著者 : 成田良悟
全ての事の発端は1707年。劇作家でもあるジャンピエールが、友人のマイザーを通してフェルメートという錬金術師に出会ってしまったことがきっかけだった。『不老不死』という言葉に釣られ、マイザーはベグやチェスと知り合い錬金術に魅入られていき、ジャンピエールは自分のファンというフェルメートに魅入られていった。そして二年後の1709年。未だ錬金術を学ぶヒューイは、過去に囚われつつも徐々にモニカとエルマーに心を開き始めていた。だが、この街の異物を探ろうとする使節団の来訪とジャンピエールの書いた新しい劇によって、ヒューイたちにも暗い過去の影が忍び込んでいくー。馬鹿騒ぎの始まりに迫る異色作第2弾。
彼の名前は針山真吉。眼鏡をかけて僧めない顔で、他に特徴はー特になし。涙もろいことを必至に隠そうとする姉と疑うことを知らないやんちゃな弟を持つ、ごくごく一般的な四人家族の世帯主だ。そんないたって普通な針山さんが住む所沢市では、毎度毎度様々な出来事が起きている。竹から生まれたかぐや姫がなぜか忍パンダとショーを繰り広げたり、巨大ロボに乗るという昔からの夢を叶えるために工場長まで上りつめたり、気づけば黒服&サングラスという都市伝説みたいな格好で記憶を失っていたりー。世界の中心は、今日も忙しいのだ。人気イラストレーターコンビで贈る短編連作、第三弾登場。
血塗れの鉄パイプを持った少女が、眠たげな瞳を揺らめかせーただ、語る。「島、今日も銃声が響いてる。いつもどおり。人、死ぬ。いつもどおり。犬と犬、戌井と狗木さん、殺し合う。いつもどおり。東区画のボス、変態。いつもどおり。昼寝仲間の殺人鬼、東区画の猫と刀使い、麗鳳兄さん、探偵の可愛くない弟、みんな、恋に不器用。いつもどおり。島、酷く混乱してる。…いつもどおり。結局、いつもどおり。島、今日もいつもどおり。ただそれだけ。だから私、いつもどおり、可愛い子、たくさん抱きしめる。ギュウ。暖かい。ぽかぽか。…眠い。寝るぅ。むにゅ…Zzz…」渾身の越佐大橋シリーズ短編集、登場。
3年ぶりだね、日本の紳士淑女諸君!お待たせしてしまったねえ。ふむ、諸君との友愛関係を祈り、今宵は吸血鬼と人間の関わりについて話すとしよう。ドイツ南部にて発生した、村人達の集団失踪事件。我々の『組織』はその事件について会議を開く事になったのだがー時を同じくして、ミヒャエル君がある決意を胸にグローワース島を飛び出したようだ。当然ながら、そんな彼を追って我が娘のフェレットも島を飛び出し…そのまま若い男女の甘酸っぱい追走劇になれば良かったのだがね。人間と吸血鬼の男女。この組み合わせが生むのは果たして悲劇かロマンス…過去と現在の物語の中で、君達がそれぞれの思いを抱いてくれれば幸いだ。
「数年前から目撃されている黒バイクというのは、貴方の事で宜しいんでしょうか? 何の目的でこんな危険なバイクで街を走行しているんですか? 犯罪を犯しているという意識はあるんですか?」 東京・池袋。そこには様々な火種とそれに振り回される人種が集う。池袋の都市伝説を放送するテレビ局、服装と特性がバラバラの奇妙な双子の新入生、兄とは正反対の有名アイドル、ダラーズの先輩に憧れる少年、果ては殺し屋に殺人鬼、そして一千万の賞金が懸かった“首なしライダー”。 そんな彼らが過ごす賑やかな池袋の休日は、今日も平和なのだろうか──。
私の名前はコピーキャット。私は単なる模倣犯。模倣すべきは悪意と偶然。一つの世界を再現しましょう。あの時の豪華列車を再現しましょう。閉じられた世界を再現しましょうー。双子の豪華客船は未曾有の危機に瀕していた。シージャックされていくチェスの乗る『エントランス』。だが、そこに衝突しようと迫るもう一方の『イグジット』は、狂信者や『仮面職人』などの不死者を狙う輩により壊滅的状況に陥っていた。その船上に存在したモノとはー!?惨劇のフィーロの新婚旅行の行方はー!?そして、物語は核心へと近づいていくー。
