著者 : 小田菜摘
京都の大学で日本古代史を専攻する博士研究員の万桜は、友人に騙され、太宰府にある廃館寸前の『天神様博物堂』へと左遷される。そんな万桜の前に、態度がでかくて口の悪い古風な平安装束を着た“少年”-『菅原道真』が現れた!!彼は「学者としてあまりに怠惰なおぬしを咎めにきた」と傷心の万桜を叱り飛ばし、ちゃっかり家にまで上がりこんでくる始末。だが、渋々ながらも付き合ううちに、万桜は忘れていた“学ぶ楽しさ”を思い出し!?がけっぷち歴女とちびっこ怨霊…もとい天神様の奇妙な師弟関係始まる!
男勝りで馬も弓も扱える検非違使判官の娘・梢子は、17歳を過ぎても嫁の貰い手がない嫁き遅れ。ある日、その能力を買われ『姫大夫』と呼ばれる男装の女官に任ぜられた梢子は、父親の顔を立てるためと期間限定で出仕することに。ところが、宮中では不審な尚侍失踪事件が起きていた。しかも男装姿を帝に気に入られた梢子は、後宮に留め置かれてしまい!?
ある事情から実家に居づらくなっていた春霞を救ってくれたのは、女性医官への道だった。見事、最年少の医官となった春霞は、皇帝の妃の一人で原因不明の皮膚疾患に悩んでいる犀徳妃の世話をすることに。女子医官局長官の珠里が直々に診ているというのに、犀徳妃の症状はおさまるどころかひどくなっているらしい。薬の処方は正しいはずなのにどうして…?春霞は原因を探ってみたのだが!?女性医官の恋と使命を描く、後宮ミステリー!
薬剤師の純花は、母親の羽織を持って京都・西陣のアンティークショップを訪れる。ところが、店の店主は金髪碧眼の外国人(しかも重度の着物オタク!)。いぶかしみつつも羽織を見てもらったところ「これ、盗んだものですか?」と訊かれ純花の不信感は大爆発!!店主ーアレックスにその根拠を尋ねると、彼の祖母が同じ柄の着物を着ている写真を見せられる。真相究明のため二人で出所を調べることになるが「日本の女性はもっと着物を着るべきだ!」となぜか純花まで着物を着るハメになり!?着物が織成す謎と恋の物語!
医師の父親亡きあと、医院を守っている珠里。医学の知識はあっても女性は医師免許がとれず、診療することができない。そんな珠里のもとに皇帝の使者が現れ、むりやり後宮に連れていかれてしまう。体調不良の皇太后が男性医師に体を見せることを拒否しているため、女性の珠里に白羽の矢が立ったらしい。皇太后に同情した珠里は病の原因を見つけようと奔走するが…!?中華後宮ミステリー!!
父・関白の強引な政略により、すでに三人の后妃がいる帝・篤迪の元に入内することになった朱子。しかし帝は、藤壷中宮・郁子をことのほか寵愛しており、十三歳と年若い朱子のことは友のように接していた。初めは朱子もそれでいいと思っていたが、篤迪の清廉な人柄に次第に惹かれてしまい…!?「きちんと妻として扱われたい」女の想いが交錯する、宮廷恋絵巻第二弾!
倍の年齢差がある帝に、幼くして入内した真子。帝の第二皇子・迪里とは、同い年なこともあり幼馴染だ。そんな折、帝が急逝。真子はわずか十二歳で寡婦となってしまう。それから数年後。式部卿宮となった迪里に支えてもらい、つましく生計を立てていた真子は、期せずして迪里と顔を合わせることに!!成長した姿に互いに心を奪われるが、その逢瀬が宮中で噂となり…!?
三条女御の策略にハマり、呪詛をかけた犯人に仕立て上げられた塔子。冤罪を晴らす決定的な証拠を手に入れるまで、宮中の混乱に乗じて故郷・熊野に帰ることに。「必ず、戻ってきてください」-明槻との約束を果たすためにも、身の潔白を証明して入内を果たしたい。なりゆきで始まった東宮妃の塔子に、国母として戦い抜く自覚が芽生え…!?平安恋絵巻最終巻!
東宮・明槻の父である上皇の妻・三条女御が懐任ー。ともすれば、妃のいない明槻の立場が危うい状況となり、入内を待つ身だった塔子も複雑な心境だ。そんななか、上皇と女御の娘の袴着に明槻が袴着親として呼ばれ、塔子も参加。しかしその祝席で、塔子は三条女御に異様な敵意を向けられ、得体の知れない不安を覚える。しかも原因は、上皇にあることが分かり…!?
