著者 : 相田美紅
〈不審死の謎を解き明かす、中華検屍バディ・ミステリー!〉 唐の時代、芙蓉城と呼ばれる都・成都にて。 齢二十で難関試験である科挙を突破した李黎明(り・れいめい)は検屍官として赴任する。使命に燃える黎明だが、指導係の隆起(りゅうき)からは邪険にされ、明らかに歓迎されていない様子だった。 ある日、富豪の商人が不審死を遂げる。全身の穴から血が噴き出た異様な死体に、隆起は呪詛だと判断。ちょうど成都に訪れていた葦幹(アシタル)という異民族の青年を呪いの主だと決めつけて逮捕してしまう。冤罪だと感じた黎明は、一人で捜査を開始するーー!
王宮の奥深くに幽閉された恋人・ニグレトを救出し、一緒に村へ帰ることを望むルベト。祖国を再興するため、玉璽を取り戻したい王子アレク。そして尚王・玄柊を宦官たちの策謀から守りたい馬董。三人は、それぞれの目的のために、力を合わせることを約束した。賓客が集まる五十年に一度の「五陽の儀」当日、宦官が反乱を起こし、王宮は火の海と化す。だがルベトの歌と踊りが奇跡を呼んだ!WH新人賞受賞作完結。
大巫女の娘として生まれ、精霊に捧げる歌や踊りを叩きこまれてきたルベト。年に一度の地霊祭の夜、最愛の人・ニグレトを神の化身「瑞祥君」として大国・尚に攫われ、ルベトは彼を救うため、東へ旅立った。歌と踊りを活かし、王宮付の芸人となったルベトに、「瑞祥たるお方」の前で哀しき王子の愛を描く「白面郎哀歌」を披露する機会が訪れる。だがその役を狙うのは、ルベト一人ではなかった。WH新人賞受賞作!
遊牧生活を送るテン族の娘・ルベト。その日は地霊祭で彼女の誕生日。十六歳で成人し、祭りの巫女を務める大切な日だった。しかし大巫女である母に叱責され、村を飛び出してしまう。彼女を迎えに来たのは、金髪に金色の瞳をした美しい青年・ニグレトだった。将来の約束を交わす二人。だが村は焼き討ちに遭い、ニグレトは「麒麟の現人神」として連れ去られる。ルベトは、恋人を救うため旅立つ。WH新人賞受賞作!