著者 : 吟
冬の屋上で、震える彼女の手を握ったのはーー 怜太の問題も一段落し、陽花里とのクリスマスデートを満喫した夏希。冬休み明けの教室で彼を待っていたのは進路の話題だった。 一周目と同じ理系に進むべきか、はたまた違う道を行くのかーー 思案に暮れる中、夏希は一周目では理系を選択した唯乃が本気でピアニストを目指すべく今回は文系を選択するつもりだと知る。 その決断に自分が関係していると聞いて内心では動揺する夏希だが、その変化を良いものと捉えて唯乃の夢を応援すると決めた。 しかし、ピアノと向き合う彼女の様子はどこか危うげで……!?
孤立しようとする友を取り戻す夏希の秘策とは!? 追い詰められて自暴自棄になっていた美織を見つけ出し、ようやく日常が戻ってくると思っていたのも束の間。美織の悪しき噂を掻き消すかのごとく、とある動画がSNSにアップされた。さらに時を同じくして知らされた、怜太の暴力事件と停学処分。夏希は真相を確かめるべく怜太に会いに行くが、その過程で竜也や詩から彼が中学時代に荒れていたという衝撃的な話を聞いてーー 「だったら今度こそ、俺はお前と本当の友達になってやる」 灰原夏希の虹色青春計画は、恋も友情も決して諦めない。
これが恋だなんて、気づかなければ良かったのに。 詩や竜也とのわだかまりも少しずつ解けていき、ようやく仲良しグループの日常が戻ってきたことを実感する夏希。バンド活動も再始動し全てが順調に進む中、夏希は校内で美織に関する噂を耳にする。それは美織が怜太と付き合っていながら、夏希にも手を出しているという聞き捨てならないものだった。当事者の美織は学校を休んでおり、心配した夏希は彼女の家を訪ねるが…… 「広まっている噂は、ただの事実だよ」 この恋を自覚してしまった以上、もう、あの頃には戻れない。
ーー恋人同士って、何をするのが正解なんだろう? 芹香たちと文化祭ライブを無事成功させた後、遂に陽花里と恋人関係になった夏希。しかし一周目も含め交際経験ゼロの彼は初めてのお付き合いに右往左往していた。どうすれば陽花里を喜ばせられるか悩む夏希。だが、今まで相談に乗ってくれていた美織を頼ることは出来ず、そのことにも一抹の寂しさを感じてしまう。 そんな中、夏希は球技大会の実行委員を成り行きでやることになるが、同じ実行委員には複雑な面持ちの美織の姿もあって……。 恋は成就してからが本番!? 強くて青春ニューゲーム新章開幕!
寄せ集めバンドによる一度きりの文化祭、開演! 夏休みの一幕を経て陽花里との距離が急速に縮まった夏希。その一方で詩からの積極的なアプローチも続き自分の気持ちに迷う中、夏希は夏休みの旅行で仲良くなった芹香からバンドに誘われる。 心から音楽を愛し「一緒に世界を変えよう」と絡んでくる芹香の熱意に絆され、文化祭ライブへと動き始める夏希。加えて彼女が作ったオリジナル曲の作詞を夏希が担当することになって!? 「この曲を、俺が好きな女の子に捧げます」 文化祭という青春の特等席で歌う夏希の想いが向かう先はーー?
詩からの積極的なアプローチを受け、心が揺れてしまう夏希。そんな中、仲良しグループ内で夏休みの旅行計画が持ち上がる。美織とその友人も加えて計八人での計画が進む一方、普段から門限の厳しい陽花里は旅行に参加出来るか思い悩んでいた。それでもなんとか親の説得を試みる陽花里だが…「-わたし、家出したの。だから、もう門限はないんだ」みんなの人気者である彼女が隠していた素顔と秘めた想いを知るうちに、夏希と陽花里の関係は大きく変化していくー!