なりゆきで女帝・縋子に献上された七弦琴を披露することになった塔子。そんな彼女の指導を、東宮・明槻の異母弟・二の宮がすることに。塔子にすれば天の助けだが、明槻にとっては面白くない様子。ところが、その琴が何者かによって盗まれた!!事が明るみに出れば、東宮の責が問われてしまう。早く見つかってほしいと願う塔子に、二の宮が思わせぶりな言動をしてきて!?
異母弟・三の宮と激突した明槻が心配な塔子は、後を追って東宮御所へ。 しかし彼を待ってたはずが、気づけば朝で、隣には明槻が寝ていた!! これはまさかーーと盛大な勘違いをする塔子の元に、再び苑子の母・省子から文が届く。 真意がわからなぬまま誘いを受けた塔子に、彼女は 「姫の産む子が若君であれば、引き取っていただけませんか?」と衝撃の提案をしてきて……!?
東宮・明槻と向き合っていくため、宮中に帰ってきた塔子。しかし、明槻の義母・縋子が帝に即位した関係で明槻の異母弟・三の宮が帥職を解かれてしまう!!明槻の妃候補だった苑子が三の宮が奪ったことによる報復人事ではと噂されるなか、塔子は、明槻が本当は三の宮を解任したくなかった思いに気づく。そんなある日、塔子はなぜか苑子の母親に呼び出しを受け…!?
本音をぶつけ合い、ようやく想いを伝えることができた塔子と東宮・明槻。ところが、塔子をかばって叔父の貴哉が大怪我を負ってしまう!!容体が落ち着くまで熊野に残りたいと訴えるけれど、なんと明槻はその申し出を拒否!東宮妃候補という立場上わかっていたことではあるが、塔子は衝撃を隠せない。そんななか、都から突然、塔子の天敵・左近衛大将が訪れ…!?
暁が東宮・明槻親王だったー。その事実を受け入れられないまま、塔子は東宮の義母・縋子の熊野行啓に付き添う羽目に。もちろん明槻も一緒だ。気まずい状態で熊野に到着した途端、塔子は迎えに来てくれた叔父の貴哉に人目もはばからず抱きついてしまう!!おかげで縋子には釘を刺され、明槻とも距離は開くばかり。だが、惑う恋心をよそに、東宮を狙う不穏な動きが…!?平安恋絵巻、第三宴!
間もなく東宮が帰京する。なりゆきで東宮妃候補となった塔子は、故郷に帰るためにも入内を阻止したい。けれど呪詛事件の折に出会った暁少尉がいるならば、都でも頑張れると思い始めていた。そんな中「東宮は帝の本当の御子ではない」という噂が!!暁に真偽を訊こうにも彼の様子もどこかおかしい。さらに塔子は、東宮の義母・縋子から呼び出されて…。ついに東宮と顔合せ!?話題騒然第二宴!
血筋だけなら皇族の塔子は、熊野育ちの元気いっぱいの少女。しかし、会ったこともない父の命で無理やり伊勢の斎王に就任させられ、なりゆきで神に仕える日々を送っていたーのだが、父が呪詛事件を起こしたことが発覚!となれば熊野に帰れる…はずが、事態は急転。政敵であり、男色の噂もある東宮への塔子の入内が決定したのだ!!この婚姻には、裏があるー!?胸騒ぎの平安恋絵巻開宴!
複雑な出生や過去の事件に傷つき、心を凍らせていたマリアンジェラは、異父兄・アルフォンソにより名目上の結婚をくり返させられていた。だが、四人目の夫・レオナルドとの出会いにより、様々な感情や表情を取り戻す。しかし、実父であり、マリアンジェラを溺愛する聖王・クレメンスが、彼女を自分の手元に置こうと画策し始めて…?
十年前の大火で両親を亡くしたアルベルティ家の令嬢・マリアンジェラ。実は母と聖王の不義により生まれた存在で、父から疎まれていたことが心の傷となり、異父兄・アルフォンソに命じられるまま、名目上の結婚をくり返している。だが、四人目の夫・レオナルドは今までの相手とまったく違っていた。人形のような自分から表情を引き出そうとする彼に心を開いていくマリアンジェラは…?
教員採用試験、最後となる実地研修先が割り当てられた。ところが、なぜかナクシュデルだけ、首都から外れた辺境の村に派遣される。明らかな作為だとリュステムは怒りを露わにするが、ナクシュデルはそれを受け止め、ひとり研修へと赴くことに。彼の周囲に認められたいーナクシュデルのひたむきな想いを感じ、リュステムもまた、ある決意を固め…!?どん底から始まった革命ラブ、最終巻!