著者 : 一石月下
魔力を持たず『無能』と蔑まれる王女エレクトラ。厄介払いで送り込まれた戦場で、帝国軍を率いる聖王サイリュスと出会う。 遺物と嘲笑される愛剣で斬りかかるとーーどんな魔力攻撃も通じない彼になぜか傷を負わせることができた。 サイリュスはそれを喜び、エレクトラを帝国に連れ帰ってしまう。 そして「存分に愛して、それからーー殺してほしい」と懇願してきて!? 殺されるはずだった王女と殺されたい聖王、運命の恋物語。
女と知られ、海宝から愛の告白をされた春蘭。戸惑って何も答えられない彼女は、仕事に没頭して平常心を保とうとする。一方、莉珠の母・丹霞が待望の懐任。後見人である海宝は盤石の地位を得たと思われた。しかし、追い詰められた白水の暗躍で、海宝は都から離れることに。重ねて双子のとりかえの嘘が世間に暴露され、さらに春雷は懐妊中の丹霞暗殺未遂で投獄ー!?ついに訪れる入れ替わりの秘密が裁かれる日。双子の運命の行く末は…。大人気・男女逆転中華風ファンタジー、感動の最終巻!
政敵・羅玄瑞が復活した。謹慎が解かれた玄瑞は、真の罪人は海宝らであると裁定を求めてくるだろう。真っ当ではない方法で玄瑞を退けた海宝らは、窮地に立たされる。悩む春蘭に助言を与えたのは、またも子君でーー?
ようやく宰相の座を掴んだ海宝。しかし政敵・白水は、新たに手に入れた財政機関を司る三司という地位を利用し、さらに妨害を仕掛けてきた。春蘭は皇帝の勅旨をもって妨害を躱そうと画策する。一方、春雷が仕える莉珠は、「蘭蘭」の言動に不信感を募らせていた。双子の入れ替わりの可能性に気づいた莉珠はショックを受け、誰よりも信頼していた春雷を遠ざける。白水はそんな莉珠に目を付け、味方に引き入れようとしてー?ついに秘密が暴かれる!?男女逆転中華譚、転換の第五巻!
堯の侵攻を退けた海宝の噂は地方の士大夫や民衆にも広まり、英雄視されるまでになっていた。しかし、貴族からの評価は相変わらず。中央では白水が宰相の座を狙い、貴族を取り込む新案を通そうとしていた。実情を憂いた王宰相は次期宰相を海宝に継がせるべく、大臣家との縁談を持ち掛けるのだが、春蘭への気持ちに気づいた海宝は即答できない。悩む海宝を尻目に、宰相選が行われることになりー?圧倒的不利な選挙を、春蘭たちはどう戦うのか!?男女逆転中華譚、変革の第四巻!
白水の企みを阻止した春蘭たちだったが、貴族の枢密院への反抗から国防面が弱体化。隣国堯の猛攻を招く事態となっていた。そんな中、再び妃嬪候補となった春雷が堯の手に落ちてしまう。焦る春蘭にもたらされたのは、「秋明は堯の密偵」という情報。じつは海宝も同じように疑っていた。秋明を信じたい春蘭は疑惑を晴らそうと動くが、情報を得るために敵方の子君と会っていたことを海宝に知られてしまい…「俺は、誰も信用などしないー」二人は決別してしまうのか!?男女逆転中華譚、激動の第三巻!
枢密使・海宝と皇女・莉珠の同盟が無事締結。海宝を狙う白水の動きを探るため、春蘭は白水の部下・李子君を調べることになった。子君と大臣の会談が行われると耳にした春蘭は、さっそく潜入捜査を試みる。その会談場所は…なんと高級妓楼!妓女姿となって潜む春蘭は、手違いで海宝と鉢合わせてしまい!?一方、莉珠の周りでも異変が起こっていた。侍女らを訝しむ春雷の身もどこかへ消えてしまう。春蘭たちより先に、白水は動き出していたのかー?男女逆転中華譚、急転直下の第二巻!
貧乏官僚の家に生まれた春蘭と春雷。姉の春蘭はあまりに賢く、弟の春雷はあまりに美しく育ったため、性別を間違えられることもしばしば。「姉は絶世の美女、弟は利発な有望株」という誤った噂は皇帝の耳にも届き!?
幼い亜季が、祖母と訪れた神社で出逢った一人の少年。本殿に一人佇む黒い翼を持つ少年・深山は、伊津納神社の神様だった。深山に会いに神社に通う亜季に、無愛想な深山も次第に心を開いていく。しかし、本殿から出られない深山とは、決して触れ合うことが出来ない。高校生になった亜季は、自分の心に芽生えた感情に戸惑いを感じていた。そんな中、亜季は長らく途絶えている巫女舞と、それにまつわる神と巫女の悲しい物語を知りー。永遠の時を過ごす孤独な神様と、彼に寄り添う少女の切ない恋物語。
たまゆら図書館の手伝いをするようになった千穂は、家でも学校でも順調に過ごすようになっていた。しかし、病弱な弟・秋人について何も知らないことに思い至る。秋人だけではない。こんなに一緒にいるのに、自分は白火についても何も知らないのだ…。そんなとき、芦田からたまゆら図書館の本当の役割を聞かされた千穂は、かつて白火も封じられていたという地下の貸出禁止書庫に足を踏み入れてー?「ピアノ独奏曲」「柳筥」「創作探偵小説集」-あやかし達は、今日も新しい願いの物語を紡ぐ。
緑深い公園の奥に、ひっそり佇む“たまゆら図書館”。千穂はそこで一冊の本を手にしたことから、あやかし・白火と出逢う。ここはあやかし憑きの書籍を収蔵する不思議な図書館だったのだ。「私はいつでもここにいて、あなたを待っていますから」白火の言葉に背中を押され図書館に通うようになった千穂は、本にまつわる悩みを抱えた来館者の手伝いをすることになり…。「薮の中」「伊豆の踊子」「水墨集」-本に願いを込めた人々と、その思いを糧に生きる儚きあやかしたちが、新しい物語を紡ぐ。
白金の長い髪、神秘的な青い瞳、蠱惑的な紅い唇ーシャリア王国一の美貌を持つ王太子ルイーゼ。王女として育てられていたが、ついに男であることをカミングアウト。その事件で居合わせた隣国の姫、セレスタに恋心を抱くに至ったのだが…。「実は縁談の話をされたのです。…ラファエル殿下との」指をくわえて見ているわけにはいかない!今や国一番の変わり者となった女装王子流の華麗なたくらみで、絶対阻止してみせる。そうー俺がそいつとお見合いすればいいじゃないか!?
白金の長い髪、神秘的な青い瞳、蠱惑的な紅い唇ーシャリア王国の王妹ルイーゼは、その美貌で貴族の視線を一身に集めていた。しかしその実態は…王女として育てられた王子。歴とした男だったのです!どSなお付きのレクトルに悪態をつかれながらも、型破りな日々を送るルイーゼ。そして国を挙げての花婿選びの席で、自分と同じくらい美形なオレスという興味深い対象と出会うのだが、それは事件の始まりでもあって…?