著者 : 漆原雪人
世界が終わりを迎えるまでーーおよそ一年。 英雄の生まれ変わりとして召喚された大咲空は、この終わりゆく世界で過ごす中で、魔法使いの少女ユーリに恋をした。 学園の襲撃やユーリの暴走、数々の困難を乗り越えた空は、ついにユーリへと想いを伝えーー。 「……アイ? 言葉の意味は知っていますけど……『好き』とは少し違うものですよね?」 「……うーん。それじゃあ、『好き』と『愛』との違いを一緒に勉強してみようか」 「えっ? ……い、一緒に?」 限られた刻の中で少しずつ距離を縮める二人の前に現れたのはーー吸血鬼の少女。 自分と違って積極的に空へ“好き”を伝えるその存在に、ユーリは次第に焦りを募らせ、恋することの意味を知っていくーー。
終わりゆく世界を前に、少女は願う。 かつて英雄(あの人)が愛し、そして救った世界。余命はおよそ一年。 たとえ、私が死ぬことでしか世界が救われないとしてもーー。 「大咲空さん。どうか、お願いします。この世界を救ってもらえませんか?」 「あなたはかつて、この世界を救った『英雄の生まれ変わり』なんです」 終わりゆく世界を前に、少年は自問する。 召喚されてからこの世界で過ごした、少女(ユーリ)との日々。 ちょっぴりドジで、すぐ拗ねる。でも、たまに見せてくれる笑顔が嬉しくてーー。 この世界と、大切にしたいたった一人の女の子。 どちらか片方しか救えないのならーー。
異セカイから異セカイへ。 死者のハッピーエンドを求めて、 「君」と「僕」は旅をするーーーー。 “ノベルゲーム界きっての叙情派”に『いろとりどりのセカイ』で登り詰めた、漆原雪人の新たな勝負作! 「……あなたにハッピーエンドを、届けに来たよ」 異セカイから異セカイへと彷徨い旅をする死神のソラ。 彼女の使命は、哀しい終わりを迎えた死者に幸福な結末を届けること。 運命を書き換える力を持つ死神の彼女と、それを見守る半透明の少年の、異セカイ彷徨ファンタジー。
姿を消した舞香。『魔物』によりつけられた、残り一ヵ月の腐敗の呪い。最強の殺し屋だった少年・志摩一式の存在は、『魔物』たちと相対する中で最弱へと転じてしまっていた。なんとか一式は舞香と再会するが、彼女の手により杏樹が浚われてしまう。杏樹を取り戻すため、舞香を追う一式。だが事態はさらに急転する。かつて杏樹に仕えていたメイドが現れ、舞香を一蹴し、彼女を連れ去ったのだ。そして明らかになる一式の過去。一式が、杏樹のために選んだ答えとはーー!? 「聞こえるか、杏樹。君のことを、浚いに来たぞ」 漆原雪人×黒谷忍が贈る『太陽』を見つけ出すための物語、第二弾!
少年、志摩一式は最強の殺し屋であるーー。とある過去を抱えた彼は、表向きは高校生として、夜は報酬次第で何でもする裏の仕事人としての日々を過ごしていた。そして今夜も一式は、運び屋としての依頼をこなす。だが、彼が受け取った荷物の中にあったのは、一糸まとわぬ全裸の少女の姿だった! 彼女を狙う襲撃者の手からなんとか逃れた一式。そして杏樹と名乗った彼女は、自らを、吸血鬼ーー『真祖』の娘であると語った。さらに彼女は、一式にひとつの“お願い”をしてくる。その内容はーー「どうか、私を。……殺してください」。おりしも、町では連続殺人事件が起きていて……!? 漆原雪人×黒谷忍が贈る、『太陽』を見つけ出すための物語ーー。