著者 : 丸山英人
すぐにカッとなり、正体をなくしてしまう。端的に説明するならば、重栖かなたはそんな女の子だ。それだけ聞くと、彼女がとても怒りっぽく、我慢できずに周囲に当たり散らすような性格だと思うかもしれない。だけど実際には…まあ実際に、そんな性格をしている(汗)。そして、すぐにカッとなり、正体をなくしてしまうというのは、比喩でもあり、物理的に文字通りの意味でもあったー。これは、存在感が薄くてクラスに友達のいない僕が、クラス一美人だと注目されている彼女の秘密を知ってしまったことから始まる、ちょっと変わった物語。
学校からの帰り道、公園でトラバサミに捕まっている鶴を見つけた。…え、なぜ公園に野生の鶴が?しかも街中なのにトラバサミ!?あまりに不自然な状況に動揺したが、本当に鶴は困っているらしく、「クーゥゥ…」と悲しそうに鳴いている。やっかいごとの匂いがプンプンしたが、とにかく鶴を助けてやった。するとその日の夜、脚に包帯を巻いた「鶴子」と名乗る美少女が僕の家を訪ねてきて、こう言った。「ここに泊めてくれませんか?」…やっぱりこういう展開なわけ!?少々変わったラブコメ、お楽しみに。
美少女亡霊集団“七人ミサキ”と暮らしていた高校生、伊吹。しかし彼の食事を作る役目をめぐり、騒動が勃発する。「姉であるあたしの仕事よ」とキッパリと主張する初希。「旦那さまのお世話をするのは妻の権利です」とウフフと微笑む郁。家の中が緊張状態になったことを愚痴る伊吹は、友人から「リア充自慢とは、お前も偉くなったもんだな」と突き放されながらも、頭を抱えるのだった…。待望の続編が登場!けれど、やはり可愛い悪霊たちとのハーレム生活は、一筋縄ではいかないッ!
ごく普通の地味な少年・臼谷伊吹が、ある朝、目覚めると、枕元に二人の美少女がいた。寝ぼけ眼の伊吹は「これは夢だ」と考えるが、そうではないようだ。しかも彼女たちと話しているうちに、美少女が七人にまで増えてしまう。え?羨ましい?それは間違いだ。なにしろ彼女たちこそ、名高き悪霊集団「七人ミサキ」なのだから…。自分を殺そうとする可愛く魅力的な悪霊たちと、なんとか助かろうと足掻く少年の、奇妙でコミカルな同棲生活が、ここに開幕っ!傑作『隙間女(幅広)』の著者・丸山英人が贈る、愉快な物語。
高校生活3日目にして、僕、国分隼人は早くも失望していた。心から楽しめない毎日に、心から笑えない毎日に。しかし、天使は現れた!霧島萌先輩。綿菓子のようなフワフワの髪、マシュマロを思わせる白い肌、サクランボみたいな唇…ああ、完璧だ。彼女に出会った瞬間、自分がこの世界に生まれてきた意味を知った。そう、彼女は、彼女こそは…前世での僕の「娘」じゃないかっー!?ちょっと変わった少年少女たちを描いたハートウォーミング・コメディ登場。
隙間女という妖怪を知っているだろうか?部屋に誰もいないのに、どこからか視線を感じる。やがてノイローゼ気味になったときにようやく、家具と壁のわずかな隙間に、こちらを見つめる女を見つけて…。都市伝説や怪談として聞いたことがある人も多いだろう。実は、僕の部屋に現れたのだ。その隙間女がー。第15回電撃小説大賞“電撃文庫MAGAZINE賞”を受賞した幻の表題作をはじめ、都市伝説をもとにした5作品を収録する珠玉の短編集。
「勘違いしないでください。あくまで血のため、貴方の血を守るためです」と言いながら、ちびこい美少女吸血鬼・夜音が陶原のクラスに転校してきて、しばらく経ったある日のこと。園芸部の部室で、みんなが昼食をとっているときに、発育の(とくに胸の)いい清水が突然「夏休みに合宿しないの?」と言い出した。露天風呂や肝試しなど、お約束のイベントが盛りだくさんの、ちぐはぐラブコメ第三弾ですっ。
夜:夜音。高貴で気高い17歳の吸血鬼の少女。年若いながら絶大な力を持つ。血:陶原健悟。平凡だが極度に健康で極上に美味な血を持つ。「復讐」のために夜音をこき使っている…?カンケイ:吸血鬼にとって人間とは、ただの餌でしかないもの。しかしそんな絶対の真理に反して、陶原は「復讐」と称して、“血を飲ませて欲しければ言う事をきけ”と命令を下す。超不本意なこの状況に懊悩しつつ屈する夜音…しかしもちろんタダで言う事をきくはずもなく!!?おかしな主従関係が事件を呼ぶラブコメ。