著者 : 中村九郎
曲矢さんのエア彼氏曲矢さんのエア彼氏
「さよなら」バッグもバッグの中身も、俺にはもう無用の物。ヒザを壊し、バスケをあきらめた俺が放り投げたバッグはーびしょ漏れの制服女に激突。「わ、私をををを追って二騎ののの騎馬兵ががが…」俺は曲矢と出会ってしまった。普通の人間には見えない、空想がつくりだした“エア彼氏”をもつ電波女に…ってなんでエア彼氏が見えてんだ俺?つーかあのかわいいコ、エアなの?エアすごくね?こうして曲矢を師匠に、俺のエア彼女づくり修行がはじまった。俺の彼女はバスケットボールに顔を描いた“バスケ子先輩”だっ!-。
樹海人魚(2)樹海人魚(2)
「雪下菜々、“バービードール”の異名を持つ歌い手だな?」-色素の薄い髪の毛が、月明かりにきらめいて揺れる。バービーは、Do-orの“管理連”に呼び出されていた。人間を素材に街を造り替えてしまう難敵ヤドカリとフィルの登場により、グズの少年ミツオや記憶を亡くした少女・霙が所属する“楽団桜井”が苦戦をつづける。そんなときに。バービーは歩調を合わせないー「優しくされたくない。独りでいた方がマシだから」。けれど、問うてみせるー「ザネ、あたしはムダなこと話したかな?」。そして、バービーはー。
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