著者 : 一石月下
魔力を持たず『無能』と蔑まれる王女エレクトラ。厄介払いで送り込まれた戦場で、帝国軍を率いる聖王サイリュスと出会う。 「遺物」と嘲笑される愛剣で斬りかかるとーーどんな魔力攻撃も通じない彼になぜか傷を負わせることができた。 サイリュスはそれを喜び、エレクトラを帝国に連れ帰ってしまう。 そして「存分に愛して、それからーー殺してほしい」と懇願してきて!? 殺されるはずだった王女と殺されたい聖王、運命の恋物語。 1 § prophetia:かの邂逅(かいこう)は、まさしく預言にある通り 2 § prophetia:見知らぬ地で何を思う 3 § prophetia:りんごのパイとハーブティー 4 § prophetia:かの叙事詩(じょじし)は悲劇に似たり 5 § prophetia:筋書通りのミーメーシス 6 § prophetia:物語は筋書の外へ歩き出す § epilogus:はたして、物語の結末は あとがき
ーー【待望の最終巻!】-- 女と知られ、海宝から愛の告白をされた春蘭。戸惑って何も答えられない彼女は、仕事に没頭して平常心を保とうとする。 一方、莉珠の母・丹霞が待望の懐妊。後見人である海宝は盤石の地位を得たと思われた。 しかし、追い詰められた白水の暗躍で、海宝は都から離れることに。重ねて双子のとりかえの嘘が世間に暴露され、さらに春雷は懐妊中の丹霞暗殺未遂で投獄ーー!? ついに訪れる入れ替わりの秘密が裁かれる日。双子の運命の行く末は……。大人気・男女逆転中華風ファンタジー、感動の最終巻! ーー【人物紹介】-- ◆青春蘭(せい しゅんらん) 宰相秘書官 双子の片割れ。男装し官僚として宮廷に勤める。 ◆天海宝(てん かいほう) 榮国宰相 春蘭の上司。前王朝の皇族でもある。 ◆青春雷(せい しゅんらい) 皇女の侍女 双子の片割れ。女装し後宮に皇女に仕える。 ◆蘇莉珠(そ りじゅ) 榮国皇女 春雷の主であり、現皇帝の第一子。 ◆楊秋明(よう しゅうめい) 宦官 双子のとりかえを手伝った人物。あらゆる情報に精通する。 ◆王紫峰(おう しほう) 刑部の官僚 春蘭と海宝の友人。司法を司る刑部に勤める。 ◆華杏子(か きょうし) 皇女の侍女 春雷と同じく皇女に仕える。 ◆孟梅香(もう ばいこう) 孟家の令嬢 海宝の又従妹であり、春蘭の友人。 ◆趙景翔(ちょう けいしょう) 枢密使 海宝の元部下。現在は軍事を司る。 ◆董白水(とう はくすい) 三司使 白面愁眉の貴公子。謎めいた知性と美貌を持つ。 ◆李子君(り しくん) 三司の官僚 敵陣営の人物だが、たびたび双子に手を貸す。 ◆羅玄瑞(ら げんずい) 御史台の官僚 皇后の弟。何度も海宝と対立した過去がある。 一章 曲水 二章 凄凄切切 三章 暗雲低迷 幕間 四章 落水激濁 五章 開花閃光 六章 光風霽月 七章 戮力協心 八章 青雷之柔 蘭花之賢
政敵・羅玄瑞が復活した。謹慎が解かれた玄瑞は、真の罪人は海宝らであると裁定を求めてくるだろう。真っ当ではない方法で玄瑞を退けた海宝らは、窮地に立たされる。悩む春蘭に助言を与えたのは、またも子君でーー?
宰相の座を掴んだ海宝。しかし政敵・白水は新たに手に入れた財政機関を司る三司という地位を利用し、妨害を仕掛けてくる。皇帝の勅旨をもって妨害を躱そうと画策する春蘭だが、白水の手は莉珠にまで伸びていてーー?
尭を退けた海宝の噂は民衆や地方の士大夫にも広まり、英雄視されるまでになっていた。しかし貴族からの評価は相変わらず低いまま……。そこで次期宰相を海宝に託したい王家は、大臣家との縁談を持ちかけてきてーー?
白水の企みを無事阻止した春蘭たちだったが、国防では隣国・尭の猛攻が問題視されていた。そんな中、春雷が尭の皇帝・烽山の手に落ちてしまう。さらに持ち上がる秋明の密偵疑惑。疑惑を晴らそうとする春蘭だがーー?
莉珠と海宝の同盟が締結した。海宝を狙う白水の動きを探るため、春蘭は白水の部下・李子君を調べることに。その手段は……高級妓楼の潜入捜査!? しかし白水はすでに先手を打っていてーー。男女逆転中華譚第二弾!
貧乏官僚の家に生まれた春蘭と春雷。姉の春蘭はあまりに賢く、弟の春雷はあまりに美しく育ったため、性別を間違えられることもしばしば。「姉は絶世の美女、弟は利発な有望株」という誤った噂は皇帝の耳にも届き!?
幼い頃、神社で出逢った一人の少年。背中に黒い羽を持つ無愛想なその少年は、伊津納神社の神様だったーー。永遠に歳をとらず、神社から出ることも人と触れ合うことも叶わぬ神様と、一人の少女の切ない恋物語。
逢瀬を重ね、距離を縮める千穂と白火。しかし白火には千穂に語らない過去があった。そんなとき、秋人の再入院が決まる。千穂は弟にも自分から踏み込もうと決意するのだが、秋人はある楽譜に魅入られてしまいーー?
閑静な山奥にひっそりと佇む≪たまゆら図書館≫。千穂は一冊の書籍を手に取ったことで、本に憑く妖怪・白火と出逢う。「藪の中」「伊豆の踊子」……本に願いを込めた人と、その想いを糧に生きる儚きあやかしの物語。
隣国へ戻ったセレスタに想いを募らせるルイーゼ。そんな折、兄に隣国への使者を命じられる。しかし、意気揚々と赴いたルイーゼを待っていたのは……セレスタと他の男のお見合い話!? 女装王子、再びたくらみます!
貴族の視線を一身に受ける美姫ルイーゼ。しかしその実態は……王女として育てられた王子! どSなお付きのレクトルに悪態をつかれながらも型破りな日々を送るルイーゼだったが、花婿選びが行われることになり……?