私の名前はコピーキャット。私は単なる模倣犯。私はしがない犯罪者。さあ、繰り返そう、繰り返そう。あの事件を繰り返そう。あの時の事件を真似しましょう。観たかったものを観る為にー。フィーロとエニスの『新婚旅行』に同行し、チェスは日本に向かう豪華客船に乗り込んだ。太平洋上のど真ん中で同型の双子の船とすれ違うイベントもある超豪華客船。その船に乗り合わせたのは、ハリウッドスターやスタントマンの少年、密航者の子供達に加え、船を占拠し始める謎の集団と彼らを追う『猟犬』など。だがチェスを追いつめるのは、どこか感じる『違和感』だった。その正体はー。
1705年、イタリア地方都市。15歳の誕生日を迎えたヒューイ・ラフォレットは人生に退屈し、同時に絶望もしていた。全てに無関心で世界の破壊のみを考える少年が住むこの街では、奇妙な連続殺人事件が起こっていた。噂されるのは白い仮面を纏った『仮面職人』という怪人の存在。目撃者は次の被害者になるという。街が不穏な空気に包まれていく中、ヒューイの身辺に新たな異分子が入り込む。錬金術を教える学舎の同窓であり、ヒューイに恋心を抱くモニカ。『仮面職人』を目撃して殺されることを諦観しているニキ。そして、全ての人の幸せばかりを願うエルマー。彼らと連続殺人事件が絡み合う時、ヒューイの「世界」は変わるのかー。中世を舞台にした幻想的な馬鹿騒ぎー!?シリーズ異色作。
アルカトラズを出所し、シカゴでミリアと落ち合うことになったアイザック。爆破事件を聞きつけてミリアと共にシカゴに戻ることになったジャグジー一行。ヒューイを殺すために刑務所の奥で暴れ始めたラッドと思惑を秘めたフィーロ。少しずつ狂い始めているレイルと、それを止めることが出来ない吸血鬼の面々。他人の迷惑を省みず、ひたすらに喧嘩を楽しむグラハムとクリストファー。そして、高みの見物をする権力者たち。三百箇所同時爆破と二百人の失踪事件。殺し屋と不死者を巡る騒動。混乱をきたす舞台に、全ての役者がそろった時、それぞれの配役が動き始める。そして、彼らの運命を弄ぶ者とはー。
埼玉県所沢市に住むその男の名前は針山真吉。眼鏡をかけて憎めない顔をしている一般人。父・母・姉・弟の四人家族の世帯主。他に特徴はー特になし。そんないたって普通な針山さんの周囲では、毎度毎度様々な出来事が起きている。狂気の事件に遭遇するタクシーの都市伝説、ヒーローよりも強い無敵な下級戦闘員の悲哀、殺し屋と死霊術士と呪術士のゾンビ戦争、そして、様々な人々が絡み合う惨劇の結末ー。果たして、彼が事件を惹きつけるのか、それとも彼が世界の中心なのか!?人気イラストレーターコンビで贈る短編連作、第二弾登場。
副社長と新人カメラマンは情報を得るためシカゴの街へ。奇妙な集団はヒューイの命令で大事に備えて密かにシカゴの街へ。破壊魔はルッソ・ファミリーに誘われ、ラッドの代わりにシカゴの街へ。研究者は会社があるのでシカゴの街へ。吸血鬼は友達の為にシカゴの街へ。曲者達が刑務所にいる間、一方のシカゴでは全土を揺るがす大事件が巻き起ころうとしていた。三百箇所に仕掛けられた爆発物。同時に併発した二百人以上の失踪事件。すべてが繋がり始める時、娑婆の空気を塗り替える者とはー。
若手幹部は『ミストウォール爆破事件』の参考人である恋人をかばって刑務所に。殺人鬼はヒューイという『不死者』を殺す快感を求めて刑務所に。泥棒は普通に逮捕され刑務所に。名前を譲った殺し屋はネブラの部長に依頼され刑務所に。錬金術師は最初から刑務所に。サンフランシスコ湾の沖合いに浮かぶアルカトラズ刑務所に、一筋縄ではいかない男達がそれぞれの目的を抱えて集う。一方、NYに残された者やFBIも何かを求めて動きだす。まるで全ての事象が一つに繋がっているかのように…。そして、最悪の事件の幕が開けるー。
「あんたは人を殺せるか? 新宿で情報屋なんかやって、何人もの人間を好きなように弄んで。折原臨也、あんたは、人を殺せるのか? 自分の手で、直接な。ナイフで死なない程度に刺して、お茶を濁し続けやがって。まあ、何を言っても……結局をお前は誰か他人を使うんだろう? 笑える程に、卑怯な奴だなお前は」 東京・池袋。そこには寂しがり屋な過去が集う。現実から逃避し続けるボス、責任を感じている女子高生、友人の想いに気づけない少年、乗っ取りを図る男、未だ情報で人を操る青年、そして漆黒のバイクを駆る“首なしライダー”。 そんな彼らが過去を乗り越え、三つ巴の哀しい現実に立ち向かう──。
