著者 : 天城ケイ
ほとんどの陸地が水に沈んでしまった蒼の世界。海上にたたずむ巨大人工島“駅”で暮らしていたイスカは、一人の少女と出会うー。「わたしを“楽園”まで連れていってくれませんか?」まるで人形と見まがう少女、アメリは自らを「魔女」だと名乗った…。かつては高度な文明を築き、人類を繁栄に導いた魔女。だが、魔女は姿を消し、頂点を極めた文明は滅び、その遺産だけが残された。そしてイスカ自身、魔女がこの世界に遺した吸血人形だったのだ。消えたはずの魔女と、魔女が遺した人形。二人は旅立つ。この世界のどこかにあるという魔女が住む“楽園”を目指して。
フランドールの禁じられた歴史の闇を暴くべく、時間旅行によって五千年前の古代世界へと辿り着いたメリダたち。クーファから教わった『歴史を変えてはいけない』という時間旅行者のマナーを胸に、乙女たちは世界の真相に挑んでいくー。五千年前の世界でメリダ一行が目の当たりにしたのは、人類滅亡へのカウントダウンと戦い続ける、古代の人々の姿だった。「ごめんね。わたしはあなたのお願いを聞いてあげられないの」苦しき葛藤と共に、封印された歴史の真実へと迫る公爵家令嬢たち。そしてついに…世界を変えた運命の瞬間が訪れる!遥かなる古の大地を奔走する乙女たちの選ぶべき道とはー。
「…わたしたち、生まれて初めてフランドールを出たのよ」国家への叛逆となる永久機関の奪取に成功し、黒天機兵団とともに夜界へ降り立ったクーファたち。すべてはフランドールに封印された歴史の真実を探る時間旅行を実現するためー。計画が順調に進むかと思われた矢先、夜界を支配する最強種族・ヴァンパイアの刺客が一行を強襲する!散り散りになったメリダたちは、果てなき闇の大地を彷徨うことになり…!?「クーファ先生も今、必死で不安と戦ってる」最愛の教師への想いを胸に、夜界を往く公爵家令嬢たち。波乱に満ちた冒険の中で、少女たちの力と絆が今こそ試される!
マナを持つ令嬢たちの研鑽を見守る、暗殺教師のクーファ。彼の教師生活はレッスン以外の日々も騒がしいようで…。メリダの成長具合を確かめるため、絵のモデルと称して服を脱がせたりー「ここっ、こんなのやっぱりおかしいわ…っ」ロゼッティの体に憑依して、下着姿のエリーゼと修行することになったりー「…ロゼせんせい、わたしで遊んでない?」サラシャとミュールのメイド力を審査したりー「な、なにを書いてるんですかっ!?」「そんな採点は卑怯ですわっ!」マディアとの泥棒探し&公爵家勢ぞろいなパーティの書き下ろし2編も加え、再び秘密の花園の日常をご覧に入れましょう。
白夜騎兵団による暗殺計画から逃れるため、聖ドートリッシュ女学園に転校したメリダ&エリーゼ。そんな彼女たちを元の生活に戻すためクーファが女公爵アルメディアから提示された条件、ミュールが持ち去った禁書“黒の書”の回収目前に迫るがー禁書に封印されていた禁呪により、クーファと公爵令嬢たちは本の中、ボードゲームの世界に閉じ込められてしまう!「お嬢さまがた、常識に囚われることのなきようー」数々の罠とマナの使えない状況で師弟の絆を試される一行。そんなゲーム攻略の中、暗殺教師と無能才女はラ・モール母子の秘密、そしてこの禁書にまつわる恐るべき代償に直面しー!
聖フリーデスウィーデの運営に理事長が着任。様変わりした全寮制の学院生活でメリダはクーファと離れ離れになってしまう。抗うメリダは、徐々にエリーゼと望まない対立状態になり!?そのころクーファはレイボルト財団の社長クローバーを調査していた。公爵家令嬢を利用して貴族階級を揺るがそうと目論む彼を止める唯一の方法、白夜騎兵団からクーファへと下った無慈悲な任務とはー『エリーゼ=アンジェルを、始末せよ』教師としての立場か、白夜騎兵団への忠誠か、あるいはメリダの命か。苦慮の末、クーファが選んだ決断。それは…。無能才女と暗殺教師に、全てを捨て去るときが訪れるー。
「タイムリミットは、花婿と花嫁が永遠の誓いを立てるまで!」王爵セルジュの結婚式を間近に控え、聖王区に夜界からの使者が次々と訪れる中、クーファはヴァンパイアの姿でこの集いに紛れ込む。セルジュ暗殺のために協力を仰いだのは、まさかのワーウルフ族のボス、マッド・ゴールドでー。一方、サラシャ救出のため彼女の軟禁場所である飛空挺に潜入したメリダ。この革命の裏に隠された真実とシクザール家を蝕む呪いを知った彼女は運命に抗うべく奔走する。崩壊寸前のフランドールを前に過酷な運命へ反撃に出た暗殺教師と無能才女。人類存亡をかけ、二人の絆が試されるー!第28回ファンタジア大賞“大賞”受賞作品。
「このまま世界が…先生とわたしのふたりきりになってしまえばいいのに…」その日、フランドールに激震が走った。王爵セルジュが、突如としてランカンスロープとの融和という革命を宣言。都市に公然と姿を現す夜界の住人・ワーウルフ族に、人々は恐れ戦く。しかし希望は残されていた。ひとの姿をした光ーメリダ=アンジェルが革命を止めると記された予言書が見つかったのだ。それゆえワーウルフ族から狙われることになるメリダとクーファ。闇に沈みゆく街を密やかに逃避行する中で、過酷な運命に押しつぶされぬよう、暗殺教師は少女を抱きしめるがー。
