著者 : 扇風気周
★★電子特別版も配信中★★ 元カノの高神柚香ーーユズの襲来による一連の騒動は、桐原との密会を減らす決断をしたりと爪痕を残してひとまずの終わりを見た……ものの、だが落ち着いたかと思ったところになぜかユズが桐原の家に居候することとなって、まだまだ心配事は絶えないらしい。 そんなある日、学校中で持ち切りとなっている噂を耳にする。 『先生と付き合っている生徒がいるらしい』 噂を気に留めながらも迎えた修学旅行では、先生と生徒として適切な距離を保ちつつも、今しかできない二人だけの思い出を重ねていく。だが初日の夜に桐原がトラブルに巻き込まれて……。 バレたら終わる、秘密で間違いばかりな俺たちの関係の行く先はーー。
暮井先生との一件を経て、俺と桐原は一時的に離れはしたが元の“秘密の悪い関係”に戻った。ただ戻っただけじゃなく、互いへの想いをより深める形で。そんなとき、恩人で元カノの高神柚香ーーユズが現れ、家に置いてほしいと頼み込んできて……。 葛藤の末、恩を返すために条件付きで居候を認めるも、ユズはよりを戻そうとあの手この手で誘ってくる。迷いの中で桐原にも相談できず、我慢だけが積み重なっていきーー。 大切だからこそ、悩んで、抱えて、見えなくなる。それでもやっぱり大事にしたくて……。目を覚まし、桐原に解決策として相談したのは、俺と桐原の“同棲”だったーー。
「学校で自分が受け持つ生徒と密会。……興奮する?」 桐原との誰にも言えない特別な関係は、俺が教師として森瓦高校に赴任したことがきっかけにはじまった。学校では真面目で先生からの信頼も厚い生徒会長だが、二人きりのときはいたずらっぽく、甘えたがりで嫉妬深い。週末は彼女の家で食事を作り、一緒にゲームをして、まるで恋人のように甘やかす。弱みを握られていることで拒絶もできず、良くないとは思いながらも毎日少しずつ秘密を重ねていって……。 「先生のことを好きって気持ち、すごく大きくなっているんだ」 素直に気持ちをぶつけてくる桐原に、抑えていた想いも大きくなっていく。バレたら終わりなのに、その意識が逆に拍車をかけていきーー。
親のいいなりに医師を目指していた高校生の秀星は、長く続く人生に嫌気がさしていた。そんな彼のもとに、一通のメールが届く。「この夏を最後に、病気で死んでしまう女です。私と暮らしてくれませんか?」メールの送り主・笹音が患う“白砂病”は、徐々に身体が石化し、命を落とす不治の病。そしてそれは、傍にいる大切な人の命をも蝕んでいく。好きになって距離が狭まるほどに死が近付く二人の恋。その恋の果てに、思いがけない未来が待っていたー。
猫たちを統べる猫神様に見守られ、賑わう日立門商店街に一人の神様がやってきた。「はじめまして、商店街の皆さん。わたしは新米の神様です!先輩の猫神様と一緒に皆さんの失くしたものを探すお手伝いをさせてください」商店街の人たちが抱える問題を、失くしもの探しを通じて解決します。時には自分でも気付いていない悩みを解消したり、淡い絶望を希望に変えることもー。これは小さな女の子の姿をした、なりたての神様の「答え探し」の物語。
木島高校には「普通じゃないモノが見える少女が生徒の相談にのってくれる」という有名な噂がある。夕日が落ちていく放課後、誰もいない教室にたたずんでいる神崎早苗は、この教室に相談者が訪れる“未来”が視えていた。「だってあなたは世界に絶望してるもの」早苗が言葉を投げかけた先には一人の生徒が呆然と立ち尽くしている。「お前は絶望しないのか…?」“生命”が視えることで、『死』の影に脅え生きることに絶望してしまった三島洋平は、焦燥と羨望を織り交ぜた表情を浮かべ、早苗に問いかけるのだった。こうして“未来”が視える早苗と“生命”が視える洋平は出会いそしてーこれは二人が奏でる救済のコンチェルト。