著者 : 峰守ひろかず
天涯孤独の身であり怪異が見える千曳泉は、「知人の嫁にぜひ」という突然の手紙に導かれ、上京する。そこで出会ったのは、怪異と戦う美しい青年・比良坂拝音。 彼は帝都を守護する最後の陰陽師であり、泉の結婚相手だった。 新婚生活の中で、無愛想ながらも泉の力を認め寄り添う拝音。特異な目を持つが故の孤独を抱えていた泉はその優しさに触れ、二人の距離は次第に近づいていく。 しかし、この結婚には国の命運をかけたある秘密が隠されていてーー。 神話より結ばれし二人の、不器用な愛と絆の物語。 【登場人物】 ・比良坂拝音(ひらさかはいね) 陸軍で特任顧問を務め、帝都最後の陰陽師として怪異を滅する任を担う。 日本人離れした美貌の持ち主。 ・千曳 泉(ちびきいずみ) 天涯孤独の身であり、怪異を見ることができる”神照目”を持つ少女。 島根から上京してきた。内気な性格だが、芯は強い。 第一章 軍装の陰陽師 第二章 あっという間の祝言 第三章 初めての共同任務 第四章 晩餐会と帰る場所 第五章 充足の日常 第六章 声の重なる時 第七章 二人の百怪祭 第八章 陰陽師とその妻 終章
【少年泉鏡花が、怪異の謎を解き明かす】 時は明治、古都・金沢で過ごす変わり者の美少年・泉鏡太郎。(のちの泉鏡花) おばけ好きな鏡太郎は、人力車夫の義信とともに怪異の噂を調べに行く。 魚の化生ではないかと噂される陸軍少佐夫人、神隠しから帰って来た医者の息子、義信が目撃した河童……など、不思議な噂たちの真相とは……? そして、ある日、火にまつわる奇妙な噂が、金沢を揺るがす大事件へと発展していくーー! 泉鏡花作品を知っている人も知らない人も楽しめる、 大好評の明治怪奇ミステリー、第2弾!
【文豪・泉鏡花の少年時代を綴る、明治怪奇ミステリー!】 時は明治21年ーー。 古都・金沢で働く人力車夫の義信は、英語を学ぶために訪れた私塾で、寄宿生ながら英語を教える風変わりな美少年・泉鏡太郎(のちの泉鏡花)と出会う。 高い受講料に断念しようとする義信に、鏡太郎はあるものを提供することで受講料を免除にすると持ち掛ける。 それは”怪異の噂”を持ってくること。 義信は鏡太郎とともに明治の金沢で起こる不可解な噂の真相を調べに、様々な場所へと出かけることに。 お化けのでる武家屋敷、雨乞い後に必ず死ぬ巫女、金沢城跡に現れる幽霊など……はたして本物の怪異は存在するのかーー? おばけ好きな偏屈美少年と人力車夫の青年による、明治怪奇ミステリー開幕!
時は平安末期。宇治の警護を担う源頼政は、豪傑として知られる源頼光の子孫だが、和歌が好きなお人好しな武士である。ある日、京から貴族の少年・高平太がお忍びでやって来た。高平太は、もののけに憑かれているという。驚く頼政の前に現れたのは陰陽師・安倍泰親であった!再会を果たした二人は、新たな怪異事件に巻き込まれていく。『源氏物語』幻の巻「雲隠」の行方や朱雀大路の化け物行列、山に入るものを殺す神の存在…数々の謎を、安倍晴明の五代目である泰親が、論理的に解き明かす!そして、二人は都を脅かす“天狗”と対峙することにー?
古都・金沢の暗がり坂にある古道具屋・蔵借堂は、妖怪たちの古道具ー古“妖”具を取り扱う不思議なお店。高校生の葛城汀一は人間ながらそこでアルバイトしており、唐傘お化けの時雨とともに日々妖怪がらみの事件に巻き込まれていた。南国から来た双子の妖怪・ニライとカナイに出会ったり、呪具にまつわる相談を受けたり…。そして遂に、蔵借堂のルーツが明らかに!?しかし同時に大きな危機が迫ることにー。ほっこり温かく、ちょっぴり切ない妖怪の日常系事件簿、感動のクライマックス!
