2016年2月12日発売
お庭番として日々活躍する蒼司朗には、頼りになる従兄弟の清志朗がいる。ある日、女生徒の後をつける不審者を発見するも、清志朗の機転で追い払うことに成功。蒼司朗にとって清志朗は憧れの存在だ。そんな帝都では近頃、謎のつけまわし事件が発生していた。怪しい気配を感じ、振り返っても誰もいないー幻獣の仕業かと、蒼司朗は調査に乗りだすが…!?少年の運命が花開く、お庭番第三弾!
「先輩、オレとつき合いませんか?」前任の佐久間先輩から、美化委員会の委員長に任命された二年の美和風子。ある日、同じ美化委員の一年・伊野柊真から告白された!どうして私に…?と思いながらも、つき合うことになった二人。親友の由利に心配されつつ、カレシって何だろうと戸惑う風子だったが、時に強引で時に可愛い後輩彼氏の伊野くんにドキドキしっぱなしでー!?
二十代後半にして代表作がない崖っぷち声優の結城勇樹。背水の陣で臨んだ野球アニメ「センターライン」のオーディションで出会ったのは、同世代の人気声優、大島啓吾だった。現場で顔を合わせたことのない結城と、いっしょに仕事がしたいという大島。その理由は、二人の過去にあった。声優たちの世界に光をあてたリアルな青春お仕事小説。
杉並中央署生活安全課「何でも相談室」、通称0係に小学生から相談事が持ち込まれた。少年の祖母宅に大金が投げ込まれたのだという。しかも、0係の変人キャリア刑事の冬彦と相棒の高虎が調査するうちに、同じマンションの他の部屋も違う額の金を受け取っていたと判明する。お札を調べ始めた冬彦は、あることに気付くが…。KY刑事の鋭い観察眼が光るシリーズ第三弾!
「警察の警察」と呼ばれる警視庁監察係の係長刺殺事件。その容疑者も銃殺されて二年近くが過ぎ、捜査は早くも迷宮入りの様相を呈していた。そこで刑事部長は捜査一課特命捜査対策室の秘密別働隊“シャドー”を投入する。岩城譲司警部の許、癖のある連中が、偽造、脅迫、なりすましと違法捜査で警察の暗部に切り込むが…。権力の腐敗を痛快に暴いた、野心的な警察小説。
「あんた…もしかして、最悪の刑事と言われた、あの」ヤクザが絶句した。あの最低最悪の刑事佐脇が帰ってきたのだ。だが古巣鳴海署は美人署長の下、人心一新、すべて変わっていた。酒に煙草、昔の遣り方をごり押しした佐脇は、山間の寒村で起きた連続殺人の再捜査を命じられる。現場に向かう佐脇を待っていたのは…。やりたい放題、傍若無人の横暴捜査が炸裂する!
「夫が髷に白粉をつけてきたり、隠れて踊りの稽古をしているんです」易者姿の鬼堂民斎は旗本の奥方を観ていた。芸者絡みの浮気とにらんだ民斎は、画数占いで仰天した。夫とは南町奉行矢部駿河守定謙だったのだ。真面目一徹の駿河守がなぜ?夕刻、白塗りの若衆の割腹死体が発見された。脇差には“やべ様命”とあり…(お奉行を占う)。人情てんこ盛りの時代推理。
敷地内に洞窟がある気まぐれな金持ち夫婦に雇われ、“隠者”となった男(「隠者求む」)。古物店で見つけた手術道具を使って、博物館に展示された標本の蝶を蘇らせようとする少年(「蝶の修理屋」)。襲来した宇宙人に先生がさらわれたと信じて役所に押しかけ、調査を要求する子供たち(「宇宙人にさらわれた」)。あるきっかけで日常と異常の境界線を越えてしまった人々。ブッカー賞最終候補の著者が描く切なさと愛しさに満ちた10の物語。各短編ごとに『モンタギューおじさんの怖い話』のデイヴィッド・ロバーツのイラスト収録!