著者 : 慧子
「俺は名探偵ではない。哲学の学徒だ」 新人の警察官僚が命じられたのは、捜査顧問の肩書きを持ち、本を愛する変人哲学者のサポート! あの本もこの本も読みたくなる哲学ミステリ! 【登場人物】 鷺島叡太郎(さぎしま えいたろう) 新人の警察官僚。捜査顧問のサポート役を任命され、悪戦苦闘する。本が好きで大学時代に書店でのバイト経験もあるが、哲学にはさほど詳しくない。 備前京輔(びぜん きょうすけ) 西多摩の廃校に住まい、体育館を本で埋め尽くして暮らす哲学者。捜査顧問として警察に協力するが、全ては哲学のため。 【第一章 柊木玲】 人間の欲望は、その意味を、他者の欲望のうちに見出す。 ジャック・ラカン『エクリ』 【第二章 落合詩朗】 真理を探究するには、生涯に一度はすべてのことについて、できるかぎり疑うべきである。 ルネ・デカルト『哲学原理』 【第三章 秋山瑠理】 悲劇は音楽の精髄から誕生したのだ。 フリードリヒ・ニーチェ『悲劇の誕生』 【第四章 東京都民】 「よろしい、アテナイ人諸君。では私はこれから弁明を行なわねばならぬ、そうして諸君が旧くから私に対して抱いているところの疑惑を諸君から除き去ることを試みなければならぬーーしかもきわめて短時間に!」 プラトン『ソクラテスの弁明』 【終章 哲学入門】 哲学に入る門は到る処にある。 三木清『哲学入門』
顔よし、体よし、性格よし。そのうえ読書家。なんだか現実味のないイケメン、熊本くん。仲の良い大学生・みのりは、同級生から彼の噂を聞く。どうやら熊本くんが、ゲイ向けアダルトビデオに出ているというのだ。熊本くんの部屋で二人、彼が作った甘口のカレーを食べながら、みのりは同級生の言葉を思い出す。帰りの駅のベンチで、少し後ろめたさを感じながらも「熊本祥介」と、スマホで検索を続けるがー。ゲイの熊本くんの、汚くて繊細な青春物語。第4回カクヨムコン大賞受賞の問題作が待望の文庫化。
将来に悩む、服好きのアパレル店員・十野紡希(元ギャル)は、超売れっ子の“パーソナルスタイリスト”有馬祐介が経営するサロン“ラルゴ”への転職を決意する。個人を相手に真摯なスタイリングを行う祐介の仕事に魅力を感じた紡希だったが、期待に胸を膨らませ出社すると、超無愛想な祐介にいきなり「クビ宣告」を受ける。しかも、それぞれ違う悩みを抱えたお客様方が待っていて…!?「なりたい自分の姿に変身して、無敵になって欲しいんです」新米パーソナルスタイリストの、人生を明るくするお仕事物語スタート!