時は平安末期、酒呑童子を倒した豪傑として知られる源頼光の子孫・源頼政は、和歌が好きな心優しき武士。ある日、関白より都はずれにある宇治の警護を命じられる。宇治では人魚の肉を食べて不老不死になったという女が、人々に説法してお布施を巻き上げていた。なんとかせよと頼まれ途方にくれる頼政は、かの安倍晴明の子孫・安倍泰親と出会う。頭脳明晰な陰陽師の泰親は、怪異の謎を見事に解き明かしていくー。平安バディ・ミステリー、開幕!
妖怪たちの古道具ー古“妖”具を取り扱う不思議なお店「蔵借堂」は、店主を始め、店員も皆妖怪!金沢に転校してきた葛城汀一は、普通の人間ながらそこでアルバイトしており、クラスメイトで唐傘の妖怪・時雨とともに日々妖怪がらみの事件に巻き込まれていた。ある日、さすらいの妖具職人・魎子が店にやってきて、時雨を弟子に誘う。凸凹コンビに別れが訪れることに…!?ほっこり温かく、ちょっぴり切ない妖怪の日常系事件簿。
いまだ夜の闇に人ならざるものが跋扈する平安の世ー。妖怪を感知する“見鬼”の力をもつ山の民の娘トキは、凶暴な猿神に襲われ、勇敢な若武者に救い出される。彼の名は渡辺綱。陰陽師、安倍晴明の命を受け、妖を斬る伝説の妖怪ハンターだった。トキの力を知った綱は、彼女を仲間に引き入れる。架空の武将・坂田金時の名を与えられたトキは、少年武者の碓井貞光、雅な貴族の卜部季武らとともに“頼光四天王”として、平安京を脅かす妖怪と戦うことに!
北鎌倉にあるアンティーク博物館。その主任学芸員である西紋寺唱真は、実践的呪術を研究する、呪いの専門家だ。実習を終えた大学生の宇河琴美と西紋寺のもとに持ち込まれた奇妙な出来事。呪いの絵馬に名前を書かれた人物が祟りに見舞われたというのだ。調査のすえ二人はある「呪術」に辿り着く。膨大な知識に裏打ちされたそれは、かつて西紋寺が発案し、その危険性から自ら封印したものと酷似していた。さらに呪いの方法を斡旋する謎の「コンサルタント」の存在が浮上しー。
民話や伝承を好む大学生・綿良瀬伊緒は、二十歳の誕生日を境に見知らぬ異郷“うぐいす浄土”へと誘われる。どこか懐かしい、山奥の寒村を思わせるその里で、色白な青年・七郎と出会う伊緒。彼曰く、ここは人ではないものが住まう隠れ里で、元いた場所に帰る方法はわからないー。たまらず飛び出す伊緒だったが、危険な妖怪に襲われ、助けるために力を使った七郎が傷ついてしまう。彼もまた人ではない、里を護る白蛇の化身だったのだ。救われた恩を返すため、伊緒の昔話のような異郷生活が始まる。異郷に誘われた女子学生と白蛇の化身の青年による懐古と恩返しの物語。書き下ろし。
妖怪たちの古道具ー古“妖”具を取り扱う不思議なお店「蔵借堂」は、店主を始め、店員も皆妖怪!金沢に引っ越してきた男子高校生の葛城汀一は、普通の人間ながらそこでアルバイトをしている。クラスメイトで、実は唐傘の妖怪である時雨や汀一がひそかに思いを寄せる亜香里たちとともに驚きの毎日を過ごしていた。しかしある日、妖怪祓いをしている少年・小春木祐が現れて、くらがり堂にピンチが訪れる…!?金沢の文豪・泉鏡花にまつわる怪異も登場!
北鎌倉に建つアンティーク博物館に、その人はいる。眉目秀麗、博覧強記、慇懃無礼。博物館界のプリンスと呼ばれる名物学芸員・西紋寺唱真の実態はー呪いの専門家。とりわけ「実践的呪術」を追求し蒐集する、変人だ。運の悪い大学生・宇河琴美は、西紋寺のもとで実習を受けることに。だが、実習内容は呪いにまつわるものばかり。しかも怪しい事件が次々と持ち込まれー。憧れの学芸員資格取得のため、西紋寺の実習生兼助手(?)として呪術の謎と怪事件に挑む!
