絶するハリケーンの猛威。苛酷な条件の下で、運命に翻弄された727は最後の賭けに出る。
親友ジャスティンの右腕となってモデル・エージェンシーを切りまわすフランキーは、GN社の春物コレクションに抜擢された新人モデル3人の付添役として、パリに同行することになった。不安と期待を胸に訪れた、最先端のモードと恋の街。色とりどりの新作コレクションさながら、彼女たちはそれぞれの夢と恋とを手に入れる。おかしくて、セクシーで、心が温かくなる、極上の恋物語。
秋原健一、製薬会社課長、四十三歳。波多野妙子、調理師専門学校講師、三十歳。二人は京浜急行の中で出会い、蕎麦屋でせいろを食べ、ホテルでただTVを見るー。(「蕎麦屋の恋」)姫野カオルコが描く、六つの「非・恋愛小説」。