著者 : 吟
量産型鬼虫たちが狙う第三皇女のクローン鴇子の記憶。それは、鬼虫の要を成す金属“星鉄”の存在だった。九曜たちが手にすれば、今は亡き鬼虫シリーズを復活させられるかもしれない。だが、量産型鬼虫たちが手にすれば、彼らの力は鬼虫と並ぶ。待ち受ける先にあるのは、闇か光か ──。二つの側面を併せ持つ金属“星鉄”を巡り、新たな戦いが加速し始める。 その頃尽天の町では、《蜂》と《蜻蛉》の機体、そして九曜の師であり好敵手である竜胆の体が、海から引き上げられようとしていた──。最強の兵器・鬼虫たちが繰り広げる神速アクション、シリーズ第3弾!
自国の今を知るため、帝都・東京にやってきた九曜と叶葉。復興の進む街で、九曜は機械兵を連れた不遜な少女に襲われる。『第三皇女・鴇子』 だと名乗る少女は、九曜に自らを守るように命令する。 誰から何故追われているのか記憶がないと言う鴇子。九曜は訝しむが、叶葉は彼女を放っておけないと言う。叶葉の懇願により、九曜は鴇子の情報を求めて軍の地下施設を訪れる。そこで彼を待ち受けていたのは、全滅したはずの《鬼虫》シリーズのひとりだった ── !? 第18回電撃小説大賞〈大賞〉受賞作、第2弾登場!
昭和一○一年夏。極東の島国《八洲(やしま)》は、二十年前の戦争で壊滅状態にあった。廃墟の町《尽天(じんてん)》では、人々が暴走した戦闘機械の脅威にさらされながら生きていた。 少女・叶葉(かなは)は戦闘兵器から逃れる最中、棺で眠る奇妙な少年と巨大な《蜂》に出会い、自分を助けるよう頼む。それは、少女と少年が“主従関係の契約”を結んだ瞬間だった──。 少年の名は、金翅(きんし)の九曜(くよう)。《蜂》と少年は、《鬼虫(きちゅう)》と呼ばれる、超高性能戦略兵器であった。叶葉は、兵器であるがゆえに人の感情が存在しない九曜を一人の人間として扱い、交流していく。 徐々に心を持ち始める九曜だったが、九曜と同じ鬼虫である《蜻蛉》四天(してん)の竜胆(りんどう)が飛来し ── !?