アルバイト先は妖怪が営む古道具屋。扱う品は、不思議なものばかりーー。 金沢に転校してきた男子高校生・葛城汀一は、街を散策している際に店先にあった壺を壊してしまい、古道具屋でアルバイトすることになる。しかしそこは普通の古道具屋ではない、妖怪たちの道具“妖具”を扱うお店だった!店の主人をはじめ、そこで働くクラスメイトの美男子・時雨も妖怪で、人間たちにまじって生活をしているという。汀一はアルバイトをする中で、さまざまな妖怪や妖具に出会う。 最初は汀一をよく思わなかった時雨だが、二人の友情も次第に深まっていく。しかし、ある事件をきっかけに時雨は自分のアイデンティティに悩むようになり......。 『絶対城先輩の妖怪学講座』の著者による、金沢あやかしバディ・ストーリー!
『真怪秘録』をまとめる中で、妖怪学の限界を感じたという絶対城。熱意を失った彼は、文学部の非常勤講師として妖怪学を教えてくれないか、という織口からの誘いも断ってしまう。そんな中、礼音が何者かに狙われていることが発覚。大切な人を守るため、事件の調査に乗り出す絶対城だったが、一方で、その一件の解決をもって妖怪学徒を廃業するとも宣言しー。猫また、猫ばば、五徳猫。事件の鍵を握るのは『猫』!?絶対城阿頼耶、最後の事件!
新倉隆治は、結成したばかりのアイドルグループ「STAiRs」の一員だ。メンバーは硬派なダンサーの雷汰、しっかり者で子役上がりの千博、おっとり神秘的なつぐみと合わせて4人。隆治としては、今度のPV撮影をきっかけに、少しずつ皆と親睦を深めたい…。ところがその撮影現場でホラーな現象が続発!実は霊感のある隆治は、ここがヤバイ場所だと気づいていた。悔しくも解散と思われた矢先、他のメンバーたちも見えていることを告白し始めてー!?怪談事件にまみれた4人の、駆け上がりアイドル物語がはじまる!
鷹橋川で発見されたミイラ化した遺体の上半身と、それに合致する巨大な魚の下半身。怪事件に悩まされていた新米刑事の御堂陸は、手がかりを求め、美貌の科学者・神代宇路子の許へ押しかけることに。私生活はちょっぴりだらしないが、妖怪、特に人魚について語り出すと止まらない彼女は、陸が追う事件についても何か知っている様子でー。生真面目な刑事と妖艶な解析官が人魚の秘密を解き明かす!…ただし、人魚は嘘をつくことがあるのでご注意を。
旧図書室を護るため、生徒会長の旭山扉から課されたビブリアファイトを戦い抜いた響平とこぐち。なんとか部室の廃止は免れ、二人も新学年へと進級した。新部員の戸成早紀も加わり、ますますビブリアファイトへの熱も高まるかと思いきや、ちょっとだけ増えた旧図書室の利用者の相手をしたり、響平はこぐちに想いを伝えられずモヤモヤしたりと相変わらずの日々。しかし、思いがけず市立図書館で小学生に本の紹介をすることになった一行は、そこで出会った聖桜女学園のお嬢様、天塚のどかとビブリアファイト三番勝負をすることになりー。実在の名作も多数登場する、本好き少女と恋する少年を描く、青春の1ページ。
『白澤』の脅威は、ついに杵松にまで及ぶ。親友を救うため手掛かりを探す絶対城と礼音は、郊外にある国立文書館へとたどり着く。そこで白澤の正体と目的を知った二人だが、白澤の追手から逃れるため身を隠すことに。しかし、その先にも魔の手が迫るー。白澤に対抗する手段を探し、師匠のクラウス教授や、同じ妖怪学徒の櫻城晃の協力も得る。しかし白澤は絶対城を取り込むべく、妖怪知識の全てを得られると誘惑し…。最愛の先輩を救うため、一人残された礼音はー。
文芸編集者の滝川詠見は、作家にして妖怪の六道〓馬(そうま)を担当中。新刊発売に文学賞受賞と、場数を踏んだ二人には、新作の立ち上げもお手のものーということもなく、相変わらず原稿は遅れていた。そんな折、六道先生の書いた昭和回顧エッセイが評判に。それなら先生の半生を描いた自伝小説も面白いのでは、と新作企画が立ち上がる。さっそく縁の地へ取材に向かう詠見たちだったが、やがて六道先生の記憶にない“六道〓馬”の足跡が見つかって…?編集女子と妖怪作家の、怪奇×お仕事物語、集大成!?