著者 : 小田菜摘
裕福な地主の娘でありながら職業婦人に憧れ、看護婦になったアデライド。有能だが不器用な性格で友達がいないため、イギリス滞在中のエスニア公国の公子・クリスティアンが極秘入院する特別室の担当をまかされる。安静にしていなければいけないのに、夜会へ出席したがるクリスティアンにアデライドは反発を覚える。しかし、彼が夜会にこだわる本当の理由を知り…。
革命により、最悪の出逢いをした“元”寵姫のナクシュデルと国防軍少尉のリュステムは、ケンカをしつつも互いを認め合う存在に。そんなある日、ナクシュデルはクレボス王太子から歓迎式典に誘われる。楽隊として参加するリュステムの勇姿を見られると喜ぶナクシュデルだが、リュステムはなぜか不満顔。しかもその場で、リュステムの縁談が浮上し…。
オズトゥルク帝国の後宮で、“お気に入り様”になるべく日々肌を磨いていたナクシュデルは、ついに皇帝から初のお召しを受ける。いよいよ寵姫の夢に近づいた!ところがその夜。皇帝を待つナクシュデルの前にいきなり武装した男が駆け込んできた。男曰く「革命だ。皇帝はすでに逃げた」-は?今なんて?しかも「あきらめて俺の家に来い」ってあんた何者!?どん底からはじまる革命ラブ。
軍事力によって拡大し続けるブラーナ帝国。皇帝とは誰よりも優れた軍人、つまり男子でなければならない。したがって皇帝の一人娘であるエウノミアを娶る人物が、次期皇帝になると思われていた。エウノミア自身もそう考えていたのだがー。戦争を終わらせたいという強い思いと、ある青年との出逢いが、彼女と帝国の歴史を変えてゆく。帝国史上の女皇帝となる少女の、運命の恋とは…。
ネプティス王国の新国王、レトムゥールとの結婚が決まったブラーナ皇女のプシュケは、期待に胸をときめかせた。政略結婚とはいえ、以前からレトムゥールに憧れていたからだ。しかし、ネプティスに着いたプシュケに対し、露骨に反発する美少女がいた。はじめは彼女がレトムゥールと結婚するはずだったらしい。もしや、レトムゥールも彼女のことが好きなのではー不安になるプシュケだったが。
事実上、ブラーナ帝国の支配下にあるネプティス王国で、女でありながら近衛兵を務めるナルメル。自分の国が、他国に支配されながら発展を遂げていることに、複雑な感情を抱いている。そんなとき、ブラーナ帝国の皇子アリアスが総督府の長官としてやってきた。彼の責任感のない発言や態度から、はじめは軽蔑していたナルメルだったが、護衛として共に行動するうちに意外な一面を知って…。