著者 : 真坂マサル
目覚めた時、街は“悪夢”に覆われていた…。悪夢が人々を食い破り、襲い始めたある地方都市。その存在に捕われたら最後、発芽した悪夢は暴走し、その人間が死ぬまで、止まらない。失われた記憶、閉鎖された街、幼馴染の涙、異様な予言を信奉するカルト宗教ー謎だらけの状況に翻弄されながら、俺は手にした剣だけを頼りにギリギリで生き延びていく。いくつもの死を踏み越えて、傷だらけで進んだ先に待っている、残酷な「真実」とはー。この悪夢に、終わりは、あるのか?
生真面目すぎる殺し屋・御堂禅は、ある日自分が殺し損ねた標的ー傲岸不遜な私立探偵・東馬京に取り憑かれてしまった。生霊となった京は、暇にあかせて禅へ舞い込む依頼に次々と口を挟んでいく。実力派俳優の依頼した殺しに秘められた謎、暴力団の裏切りもの粛清に隠れた秘密、顔の見えない依頼者が請う連続殺人犯殺し…。いつの間にか京の推理に唆されて、禅の殺しは奇妙に脱線していく。名探偵の推理が、殺伐とした依頼の裏に隠れた真実と、生真面目すぎる殺し屋の心を解き明かす。名探偵が殺し屋で遊ぶ、ライトミステリ。
“エルフ”の少女に乞われ異世界へ高飛びした元極道・成嶋千潮。しかしそこで彼が出会ったのは、気楽なファンタジーとはほど遠い、血で血を洗う絶望的な世界だった。虐殺された“エルフ”たちが、命と引き換えに守った秘密ーそれは、服用した者から「魔法」を引き出す薬=魔薬。「俺が、幻想(ファンタジー)を終わらせてやる」たった二人残された“エルフ”の姉妹と契約を結んだ千潮。そして最も危険な男は血と硝煙と策略をまとい、残酷な異世界を切り抜け、やがて破滅へと導いていきー。異世界×極道。最凶の組み合わせで紡ぐ異世界ダークファンタジー、幕開。
三輪ケイト。誰もが振りむくほどの奇蹟的な美しさをもちながら、人見知りでまともに人の顔も見られない女の子。そんな彼女は「暗号」を目の前にした時にだけ、その瞳に類まれな知性の輝きを宿らせるー暗号中毒者だった。名映画監督が残した暗号、ストーカーの残した謎めいたメモ、記憶喪失の少女が描く謎の図案、そしてケイトの人生に影を落とす暗号…。「暗号には、それを作った人の強い思いが込められている」ケイトの前に現れる様々な暗号と、その裏に隠された人生の物語とはー。
裏社会通り。日常からほんの一歩道を違えた場所にあるその街には呪いを抱えた“厄人”たちが集っている。あまりに不運な自分の身の上を「呪われている」と看破されてしまった四ツ葉つゆりもまた、その街に迷い込んだ。彼女が出会うのは、誰からも忘れられる女殺し屋、何もかもを忘れられない情報通、生ける藁人形に宿る探偵、セクシーなインチキ霊媒師…そして、全てを「生かす」呪いにとり憑かれた男ー。呪われた人々の運命が、ひとつの事件を巡り集約しー。
殺し合う者たちを結ぶ「赤い糸」を見る少年、楠見朝生。そして彼と「結ばれて」いる少女、水木しげ子さん。──心の底から不気味で、人形みたいに完璧だった彼女が、失ったもの。その喪失はあまりにも大きく、二人の歯車を狂わせていく。 そんな二人の前に、最後にして最大の事件が転がり出す。狂気に満ちた赤い糸の来歴を辿るうち、朝生としげ子さんの運命の時が、ついに訪れる──。 ただ一度の〈20回記念特別賞〉受賞作、衝撃の完結! 血の呪いに終止符を打つのは、彼女の死か、彼の死か、それとも。
水木しげ子さん。人形のようにあまりにも完璧に美しく、けれど心の底から怖ろしい、ほぼ妖怪のような女の子──そして、僕と死の運命で結ばれた女の子。 殺し合う者たちを結ぶ「赤い糸」を見る少年、楠見朝生の前には、糸に導かれた死の運命が次々と訪れる。親しい人たちを狂気の牙が襲い、世界を悪意の底へと突き落とすための罠が目覚めるとき、朝生に突きつけられる「選択」とは──。 ただ一度の〈20回記念特別賞〉受賞作、待望の続編が登場! 物語はさらに愛しく狂える結末へと転がり落ち、そして。
今日は転校初日で、学校に着いていなければいけないのに、僕は今、死体を埋める穴を掘っている。そんな僕の左手の「ある存在」--それを追って振り返ると、僕以上に血みどろで、死体をいじくる女の子がいる。 --水木しげ子さん。 僕の想像していたのと全然違う、可愛くて恐ろしい女の子。でも、彼女こそ僕の運命の人に間違いない。だって、あまりにも完璧な、人形みたいに美しい彼女の左手の小指は、僕の左手の小指と「運命の赤い糸」で結ばれているのだからーー。 殺し合う者たちを結ぶ「赤い糸」で結ばれてしまった、ちょっとおかしな少女と少年。二人に次々と訪れる数奇な殺し合いの「運命」と、その未来に訪れる結末とはーー? 今年だけの<20回記念特別賞>受賞作、登場!