タイムリープによる「やり直し」の機会を得た結果、幼馴染みの美織の協力のもと、虹色の青春を目指し奮闘する灰原夏希。次なる目標=恋人を作るべく夏希は片思い相手の陽花里を誘い、美織&怜太と4人でWデートを決行するなど、1周目では出来なかった青春を謳歌!まさに計画は順調かと思いきや…「…あの、さ。七夕まつり、あたしと一緒に行かない?」詩からの一途なアプローチに、陽花里への想いや友達グループの関係性など、夏希の心は恋と友情の間で大きく揺さぶられー!?HJ小説大賞2020年間最優秀賞。
高校デビューに失敗し、灰色の高校時代を経て大学4年となった青年・灰原夏希。社会人目前だった彼はある日突然、7年前ー高校入学直前まで時を遡っていた!!後悔しかなかった高校生活の「やり直し」の機会を得た夏希は、過去の経験を活かして見事クラスカースト最上位な美男美女6人グループの一員となることに成功!しかもそこにはかつて片思いしていた美少女・陽花里の姿もあって…!?無自覚ハイスペック青年が2度目の青春をリアルにやり直す、強くてニューゲーム学園ラブコメ!HJ小説大賞2020前期受賞作。
目覚めた少年は、何者でもなかった。“再葬開始”の合図と共に、いつの間にか持っていた火の粉を纏う刃を振るい、異形の敵を倒すのみ。“境死者No.7”-赤鉄。それが、彼に新たに与えられた名だった。なぜ自分は戦うのかー。No.6である美しき少女・紫遠と共に、訳のわからぬまま死闘に身を投じる赤鉄は、やがてある事実にたどり着く。No.7の称号を持つ“先代”がいたこと、そして自分がその人物に殺され、No.7を“継承”したことを…。第18回電撃小説大賞“大賞”受賞作『エスケヱプ・スピヰド』のコンビで贈る、現代ダークファンタジー開幕!
一九〇九年、元老・山縣有朋より超常の力“旋律”の謎を解くという密命を受け、相棒・元村アリサと共に閉鎖都市・バスティーユに潜入した探偵・碓氷玲人郎。バスティーユを支配する“輝ける七人の為政者”の一人、リリィ・ブーランジェと同盟関係を結び、為政者たちの過半を降した玲人郎だったが、その過程で、かつて姉と慕った女性・外崎燈子の命を奪ってしまう。癒やせぬ傷を負った玲人郎だったが、最後の決戦の時は刻々と近づいていた。バスティーユの背後にちらつく大国・ドイツの影、得体の知れぬ王…そして、共闘者・リリィに絡みつく敵の魔手ー。果たして、探偵の刃は“旋律”と閉鎖都市の謎に届くのか?伊吹契×吟が奏でる絢爛の哀歌劇の、ついに終幕!
女王メルトラと猫の長官ディナンの策略によって引き起こされた争いは、亡命者の運命を飲み込んでいく。偶然にも白三日月の国の要人警護を請け負ったユウファ達。赤燕の国の刺客が彼らを襲い、両国を巡る戦火の火ぶたは突如切って落とされた。積み上がる死体と仲間達の負傷。さらにはイルナが秘血と呼ばれる軍事機密に関わったことで、囚われの身となってしまう。イルナを救うため、戦争を止めるため、メルトラとの因縁に決着をつけるため。満身創痍となりながら手に赤き焔の刃を握り、ユウファは己の宿命と向かい合う。そして赤刀に眠るアルナが目覚める時、二人の切なる想いと共にすべての因果が巡りだすー。
一九〇九年、探偵・碓氷玲人郎は、元老・山縣有朋より超常の力“旋律”の謎を解くという密命を受け、相棒・元村アリサと共に閉鎖都市・バスティーユに潜入した。バスティーユを支配する“輝ける七人の為政者”の一人、リリィ・ブーランジェと同盟関係を結び、激闘の末、為政者の一人・マルコを打倒した玲人郎たちは、いま一人の為政者・エリーを味方に引き入れることに成功した。しかし、リリィはエリーが抱く、玲人郎への恋心を利用することを提案し、更には自らの宿痾を癒すためか、アリサの持つ“寛解の旋律”に尋常でない興味を示し始める…。果たして、彼女の真意は那辺にあるのか?そして、次なる標的を追う過程で、突如として玲人郎の前に姿を現した父の敵・外崎燈子。異郷にて刃を交える姉弟の背後には、あまりにも愚かしい物語があったー。伊吹契×吟が奏でる絢爛の哀歌劇、哀哭の第二幕!
