著者 : 犬甘あんず
私・菜花くるみは、クラスメイトの空橋星羅との誰にも言えない秘密を抱えている。 歪(いびつ)だけど、時に友達以上に落ち着く彼女の隣。 そんな星羅の家に泊まることになった夜のこと、妹のみずきが急に私も泊まると言いだし!? 「空橋さんは、くるみにとって……頼れる人? 甘えられる人?」 一つ屋根の下、私たちの関係を怪しむみずきがいようとーー 「空橋さんとくるみは、どんな関係?」 心配してくれる結愛がいようとーーご主人様とわんこの“遊び”は止まらない。 「お仕置きなのに、そんな顔しちゃうんだ」 私が星羅に躾けられるのも、頭がぴりぴりして気持ちいい。 こんな私の居場所は、どこなんだろう?
夏休み、私は海望と渚それぞれとデートを重ねていた。 海望といると、自然な私でいられる。渚といると、ときめきをもらえる。 ふたりを同じくらい好きな気持ちと、ふたりを恋人にはできない葛藤に苛まれてもいて……。 もう“普通の友達”同士ではないし、渚と観覧車でキスしていても、体に染み付いた海望の熱が顔を覗かせたりもする。 ふたりを幸せにするために、私にできることはなんだろう? そんな想いが芽生えるなか、渚と海望のふたりに、花房家に遊びにきてと誘われてーー。 「結叶に、あなたに触れたいって気持ちは、誰にも譲れない」 姉妹の間で揺れる三角関係に、選択のときが訪れる!
《世話好きな地味子×しつけられたいクラストップ女子》 私・菜花くるみとクラスメイトの空橋星羅は、まだまだ友達ですらなくて、教室じゃほとんど話すこともない。 平凡な私と学校一可愛いと噂される女子では、クラスでの立ち位置だって違うのだ。 ある日の放課後、そんな彼女にラブレターで呼び出されーー 「私のご主人様になってよ、くるみ」 でたらめな“お願い”に、私の日常は一変した。 他の誰かに空橋さんが傷つけられるくらいなら。そう言い訳して、 「……わかった。つけるからね」 今日も私は、ご主人様になる。 首輪をつけ、躾(しつけ)をして、人目に隠れて散歩して。 私たちは、どうかしている?
★甘く刺激的なガールズラブストーリー、完結巻! 「わかばの初めてを、私にちょうだい」「いいよ。……私の全部、小牧にあげるよ」 平凡で負けず嫌いな私は、なんでも完璧な優等生・小牧にそう返事をした。 しかしそれから早数日、小牧はためらっている。 実梨と遊んでいたら飛んでくるくらい嫉妬深いし、私のことは大好きだって伝えてくれるのにーー少しくらい強引にきてほしいとも思っていたり。 私から強引にキスするのは簡単だけど、それは彼女の気持ちを無視した行為で。 想いを伝え合ってしまった以上、そうもいかないわけで。 この微妙に不安と遠慮が重なる私たちには、《建前》が必要なのかもしれない。 “初めて”を迎えるための、最後の勝負が始まる。
初恋の人・花房渚に振られてしまった私・雨宮結叶はーー渚の妹・海望ちゃんと何度もキスをする。 最初は“渚の代わり”だったのに、海望ちゃん本人に少しずつ心を奪われ……でも、まだ渚と一緒にいるとドキドキしてしまう。 ある日花房家を訪れた私は、渚とそのクラスメイト・平地茜峯がじゃれあっているのを目撃する。 私の告白を断ったのは、平地さんと付き合っていたから? まだ好きかと聞いたのは、恋人がいるのに私に好かれているのは面倒だから? もうとっくに失恋している私には関係ないのに。 捨てきれない渚への「好き」と、海望に抱く好意的な感情の狭間ーー友達のカタチが、曖昧になっていく。
優等生姉と不真面目妹の間でもつれる、恋の三角関係。 私・雨宮結叶は、初恋の人・花房渚に告白し……振られてしまった。 未練に燻る私を見かねて、親しくしていた渚の妹・海望ちゃんからある提案が。 「私がお姉ちゃんへの想いを、忘れさせてあげます」 渚としたかったことを、全部彼女にしていいーーと。 瓜二つの妹に大好きな人の影を重ね、渚の格好をした海望ちゃんとデートしたり、 「結叶先輩は、妹みたいに思ってる、大事な友達と……キス、しちゃうんですよね」 溺れるように欲をぶつけたり。 そんな“渚の代わり”として触れ合うなかで、次第に海望ちゃん自身に惹かれていく自分がいてーー?
