著者 : 土屋浩
後宮冥府の料理人(1)後宮冥府の料理人(1)
処刑寸前で救われた林花が連れてこられたのは、後宮鬼門に建つ漆黒の宮殿・臘月宮。そこは死者に、成仏するための“最期の晩餐”を提供する冥府の宮殿だったー。謎めいた力を持つ女主人・墨蘭のもと、林花は宮殿の料理人として働くことに。死者たちが安らかに旅立てるよう心をこめて食事を作る林花だが、ここへやってくる死者の想いは様々で…。なぜか、一筋縄ではいかないお客達の願いを叶えることになった林花は、相棒・猛虎(犬)と共に後宮を駆け巡るー!
とりかえばやの後宮守(1)とりかえばやの後宮守(1)
俘囚の村で育った春菜は、母をなくして孤独に。寂しさを癒したのは、帝暗殺の罪で流刑にされた御子、雨水との交流だった。世話をやく春菜に物語を聞かせてくれる雨水。だが突然、行方を晦ます。同じ頃、顔も知らぬ父から報せが届く。それは瓜二つな弟に成り代わり宮中に出仕せよとの奇想天外な頼みで…。雨水が気がかりな春菜は、性別を偽り宮中へ。目立たぬよう振る舞うも、なぜか後宮一の才媛・冬大夫に気に入られてー彼女こそが、女官に成りすました雨水だった。
こひすてふこひすてふ
神童ともてはやされたのも今は昔、ただのひねくれ女子高生になり果てた御厨紀伊。そんな紀伊が平安時代へタイムスリップ。そこで出会ったのは格好よくてプライド高くてちょっと優しい、そして誰よりも和歌への情熱に溢れる三十六歌仙、壬生忠見だった。二人はときにいがみ合いながらもしだいに距離を縮めていくが、壬生にはある未来が待っていた。時の天皇主催の歌合での勝負に敗れ、悔しさのあまり悶死するというー。はたして二人の関係の行方は、そして壬生の運命は?
PREV1NEXT