時に、一九〇九年。帝都・東京にて探偵業を営む碓氷玲人郎は、唐突に陸軍省から呼び出しを受ける。市谷に出頭した玲人郎に、元老・山縣有朋が告げたのは、この世界には限られた貴種が有する“旋律”なる超常の力があり、現代、つまり列強がしのぎを削る帝国主義時代は“旋律”の力で駆動しているという驚くべき事実だったー!“旋律”を聴き取る特殊体質を持つ玲人郎に命じられたのは、フランス共和国内に割拠する閉鎖都市・バスティーユに潜入し、八種類もの“旋律”を有するかの国に関する情報を収集すること。拒否権はない。ただし、バスティーユ国内にいるであろう、玲人郎の父を殺した女・外崎燈子はいかようにしてもよい…。探偵は日本刀を帯び、同盟国・イギリスの暢気なエージェント・元村アリサとともに、海路バスティーユを目指すー。いま、歪んだフランス革命史の紡がれた世界に、近代の嵐が吹き荒れる。伊吹契×吟が奏でる絢爛の哀歌劇、ここに開幕!
『前夜』-九曜が鬼虫として目覚める前夜を、柊の目線から描いた物語。『幕間/昭和一〇一年の学校の怪談』-帝都への旅の途中、九曜と叶葉が廃校で体験した一夜の不思議とは?『幕間/迷宮電気街奇譚』-廃墟の電気街・神原迷宮。九曜達の目の前に現れたのは、機械仕掛けのメイドさん?『異説/私立やしま学園』-九曜達がもしも普通の高校生だったら!?まさかの学園編!『後日談/ヱピグラフ』-黒塚部隊との戦いで生き残った鬼虫達と叶葉は、大陸の高原にいた。彼らにはある目的があってー?電撃文庫MAGAZINE掲載の3編に加え、書き下ろし2編を収録した特別編!
雪解けの始まった落地では、鬼虫と甲虫の最後の戦いが始まった。剣菱の前に立ちふさがるのは、戦闘狂の烏帽子。上空では、竜胆が虎杖と兄弟の因縁の戦いを繰り広げていた。叶葉たちも、神鯨の乗組員の説得に当たろうと艦橋へと赴く。そして、九曜と朧の戦いもまたー。譲れない信念を掲げた鬼虫と甲虫、果たして生き残るのはどちらか。人間から、兵器となった“鬼虫”シリーズたちの、戦中から続く長い戦いがついに終わりを告げる。兵器の少年・九曜と人間の少女・叶葉の向かう未来とはー?最強の兵器たちの神速アクション、本編感動の完結!
永遠の冬の街“落地”。二十年前の戦争で、鬼虫・八番式“蜉蝣”無明の柊が自らの生命を賭して核爆発を止めた街だ。蜉蝣の力により、今なお氷漬けのまま、その時を止めている。叶葉たちをさらった黒塚部隊の目的地は、落地であった。氷に眠る柊を目覚めさせ、蜉蝣と共に配下に置くためだ。九曜は黒塚部隊の計画の隙を突き、蜉蝣と柊を奪い取ろうとする。しかし二十年の氷きにわたる眠りの中で、柊は自我を失っていた。九番式の少年と八番式の少女、二十年の時を経た邂逅の行方はー?クライマックスに向け加速する神速アクション第六弾!
最強の兵器“鬼虫”たちは、どのようにして集まり、人間から兵器になったのかー。過去の記憶が交錯する中、黒塚部隊に囚われた竜胆が蘇生する。その頃、“蜂”の修理が進む登坂研究所で、巴は中央の高官から呼び出しを受けていた。これを好機と取った巴は、内通者のあぶり出しにかかる。そしてついに、巴の前に烏帽子が姿を現すのだった。そんな帝都の異常に、九曜は研究所から出動、街で朧に襲われる叶葉たちを見つける。再び朧と戦闘に入る九曜だが、その最中、叶葉と鴇子が黒塚部隊の手に落ちてしまいー?最強の兵器“鬼虫”たちの神速アクション、緊迫のシリーズ第5弾!
黒塚部隊によって、“蜂”と“蜻蛉”、そして竜胆の体が奪われた。九曜たちは仲間を奪還するため、鬼虫四番式“蜈蚣”弩将の井筒を目覚めさせようとする。しかし理論上は正しいはずの蘇生実験は、失敗を繰り返していた。そんなある日、叶葉は帝都“東京”の町中で行き倒れている少女を助ける。“クルス”と名乗る少女は、去り際に「南が明るくなったら逃げろ」と叶葉に告げた。そして彼女の言葉通り、南から敵襲がはじまりー?果たして九曜は自らの半身“蜂”を取り戻すことができるのか。そして謎の少女・クルスの正体とは!?最強の兵器たちが繰り広げる神速アクション第4弾!