マナを持つ令嬢たちが、研鑽を積む学園。花盛りの少女たちには、大人には言えない秘めごとが、たくさんある。交流戦の裏でパジャマパーティを開いては、学校の怪談に脅えてみたりー「責任取って下さいますよね、先生…っ?」王爵の影武者を務めるクーファを女学園に匿まったりー「せんせに慣れないと」「あ、あんまり見ないでくださいっ」オリエンテーリングと称して学園一のカップルを決めようとしたりー「だめですっ!先生はわたしの先生なんだからっ」賑やかな秘密の花園の日常に加え、ロゼッティが胸に秘めた甘くほろ苦い“夢”を描いた書き下ろしエピソードも収録。
「彼女の暗殺係として、そして家庭教師としてーこの決定に異議はあるか?クーファ=ヴァンピール」「ない」メリダ暗殺決定の命が下された。依頼主、即ちメリダの祖父は、聖騎士でない孫娘のこれ以上の活躍を望まない、と。自身の暗殺計画など知る由もないながら、家庭教師の憂い顔が気がかりなメリダは、武具の祭典・鋼鉄宮博覧会でミュールから勝負を挑まれる。しかもそれは「忘れないで。勝った方がクーファさまとー」想い人の口づけを賭けた勝負で…。逃れえぬ死の刃が迫るとき。暗殺教師と、存在価値を否定された少女は、この世界にいかなる矜持を示すのか。
「せんせには、このローションを塗っていただこうかしら」夏休み。クーファは、三大公爵家の当主たちとその令嬢と共に海にいた。少女たちの水着姿がまぶしいプライベートビーチ。だがそのすぐ先は、夜界。そして公爵たちの真の目的地は、夜界からの侵攻を防ぐために設けられた『城』だった。「休養は終いじゃ。フランドールに未曾有の危機が迫っておる」現在、何者かによって占拠されている城の奪還ーそれが身分階級の頂点に立つ者たちが勢揃いで挑む、最難関任務。その裏で、メリダとクーファには『革新派』のことをミュールやセルジュに問いただすという課題もあり…。
「ねえ、クー。ちょっとあたしと結婚してくれないかな?」ロゼッティのクーファへの電撃的な求婚以来、恋人のように振る舞う二人に気が気でないメリダ。折しも、ロゼッティの故郷へと実地研修に赴くことになるのだが、そこは闇に閉ざされた夜界もほど近い、地底都市。メリダたちの来訪とともに、血塗られた秘密が解き放たれたかのように、次々と惨劇が起こる。「ロゼッティがー死んだ」ついに毒牙はロゼッティにまで伸び、犯人の容疑をかけられたクーファは姿を消して…。「お嬢さま。これからあなたの記憶を凍結します」深淵の街で、暗殺教師は少女の眼差しから背を向けるー。
「僕の代わりに死んでもらえないだろうか」事の起こりはセルジュ=シクザール公爵との取引。無能才女に関わる秘密を盾に、彼の影武者として旅行することになったクーファだが…。旅に同行するのは公爵の妹サラシャにその親友ミュール、更にー「…メ、メ、メリダ」「はいっ、ご主人さま!!」メイドに扮したメリダとエリーゼ。奇妙な一行でゆく豪華列車の旅に、事件はつきもの。公爵を狙う暗殺者の襲撃、鉱山での化物退治。そして温泉での恋愛談義ー「わたし、先生のこと何も知らないのかも」「先生が偽名だったとしたら、どう?」竜騎士公爵を巡る乱と揺れる乙女心をのせ、列車は走るー。
「わたしがその試験に合格できなかったら、先生は?いなくなってしまうんですか…?」学院での一年が過ぎ去ろうとする季節。クーファは様々な悪意に晒される教え子・メリダに、進級試験を課す。もし失敗すれば、自らの手を彼女の血に染める覚悟を秘めてー。もう何もできない私じゃない。気負いながらエリーゼと共に試験へ赴くメリダの前に、同じ騎士公爵家の娘ミュールとサラシャが現れ…「三大騎士公爵家の四人娘、初の共同任務よ!」世界を欺く少女に試練と断罪の刃が振り下ろされるとき、暗殺教師と少女は命がけの矜持を示すー!
「わたしが、由緒ある選抜戦の代表…?」年に一度、姉妹校との間で開催される選抜戦。その代表選手にメリダが選ばれた。他校生との交流に、学園内でのお泊まり。そんな楽しいイベントは一転ー試練に変わる。『あなたのギルドへの忠誠が疑われている』無能才女の急激な成長の秘密を暴こうとする、刺客の潜入。予期せぬメリダの代表への選出。教え子を巡る陰謀に、クーファは誓う。「面白い。いったいオレを何者だと?」選抜戦でメリダの才能を見せつけ、刺客から秘密を守り通すと。暗殺教師は矜持をかけて、密やかに暗躍するー。
マナという能力を持つ貴族が、人類を守る責務を負う世界。能力者の養成校に通う貴族でありながら、マナを持たない特異な少女メリダ=アンジェル。彼女の才能を見出すため、家庭教師としてクーファ=ヴァンピールが派遣される。『彼女に才なき場合、暗殺する』という任務を背負いー。能力が全ての社会、報われぬ努力を続けるメリダに、クーファは残酷な決断を下そうとするのだが…。「オレに命を預けてみませんか」暗殺者でもなく教師でもない、暗殺教師の矜持にかけて、少女の価値を世界に示せ!第28回ファンタジア大賞“大賞”受賞作。