2016年2月9日発売
あやかしの棲まう“隠世”の老舗宿・天神屋の離れに、ついに食事処「夕がお」を開店させた葵。トラブルはあったものの、食事が縁で打ち解けたあやかしたちの力を借り、ようやくお店も軌道に乗り始めた。そんなある日、仕事で大旦那様不在の天神屋に“招かざる客”がやってきた!天神屋のライバル宿・折尾屋の番頭だという天狗の葉鳥は、なんと元は天神屋の番頭で、しかも暁の師匠にあたるそうで…。さらには、かつてその折尾屋に在籍していたという銀次の様子もおかしくなってしまい!?
夜の小学校に入っていく姿を最後に児童4人が失踪した。徹底した捜索にもかかわらず、何の手がかりも掴めないまま1年。刑事の春馬晃は、人“以外”のものが視える従兄弟の龍一に、事件現場とおぼしき小学校の捜査を頼んだ。さまざまな見返りを要求したうえで渋々引き受けた龍一は、なぜか飼い猫同伴で捜査に現れた。飼い主に負けず劣らず偏屈で無愛想で毛並みが美しい、デブ猫アビス。アビスに導かれるように龍一、そしていぶかる晃が小学校に足を踏み入れると、そこには失踪したはずの4人がいてー!?
不世出の軍人と誉れ高い小玉が、かつての相棒で現皇帝・文林の願いで皇后となり、二年が過ぎた。後宮では大規模な人員整理が行われ、多くの娘達が後宮を後にすることに。小玉は文林に新たな出会いをと、娘達と目通りの場を設けるのだが…。「右から二番目の娘、名は」謝月枝に目を留めた文林に、荒れる後宮。憤る取り巻き達。小玉は二人のもとに赴き皇后位の返還を表明するのだが、話はそれだけで済まないようでー?戦火のあがる馮王家の城から、過去と運命が動き出す!
たまゆら図書館の手伝いをするようになった千穂は、家でも学校でも順調に過ごすようになっていた。しかし、病弱な弟・秋人について何も知らないことに思い至る。秋人だけではない。こんなに一緒にいるのに、自分は白火についても何も知らないのだ…。そんなとき、芦田からたまゆら図書館の本当の役割を聞かされた千穂は、かつて白火も封じられていたという地下の貸出禁止書庫に足を踏み入れてー?「ピアノ独奏曲」「柳筥」「創作探偵小説集」-あやかし達は、今日も新しい願いの物語を紡ぐ。
成島拓海は同大学の橋本秋帆に狙われていた。彼女は拓海の長身を頼みにー共に“競技ダンス”で日本一を目指そうというのだ。さる事情から人付き合いを避けてきた拓海に、よりによって女子の手を取り笑顔で踊れだなんて!当然断るものの、諦めようとしない秋帆の真剣さに屈し、拓海は期間限定で入部する契約を交わす。優雅なイメージとは裏腹、体育会系な活動に絞られる日々を送る拓海。やがて応援に訪れた大会で、予期せず出場することとなり…。ダンスにかけるふたりたちが描く、青春と人生の心躍る軌跡。