さてはて、厄介な事になったものだヨ。島を襲う連続爆破事件に、島を仕切る組織の重役達が次々と殺されるこの状況デ、島に戻ってきた二匹の犬に、再び不気味な動きを見せる小鼠達と、翻弄されるうちの猫。東と西の関係も爆発寸前というこの状況、一体どうなんだろうネ?島は終わりに向かっているのか、それともー。…何、別に大したことじゃあないサ。例えこの島が燃え尽きようが粉みじんに砕けようが、住人が全て死のうが、大した事じゃあなイ。それが、この島というものだろウ?殺人鬼と少女がお互いの顔すら見ずに踊っていルー今は島の行く末よりも、このダンスの結末を楽しむとしよウ。そうだろ?諸君。
『ヤア、諸君。コノイカレタ島ニマタ眼ヲ向ケテクレタ事、感謝スルヨ。今日ノ話ハ実ニ単純ナ話サ。男ト女。ボーイミーツガール!物語ノ基本ダロウ?殺人鬼デアル少年ト出会ッタノハ、自称名探偵ノ不思議ナ少女。ソンナ2人ノ滑稽ナダンス。ソレガ今回ノ物語サ。単純ダロウ?…彼ラハ一体、誰ノ掌ノ上デ踊ルンダロウネエ?西ノ魔女カ?東ノ暇人カ?島ニ帰ッテキテシマッタ、2匹ノ犬カ?自警団ノ番犬カ?護衛部隊ノ雌猫カ?ソレトモ、コノ「バネ足ジョップリン」カ…アルイハ、君ノ掌ノ上カモ知レナイネエ。コノ島ニ来タ者ハー誰ニデモ、他者ヲ踊ラセル権利ガアルノダカラネエ…』。
埼玉県所沢市を舞台に巻き起こる様々な出来事。斧男が巻き起こすベッドの下の都市伝説、いきなり天井を破って舞い降りた魔法少女、自らを勇者と名乗る住人たちが忽然と消えた孤島、そして、様々な人々が絡み合う悲劇の結末ー。それら全ての事件には必ず一人の人物が絡んでいた。その人の名は針山真吉。憎めない顔をしていて、眼鏡以外にほとんど特徴のない普通の人。四人家族の主。そんな彼が何故に毎回事件に巻き込まれるのか?果たして針山さんとは何者なのか?そして、世界の中心には何があるのかー!?人気イラストレーターコンビで贈る短編連作、電撃文庫で登場。
2ケ月ぶりだね、日本の紳士淑女諸君!今日は少々血生臭い話をするとしよう。復讐ーそう、復讐の話だ。活劇から悲劇に至るまで、様々な物語に取り入れられる王道とも言うべき要素だよ。復讐は常に新たな復讐の芽を生む。様々な物語でよくそう言われるものだが…仮に、相手の親類縁者全て、さらにはそのまた縁者をも復讐の対象とし、全てを滅ぼし尽くす覚悟だとしたら?おそらく復讐の連鎖は止まるだろうが、その者に安らぎが訪れる事は無いだろう。そんな覚悟をしてしまった者は、この世界とー己自身にこそ復讐をしたいのだろうからね。そして、吸血鬼たちの時間が始まるー。
祭に現れた『食鬼人』の目的とはー。「久方ぶりだね!親愛なる日本の紳士淑女諸君!相も変わらず読書に精を出しているかね?真にその書が好きならば、回読よりも購読をお勧めする!」「失敬。生臭い話はやめ、今回は諸君に島の祭りを紹介するとしよう!」「我が島が誇る芸術家、カルナルド・シュトラスブルクを讃えるカーニバルだ!恋人達の誓いから家族の団欒、過去の精算に未来への希望などー様々な想いと共に、様々な客人が島を訪れる!喜ぶべき来訪者から、望まれざる者までね。だから諸君も、この祭りを十二分に楽しんでくれたまえ!」「遙か西の水面に日が沈むまでは、君達人間の時間なのだから…」。
「私は、人が好きよ。誰が好きかって? 違う、違うわ! 私は人間がみんなみんなみんな好きなのよ! どこが好きかって? 野暮なこと聞かないで! 全部よ、全部! なにもかも、なにもかもが好きなのよ。だけど、あなたを愛する事はできないわ。だけど、あなたは私を愛して」 東京・池袋。そこには人を愛することが不器用な人間が集う。自分の立ち位置を悩む女子高生、池袋を取材する三流雑誌記者、セクハラ疑惑の教師、黄色いバンダナを巻いた黄巾賊、池袋最強のチンピラ、様々な裏情報を操る青年、そして漆黒のバイクを駆る“首なしライダー”。 そんな彼らが連続通り魔事件に巻き込まれ、池袋が壊れ始めていく──。