著者 : 折口良乃
此処は彷徨う『死書』を封じる死想図書館。私は司書の、リヴル・ブランシェと申します。お帰りなさいませ、黒間イツキ様。そろそろ『筆記官』としてのおつとめにも慣れてきた頃かと存じます。-イツキ様。本日はご報告がございます。この図書館を司るエレシュキガル様の容態が、今だ優れません。その煎薬のレシピが記載された死書『喫茶養生記』を見つけ出し、封書することが快方の近道となります。死書の潜伏先はすでに調査済み。所在はー京都です。此度の案件、イツキ様の修学旅行と同時期なのは僥倖でした。はい。もちろん私が、案内役のバスガイドです。
お待ちしておりました、黒間イツキ様。私は、この図書館の案内を仰せつかっております、リヴル・ブランシェと申します。貴方様は私をお使いになり、この図書館より逃げ出した“死書”の封印をしていただきます。その過程において、この身はすべてイツキ様に隷属します。私は、そのために存在しています。 ですからイツキ様、これから共に ── イツキ様? なぜこちらを見ようとしないのですか? 私がメイド服だからですか? まさか私が、人間に見えないからですか? 分かりました。今からその証明をするために、衣服を脱ぎ、身体の御確認をお願いしたく ──
──丘の上の屋敷には魔女が住み、自身の悪魔と共に暮らしている── アイムを無意識に召喚していた遠野九罰は、彼女と共に居る方法を求め、丘の上の屋敷へと向かう。 そこで待ち受けていたのは、妖艶な美女イヴ、そして『騎士』と呼ばれる悪魔アンドラスだった。 驚異的な剣技によって九罰を圧倒する『騎士』アンドラス。そこには、主であるイブに仕える崇高な意志が見え隠れしていた。しかし、妖しい屋敷で起こったこの騒動の行く末は、意外なものとなり……。
アイムと共に街の悪魔召喚事件を解決した九罰。 しかし、彼の平穏はあらゆる面で未だ訪れない。再び天草国教庁からエクソシストが九罰のもとへ派遣されたのだ。そのエクソシストは、柴燐と名乗り、なぜか勝手に九罰家の風呂に入り、全裸のまま話をしようとする天然少女で……!? そんな破廉恥騒動で、妹・七罪の非難を受ける中、九罰は燐から驚愕の事実を知らされる。なんと今度の悪魔召喚事件の容疑者は、親友の羽堂征重郎だと言う。そして、その悪魔の被害が七罪にまで及び……!!
極東の国で起こった『天草の乱』。倒幕に成功した抵抗運動は『聖シロウの革命』と呼ばれ、その国はアジア最大の景教国家として栄えていった。 そんな『日本』に住む、信仰心ゼロの少年・遠野九罰は、召喚した覚えのない美少女悪魔アイムに手を焼いていた。その様子を見た妹には微妙に嫉妬される毎日で、九罰には平穏なんて言葉は信じられなかった。 ある日。街で悪魔が事件を起こした。九罰は、アイムの命を狙うエクソシスト・聖ルカと渋々犯人を探ることになる。ソロモン72柱の悪魔から、プロファイリングによって犯人を探るアイム。そこで判明したのは意外な事実で……!! 学園ゴシックストーリー開幕!