著者 : 伏見つかさ
やれやれ……俺が長々と語ってきたこの物語にも、そろそろ終わりが見えてきたようだ。まあんなこと言っても、物語ってのはたいがいラスト付近が一番キツいもんで、俺の高校生活最後の数ヶ月は、そりゃもう大変なことになる。まさしくクライマックスってやつだ。そんなの、平穏を愛する俺の人生にはいらねーのにな。けど、まあ、やってみるさ。地に足つけない、嵐のような人生も、なってみりゃあ面白い。手ぇ抜くのはもったいないしーー俺が始めた物語には、俺自身がケリを付けるべきだろう。 ……ここまで付き合ってくれて、ありがとうな。いや、マジでさ。あと少しだから、最後まで見届けてくれると嬉しい。エロゲーから始まった、俺と妹の物語を。
「あの頃のあたし ── お、お兄ちゃんっ子だったの」引っ越し祝いパーティの場で交わされた“約束”を果たすため、田村家を訪れた俺と桐乃。話し合いは、やがてそれぞれの過去話になっていって……「仕方ないことなんかなぁ、この世に一個だってねーんだよ!」 「学校に行ったら負けだと思っている」 「その謎のペットボトルは……まさか……おまえ禁断の行為を……!」「 『凄いお兄ちゃん』 なんて、最初からいなかったんだよ」 「そんなことで、お兄ちゃんを嫌いになるわけないじゃん」「だから。あたしは、あんたのことが嫌いになったんだよ」兄妹冷戦の真相が、ついに明かされる。重要エピソード満載!!
あのバカがしばらく一人暮らしをすることになった。受験勉強に集中するためってのと、あとひとつ、お母さんが最近あたしと京介の仲がよすぎることを変に疑ってるらしい……。あたしと京介がそんな関係に── なんて、あるわけないじゃん! で、まあ、責任の一端は、ちょっとだけあたしに……あるみたいだし、あいつもどうせコンビニのお弁当とかばっか食べそうだし、仕方ないから、あたしが面倒見てあげようかと思ったんだけど……。 ちょっとあんたたち、なに勝手に京介の家で引越し祝いパーティ開こうとしてんの!? 発案者の地味子はいいとして、黒いのに沙織に、あやせに……加奈子まで! ていうか、あんたたち知り合いだったの!? えっ? 地味子と仲直り? そんなのあとあと! あーもー、ひなちゃんは言うこと聞かないし! こんなんじゃ京介が勉強に集中できないじゃん!
「私と付き合ってください」 新たな局面を迎えた恋愛模様。 そして── 「きょうちゃん。──── おこるよ?」 「貴様等、そこに並んで正座しろ!」 「恋人ができたそうですね、お兄さん」 俺の全方位土下座外交が幕を開けた。 幼馴染みに三年ぶりのマジギレ予告をされたり、あやせに火あぶりにされかけたり── 「五更日向です。── こっちは末っ子の珠希」 新たな登場人物も加わって高校生活最後の夏休みは毎日が大騒動だ。 そんなある日、黒猫が 『運命の記述』 と題された予言書を見せてきて……? 予言書に秘められた少女の“願い”とは!? 兄妹の関係にも、一大転機が訪れる、人気シリーズ第8弾!
「お、おまたせっ」 顔を上げると、照れくさそうな微笑みを浮かべている……俺の彼女がそこにいた。俺の愛しい恋人である彼女の名前は、高坂桐乃。 「あんたのこと……“京介”って、呼ぶから」 「だって、その方が……恋人っぽいじゃん?」 めちゃくちゃ仲の悪い兄妹だったはずの俺たちが、こんなただならぬ関係になっちまうなんて…………まるで悪夢だ。 夏休みに入ってからというもの、俺の周りでは恋の話題が尽きやしない。「待て……殺さないでくれ……」 あやせの家にお呼ばれして、楽しい一時を過ごしたり。 「──妹に彼氏ができたかもしれない」 「実姉モノのエロゲーが姉さんに発見されてしまいました」 「責任を取ってもらいますわ、京介さん」 友達から人生相談(?)をされたり。 そして一年ぶりの 『あのイベント』 も── シリーズ最大の山場到来!? 人気作第7弾!!
人間に憧れる猫又姉妹の三女・美緒は、14歳にして、ようやく人間の姿に化けられるようになった。そのまま人間として生きていくかどうかは、まずは人間世界を体験してから決めろー長姉にそう命じられた美緒は、人間を理解するために、七日七晩、人間の姿で過ごすことになる。慣れない二足歩行をはじめとして、人間の言葉、人間のお風呂、人間の友達、人間の恋愛ー何もかもが初体験の美緒は戸惑うばかりで…!?『人間嫌い』の長女・かぐら。『人間の文化に傾倒』する次女・千夜子。『人間が大好き』な四女・鈴。そして『人間になったばかり』の三女・美緒。柄も性格もてんでバラバラな四姉妹が繰り広げる、ネコ耳ホームコメディ。
冷戦関係にあった妹・桐乃からとんでもない秘密をカミングアウトされ、ガラにもなく相談に乗ってやるという──思い出したくもない出来事からしばらく経つが、俺たち兄妹の冷めた関係は変わりゃしなかった。 ところが“人生相談”はまだ続くらしく、「エロゲー速攻クリアしろ」だの「不快にした責任とりなさい」(どうしろと?)だの見下し態度全開で言ってくるからマジで勘弁して欲しい。誰だこんな女を「可愛い」なんて言う奴は? でまあ今回俺に下った指令は「夏の想い出」作り(?)。どうも都内某所で開催される、なんたらとかいう祭りに連れてけってことらしいんだが……。
二年生になったばかりの桐山誠人が、委員長として命じられた仕事は“眠り姫を起こせ”という奇妙なものだった…。すれちがいカップル・宮田怜奈と桐山誠人の出会いを描いた「女子寮の眠り姫」。温泉街にやってきた九条院アリスが、後輩・皇城瞑のアヤシイ視線や、怜奈の男湯を覗こうというアリエナイ発想に乱れまくる、ちょっとエッチな「どきどき温泉パニック!」。銀髪紅眼の美少女・リリス。アリスの恋のライバルであり、反逆者として組織に追われる「十二番目」。謎多き彼女の生い立ちを描いた、もうひとつの殺戮人形エピソード「十二番目のリリス」。ほか一編を収録した、見所満載の短編集。
九条院アリスのクラスにやってきた転校生・リリス。大人びた雰囲気で一躍クラスの人気者になった彼女は、こともあろうかアリスの婚約者・鬼百合三月に急接近!あくまで無関心を装うアリスだが、プールの授業でリリスの圧倒的なボディに誘惑されっぱなしな三月の態度に、“ぺたんこ”な彼女は心穏やかでいられず…。アリスの性能をことごとく上回る恋敵の登場に、アリスと三月の(主従)関係はどうなってしまうのかー?そんななか、月城町には奇妙な二人組ー老紳士然とした口調の青年と、やたらと大食いなメイドが訪れていた。彼らもまた「組織」の人間であったが、二人のやりとりはどこかトボけていて…。