平凡で負けず嫌いな私は、なんでも完璧な優等生・小牧に、大事なものをいくつも奪われてきた。 なのにーー小牧を嫌いになれない。じゃあ好き? はっきりしない自分の気持ちが薄情にも思えるけど、小牧の心もまだ理解できていないのだ。 夏織と街に出かけたらナンパを心配し後をつけてきて、かと思ったら茉凛にもらった本当に大切なリップを奪い捨てられ。 小牧が見せる「わかばが嫌い」という態度と、周りが感じ取っていたらしい「わかばが好き」という態度。 どちらが本当の小牧か……確かめたい、全部知りたい。 この先に待つのは小牧の誕生日、そして文化祭。 心に触れたいのならーーここで勝負が必要だ。
平凡で負けず嫌いな私と、なんでも完璧な優等生・小牧は、大事なものを賭けて勝負する。 「気持ち良くなった方が、負けね」大事だったキスすらも勝負になり、しかしそんな小牧との触れ合いを心地よく感じてしまった私はーー夏休みの一週間を小牧に奪われる。 「記憶に焼き付けなよ。将来誰とデートしても、私のことを思い出せるように」 プールに水族館、ホテルでのお泊まり。 “恋人同士”の理想のデートを捧げる一方で、小牧の一番好きなものも、本当の笑顔も知らないことを寂しく思う自分がいて……。 そして一週間の最後に訪れる夏祭り。 打ち上がる花火は、小牧の気持ちを照らしてくれるだろうか?
「嫌い」な彼女に負けるたび、曝け出されるホントの気持ちーー。 吉沢わかばの幼馴染、梅園小牧は完璧である。 品行方正で才色兼備な優等生……というのは表向きで、人を見下す性悪女だ。 私はそんな小牧に勝ちたいあまり、大事なものを賭けてでも勝負を取り付けーー結果は私の負け。 そして、「わかばが、自分の意思で、私にキスをして」奪われたのはファーストキス。 尊厳を取り戻すためにまた勝負を挑むものの、小牧が勝ったら私の大事なものを一つ奪うという条件をつけられーー。 デートに添い寝、初恋の人に言いたかった"好き"という言葉まで。 全てを奪っていく小牧が大嫌いなはずなのに。 奪われて、ぽっかりと空いた穴を埋めるように流れ込む、この感情はなんだろう? 【惹き込まれる“沼”度に作家陣、衝撃!!】 みかみてれん 代表作:『わたしが恋人になれるわけないじゃん、ムリムリ!(※ムリじゃなかった!?)』 ーーーーーーーーー どうしてこんなにも切ないのだろう。 ふたりの少女が『勝負』を繰り返し、相手に自分の存在を刻みつけてやろうと食い下がる。 その先に待つのが、優しい未来ではなかったとしても、それでいいと、彼女たち自身がそう定めてしまっているから。 ーーーーーーーーー 仲谷鳰 代表作:『やがて君になる』 ーーーーーーーーー 過激で歪ながんじがらめの関係に引きつけられながら、その隙間に見える慈しみや切実さをもっと覗きたくなる。 邪道の顔をして実はこれ、正道の百合小説なのでは!? ーーーーーーーーー