著者 : 中里十
「どうすればうまくいくかなんてわからない。過去も未来も」真名は言った。胸騒ぎがする。なにかが起こりそうな予感。いつのことか、どんなことか、見当もつかなかった。なのに、その匂いや味や色彩は、まるで目の前にあるかのように迫ってくる…。真名は街の商売繁盛の神様ー恵まれさん。私は恵まれさんの執事。真名を愛することに日々を費やしてきた。七月一日ー突然訪れた「恵まれ講」の解散式。それは真名がこの街からいなくなってしまうということでもあった。耽美、抒情、哲学的百合小説、完結編。
父は自称芸術家で、私と“押しかけ女子大生継母”れのあの二人を置き去りにして沖縄へ移住してしまった。何考えてるの。まったく。そこでれのあの提案は「春休みに沖縄まで会いに行こう!」賛成だけど、真名をどうしよう。真名はクラスメイトで、街のショッピングセンターの商売繁盛の神様“恵まれさん”をやっている。私は真名の執事なので、いつも傍にいなければならない。…真名も連れて行ってしまおう、父に見つからないように。私と真名は父には内緒でつきあっているのだー最先端詩的百合小説。
うちの近くのショッピングセンターに商売繁盛の神様“恵まれさん”がいる。いるっていうか同じクラスの子で、さらに私と彼女は女の子同士なのにつきあってるっぽい。彼女の部屋で予想外の展開になってしまって、そのあととても気まずいのだ。そんなところへ、全く空気を読まないというか、むしろ私と彼女の間をこんがらがせようとするとんでもない女が乱入してきた。私に無断で私の継母になった(!)らしいその女がこっちに向かって言うことには、「私のどこが好き?」-ぶっコロス…。
昔はどこの商店街にもいたらしい商売繁盛の神様“恵まれさん”が、私の街のショッピングセンターに、復活。たいていはおばあさんだったのだけれど、今度の“恵まれさん”はなんと中学三年生。しかも、“執事”をともなって私のクラスに転入してきた!お金に一切触れてはいけない決まりだという“恵まれさん”。日々の生活をサポートするのが“執事”だなんて言っている。お金に触れないなんて、そんなのムリ!本当はどうなの?なぜ、そんな野生動物みたいな微笑みなの?気になる…気になる…好きになる。
私の名前は光。独立国・千葉国の国王護衛官、23歳。私がお仕えする国王陛下は21歳の陸子さま。私は陸子さまを愛し、陸子さまも、きっと私を愛してくださっている。しかし、ある日、陸子さまのお側仕えに15歳の美少女緋沙子が登用された時から、何かが壊れはじめた…。美しく、奔放で、いたいけな陸子をめぐり、宮廷で繰り広げられる恋の冒険、愛の闘い。話題沸騰の百合物語『どろぼうの名人』のサイドストーリーが登場。