著者 : メアリー=ドゥ
大公暗殺事件、容疑者は“朱色の瞳の女(ウェルミィ)”--異国公務中に降りかかる王国使節団の受難 水・火・風・土の4つの公爵領で成り立つノーブレン大公国。四公家の代表となる次期大公を決める重要な式典【大公選定の儀】にライオネル王国使節団の一人として招待された侯爵夫人ウェルミィ・オルミラージュは歓待パーティーで各国の要人との歓談を楽しんでいた。ところが宴の最中に賓客であるエイデスを狙った暗殺未遂事件が発生。さらには現大公が殺害されたという知らせが立て続けに入り、会場中はパニックとなり混乱に乗じて犯人は姿を消してしまった。大公暗殺及びオルミラージュ侯爵暗殺未遂事件、目撃された容疑者は“朱色の瞳の女性”。該当する人物はこの会場でたった一人、ウェルミィだけ。窮地に立たされてなお、ウェルミィは己の矜持に懸けて自らが定めた義を成す。そして“何者でもない”彼女の選択は世界に最善をもたらすーー
悪の華(ウェルミィ)の“お戯れ”--未来の女主人を迎える侯爵邸の混乱と事件 社交界の悪の華ウェルミィ・リロウド伯爵令嬢と魔導卿ことエイデス・オルミラージュ侯爵との婚約が発表されてからしばらく。別邸で囲われていたウェルミィがついに本邸に入ることとなり、オルミラージュ侯爵夫人付き侍女の選抜試験の開催が決定した。侯爵邸内外から集められた人々の間では、これ以上ないチャンスを前に使用人としての栄転を望む者、他者を蹴落とそうと目論む者、主人の寵愛を狙う者、さまざまな思惑や噂話が飛び交っていた。ただの伯爵令嬢だった少女はたった一人で貴族の勢力図を傾けるほどの権力を掌握し、今度は侯爵家の女主人になる。今や社交界の誰もが動向を気にする存在であるウェルミィ・リロウドーー彼女は一体、何者だ?書き下ろしストーリー「ヘーゼルとミザリ」を収録!
悪の華(ウェルミィ)は社交界に舞い戻るーー思惑渦巻く紳士淑女の輪舞 悪名を轟かす社交界の悪の華ウェルミィ。後妻の子でありながら伯爵令嬢の義姉を虐げ断罪されたことで表舞台から消息を絶っていた彼女がある日突然、社交界に舞い戻った。何故か伯爵家のリロウド姓を名乗り、隣に王太子殿下を侍らせて。しかも王太子殿下を毒牙にかけただけでは飽き足らず、魔導卿オルミラージュ侯爵や有力な貴族令息たちをも次々と誑かしているという。そんななかで王宮で開催されることになった【王太子殿下婚約披露パーティー】。そこには噂の悪女ウェルミィをはじめとする、三人の令嬢と五人の令息の姿があった。趣向を凝らした、絶望渦巻く喜劇の幕が上がる。主演は当然、ウェルミィ・リロウドーーこれは悪役令嬢の矜持を賭けた妃(クイーン)と、とある道化(ピエロ)の物語。書き下ろしストーリー「ウェルミィの企み」を収録!
私は今から破滅するようですーー私の策略通りに。 後妻として迎えられた母とともに伯爵家の一員となった元平民のウェルミィ・エルネスト。そんな彼女は家でも貴族学校でも同い年の義姉を虐げ、後継者の地位も婚約者も奪い取り、最後には冷酷と噂される魔導卿に義姉を売り飛ばす。地味で冴えない義姉に抗う術はない。すべてはウェルミィの思うがままに。それからしばらくして、魔導卿から夜会の招待状が届く。自身の婚約者として義姉を紹介するのだろう。父母とともに夜会に参加するウェルミィだったが、赴いた先では華やかな宴……ではなく、『義姉を虐げた』として伯爵家への断罪が始まった。すべてはウェルミィの策略通りにーーこれは自分が憎まれても義姉を幸せにしようと企んだ、一人の悪役令嬢の物語。書き下ろしストーリー「魔導卿と悪役令嬢、王太子とシンデレラ」を収録!