著者 : 三浦真奈美
新たな植民地法締結の使命を帯び、内戦の混乱いまだ収まらぬパガンへ特使として赴くエスティ。売名行為との誹りを受けながら友の治める国との橋渡しを願う彼女は無事大任を果たせるのか?様々な苦難から逃げることなく波乱の時代を鮮やかに生き抜いた薔薇たちの物語は新時代への夢に向け今ここに幕を下ろす。
己の血統に頼り特権を振りかざし、島人を蔑む支配階級を相手取り、ケアルは差別の壁に挑み続けていた。しかし、長年に亙り慣習となり果てた民人たちの意識改革は難題だった。反対派を煽り兄ミリオが反旗を翻す。息つく暇もなくデルマリナからは都市が壊滅状態という報が-恐慌を来すハイランドの民を前に運命をかけたケアルの決断とは。
ハイランドの使者として未知の国デルマリナヘケアルは旅立つ。苦難の航海を越え辿り着いた地は何もかもが驚愕と当惑に満ちていた。利権を求め彼を利用すべく群がる人々、あまりに違う慣習、価値観-。惑う心でケアルはふと空を見上げる。飛びたい、と-この異郷の空も自分を暖かく包んでくれるだろうかと。そしてケアルの孤独な闘いが始まる。
領主の三男坊として生を受けながらも島人との混血と蔑まれ居場所がないケアルには翼を操り空を翔けることだけが唯一の自由だった。このままどこまでも飛んで行けたら、そんな思いで飛んでいた彼の目に悠然と大海を征く巨大な帆船が。未知の国から来訪したこの船こそ彼を激動の時へ導く運命の使者だった。
「むこう側世界」に飛ばされた椿たちは、それぞれ奇妙な運命に遭遇していた。熊のヌイグルミのような〈森の民〉に助けられた椿は不思議な力で、襲ってきた冥獣コカクチョウを倒した。芳野は狩猟用の罠で脚を負傷し、アス=アルの伝役・シュ=ウによって焦赤の館に運ばれた。一方、桂が辰黒の重臣・ネビロスに捕まっていると知ったアス=アルは、ただ一人ネビロスのラボに乗り込むが…。
「風水の李家」の老師は後継者侯補の翠と沙羅に汐入水輝を捜すように命じた。水輝は竜脈を揺り動かす「竜の血族」、彼の持つ〈竜の気〉を封じろというのだ。それは二人のどちらを後継者に決めるかのテストだ。一方水輝は、偶然に出会った沙羅に不思義な感情を抱いた。その上彼女は、水輝に「ずっと以前からあなたの存在を知っていた。いつかあなたに会えるだろうと思っていた」といった。
芳野が待ち受ける羽田空港到着ロビー。そこに降り立ったのは、かなりやっかいな事態のために、次元交渉委員会から派遣されたアルフレッドだった。一方、桂の危い愛情表現に四苦八苦の笈川椿は、一層ヤバい状況に追い込まれていた。ひどい腹痛-盲腸である。経済的理由から叔父の病院に緊急入院するはめになったのだ。その病院が、かなりやっかいな事態に関連してることなど知らずに…。
水輝を手中にした潮次は、彼の能力を繰り、湖東村の湖を氾濫させようとしていた。潮次の野望を阻止しようとする望は、あらゆる手段をもちいて妨害を図るが、強大な力を持つ潮次に、なすすべもなく叩き伏せられてしまうのだった。一方、竜の導きで意識を取り戻したまゆらは、水輝を救出しようと、哲哉とともに水輝が幽閉されている天竜ヶ渕神社へと向かうが。大人気「竜の血族」完結編。
神尾家の策謀によって眠ったままだった、まゆらの意識の中に、ついに竜が、姿を現した。「我とともに来よ。おまえには行かねばならないところがある-」そう告げられたまゆらは、竜とともに時を逆のぼり、竜の血族の血塗られた運命を目のあたりにするのだった。1方、神尾家に乗り込んだ水輝は、再び香の力で潮次の手に落ちてしまう。水輝を手中にし、潮次の野望が動きだそうとしていた。生きる人形と化したまゆらの意識は、竜の力で異世界をさまよっていた。一方、水輝は大叔父のしかけた罠に…。いま人気上昇のアクション・ファンタジー。
生きる人形と化してしまった姉・まゆらとともに、神尾家で暮らすことになった水輝。だが、村の人たちは村を湖に沈めたという竜の伝説を信じ、竜の血をひく水輝たちを冷たい目で見るのだった。湖に落ちた岬つなみの帽子を取ろうと、水を操る能力を使った水輝だが、それを見た村人たちの恐怖はふくれあがる。水輝たちを追い出そうとつめよった村人たちに対し、水輝の「竜の力」が発現した。
水を自由に操れるという「竜の血」をひく双子の姉弟・まゆらと水輝。平穏に暮らしていた彼らの前に、亡き母の親族と名のる海と望が現れてから、ふたりの運命が変わりはじめた。あらゆる手段を使って、水輝たちの中に眠る力を目覚めさせようとする海たち。竜の血族にうまれるという竜晶珠を持つ者とは?異常に水に弱いまゆらを救うために、水輝に秘められた力が、発現しようとしていた。
女子校に通う綾乃は、バイクとぶつかって気を失い、病院に運ばれた。そのときから綾乃の頭の中にゆうこという知らない少女が住みついてしまった。ゆうこは綾乃の担任の筒井先生を知っているらしく、さかんに綾乃をけしかけ、筒井先生に綾乃の存在をアッピールさせた。ゆうこの気持ちを思いやる綾乃は、筒井先生の家を訪ねたりして、先生の関心を自分に向けさせようと必死になったが…。